【DATA】
2006年11月25日 @東京厚生年金会館
音楽: 振付:
ストーリー:
珠玉の一曲:SEASONS OF LOVE (アンコール)
購入グッズ:プログラム(今年はゴールドとシルバーの2種類を販売。写真はゴールド。表紙の写真はオリジナル・ブロードウェイ・キャスト。2枚組CDの表紙と同じ内容。)
【COMMENTS】
久しぶりのRENTの生舞台。
もう何度も見て、歌詞はもちろん、一部台詞も覚えてしまうほどですが、何度見ても感動は色あせない。
RENTという作品が持つ力強さに圧倒されて、悲しい場面でもないのに涙があふれてくる始末。それだけ、この作品は素晴らしいものだと改めて実感しました。
因みに座席は前から13列目で左ブロックの一番右(=舞台中央)寄り。
・・・これまでで一番遠かった
作者ジョナサン・ラーソンが、これまでミュージカルに足を運ばなかった若者に見てもらいたい、今までのミュージカルの世界を変えたいと思って作り上げた作品。
私自身もRENTに出会ってから、他のミュージカルを見るようになりました。
そして、この日の客層を見ても、若者が多くて、ジョナサンのメッセージはちゃんと伝わっているんだな、と感じました。
特に、開演前にアマチュアゴスペルグループか、ただのRENTファンか知りませんが、会場の前に集まってSEASONS OF LOVEを熱唱していたのを見て、今までにない観客の若さを実感しました。
作品を見ながらの観客の反応もこれまでと違っていて、東京公演の千秋楽で、リピーターもかなり多く、映画も上映された後なので、作品を分かった上での歓声が多かったです。
例えばエンジェルのTODAY 4 YOUの登場シーンでは大歓声が巻き起こったり、CHRISTMAS BELLSの「Honest Living!」は早口で息継ぎなしの結構過酷なシーンなので、歌い終わったときに歓声が起きたり(ただ、これは日本語版の「まじめに生きてる」の方が遥かに早口で難しいので、私は歓声を上げるほどではないと思いました。。。)OVER THE MOONのMOO!も皆ノリノリで叫んでいたし、観客のノリがとても若かったです。
今回の舞台について。
初演以来10年が経ったということで、作品の演出がこれまでとかなり変わっていました。一言で言うと「現代的」。
まず、衣装がこれまでと全く違う。これまでも、初演と全く同じ衣装だったわけではないですが、それでもコンセプトや色使いはずっと統一されてきていました。
しかし、今回はガラッと変わっていて、特にミミのOUT TONIGHTの衣装が紫色になっていたのには驚きました
振り付けも、かなり現代風にアレンジされていました。
例えばSANTA FEのホームレスの振り付けは、これまでは創作ダンスのような動き(ダンスに詳しくないので的確な表現ができない・・・)だったのが、現代風に洗練されていて、ストリートダンサー達が踊っているように見えて格好良かったです。
エンジェルが死んでしまうCONTACTも、これまでのシーツを使った演出(因みにNYでは現在もこの演出だそう。)に代えて、各キャストがエンジェルの周りをぐるっと取り囲んでまるで亡者のようにエンジェルに群がる感じで、かなり「直接的」表現だと思いました。
ここまではまあ許せる範囲でしたが、不服だったのはLA VIE BOHEME マークのソロの間、テーブルに座ったその他のキャストが同じ振り付けで踊るあのアイコン的ダンスがカットされ、各自が音楽に合わせて体を動かすだけになっていました。
確かにあの振り付けはちょっと古臭かったですが、そこがコミカルでよかったので、あれはなくさないで欲しかったです。
モーリーンのソロのOVER THE MOONは、毎回振り付けが変わってますが、今回が一番現代的でした。
衣装がスカートだったのはかなりビックリしましたが、まあ許容範囲内。しかし、I've gotta, gotta, gotta ... find a way!で上半身を上下に激しく動かしながら歌う振り付けがカットされていたことにはガッカリしました。
その他の演出もかなり変わっていました。
CHRISTMAS BELLSでエンジェルがコリンズのコートを見繕って、「No, No, No, NO!」と店員に薦められるコートにダメ出しをするシーンでは、最後のNOはコリンズにお尻を触られたことに対するNOだったり、LA VIE BOHEMEでモーリーンがジョアンヌの機嫌を損ねるシーンでは、モーリーンが他の女と浮気していたり。同じくLA VIE BOHEMEでマークがYou bet your ass toというシーンではモーリーンがオシリを出していましたが、今回はアンサンブルのキャスト(男1人、女2人)がオシリを出していてビックリしました
台詞や歌詞はそのままなのに、演出を変えることでかなりオリジナルバージョンと違う作品に仕上がっていました。
やはり初演から10年も経つので、作品をそのまま伝えるのではなく、あの伝説的作品を現代に繁栄させる、というコンセプトがあったように思います
キャストについて。
今回はアンサンブルの実力がこれまでで一番高かったです。
その一方で、メインキャストはイマイチ・・・。それぞれが自分の役を独自に解釈して、自分なりにその役を演じようとしていました。その努力は認めますが、あそこまで個性を出さなくても良いんじゃないかと思いました。
例えばエンジェル。オリジナルのエンジェルはかわいらしい、女性らしい印象がありましたが、今回のエンジェルはパワフルで、かなり男性的。「こんなエンジェルもアリか」と思える範囲を超えていました。
ミミとロジャーは、役作りというより歌い方が気になりました。歌唱力や声量はあるものの、厚みがないというか、深さが足りないというか・・・包まれる感じの迫力が足りなかったです。ただ若いだけ(ミミ役はなんと18歳!)かな?特にロジャーは前回の来日キャストのコンスタンティンに似た歌い方で、私的にはあまり気に入らなかったです。
マークはどの公演を観てもイメージが定着していて裏切られたことはありません。特に今回マークを演じたジェド・レスニックは、tick, tick...BOOM!でジョン役(RENTでのマークに相当する役。日本版マークで同じくジョン役も務めた山本耕史によると、ジョンは人間でマークはヒーローとのこと。)を務めたことがあるそうなので、マーク役の素質は十分でした。
アンコールのSEASONS OF LOVEは感動の嵐
マークが出だしをフライングするというご愛嬌もありましたが、観客が皆で一緒に踊って歌い、まさに会場が一体となっていました。
普通はこの歌が終わるとバンドの演奏(I'LL COVER YOU)でカーテンコールが終わるのですが、この日は観客の熱狂的な拍手が鳴り止まず、もう一度キャストが登場して、何回目のカーテンコールだ!?という感じになっていました。
最後まで本当にとても楽しい舞台でした
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