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かものはし通信

他是不有吾

「私はこうして受付からCEOになった」

2013-04-06 20:45:02 | 
カーリー・フィオリーナ「私はこうして受付からCEOになった」ダイヤモンド社

酷い邦題だ。売るためなら原作の持つ大切なイメージを損ねてもよいのか。
この著作にこんなろくでもない邦題をつけるなど、出版社の誠意と品位を問いたい。

大変辛い自伝である。
彼女の辛さは、まず男には絶対に理解できないであろう。特に日本の男には。
(だからこそ、こんな邦題を平気でつけられるのだ。)
アメリカは、一見啓かれているようで、その実女性に対する差別意識は日本より
酷いそうだ。
そんな中で、傷つきつつも会社のためにひたすら尽力を尽くした著者の生き様に
心を打たれた。

「冷血」

2013-03-31 07:26:51 | 
高村薫著「冷血」毎日新聞社

読み出したら止まらない。あっという間に「完」の文字を見た。

合田雄一郎と再会できた喜びを、しみじみと噛み締める。
「マークスの山」の頃のぎらぎらした感じはすっかり抜け落ちて、老成してしまったようだが、若い頃よりさらに出口のない堂々巡りの彼の思索は結構好きだ。
そしてその思索は、出口に辿り着けないまま、置いてけぼりを喰らってしまった。この宙ぶらりん感が良いと感じてしまう自分も、歳をとったのだな。

「ビジネス・ゲーム」

2013-03-26 07:52:33 | 
ベティ・L・ハラガン著「ビジネス・ゲーム」光文社文庫

原題は"Games Mother Never Taught You"、1977年に米国で出版された。
日本語翻訳の初版は1993年。翻訳まで16年かかっているのもえらいことだが、
それ以上に翻訳版がさらにまた16年後に加筆修正されて文庫化されていると
いうのも、なかなかのものだ。
隠れた良書として、しっかり読み継がれてきたのであろう。

「目からうろこが落ちた!」と、間違いなく言える。本著で指摘されている
勘違いを、自分も相当やってしまっている。会社が良い印象を持ってくれる、
上司がきっと感謝してくれる、と思ってやっていることが、まったく逆効果
だということに気づかされた。
今さらではあるが、いや今だから、本著をしっかり読みこんで、ビジネス・
ゲームのルールを熟知し、ゲームに勝つ戦略を考えよう。

にやりとしたのは、仕事へのやりがい幻想を諌めた章中の次の一節。
「女性にはその部分(生活の糧を得ること)は夫に負担してもらい、自分は
純粋に『やりがい』のためだけに仕事をしたいという人もいるようですが、
このような人は、本書の読者対象として想定していません。」

「君にはもう そんなことをしている時間は残されていない」

2013-03-24 09:09:01 | 
千田琢哉著「君にはもう そんなことをしている時間は残されていない」 あさ出版

前書の立ち読みついでに、手にとってみた。気になるタイトルだったのだ。
著者のプロフィールはいささか怪しげだ。中身も「詩集か?(苦笑)」と思える分量に体裁。
だがまあ、肯けるところは多々あり、自分の思想を再確認できたのは、それなりに有意義だった。
「一分遅刻する人間とは縁を切る」
一時間遅れるのは、何か大きな理由がある可能性が高いが、一分の遅刻はあなたを軽視している証、だと。そのとおり。常習的にちょこっと遅れる人間を、信用してはならない。そんな奴と付き合って、自分の大切な時間を捨てることはない。

「トヨタの片づけ」

2013-03-23 14:45:14 | 
「トヨタの片づけ」 中経出版

職場では5Sに力が入っている。しかしどうも型にはまったことを嫌々やっている雰囲気なので、実際にトヨタの5Sはどんなもんか、確認するために手にとってみた。

あっという間に読める量だ。(立ち読みで済ませてしまった。申し訳ない。)
しかも大変分かりやすい。入門書として最適だろう。個々人レベルだけでなく、指導者、上に立つ者がどうすべきかにも示唆がある。

職場でなく自宅に置き換えたら、近まりの「人生がときめく…」に近いものがあり、ちょっと苦笑してしまうが。
そういえば、ぼちぼち自宅もものが増えて片付かなくなってきた。早速今日明日で、片付けと廃棄を実行しよう。