本日、スイセン「スージー」の花が咲きました。

スイセンにはいろいろな品種があります。家の庭で3品種を育てています。スージー、ニホンズイセン、ベビームーン。どれも香りの良い花を咲かせます。ちなみに、スイセンを特徴づける花の中央にある濃いオレンジの盃状の部分、これは副花冠と言います。
スイセンというと、ニラやノビルと間違えて食べたために起きた食中毒がニュースになったことがありました。2016年には死者も出たそうです。そこで、今回はスイセンとニラの区別について調査しましたのでレポートします。
何と言ってもニラには特有の匂いがあるので臭覚異常でなければ間違えることはないはず。しかし、いろいろな事情で臭覚に自信ない場合は見て判断しなければなりません。
まずは、ニラの根元あたりを注意深く観察・・

ニラでは葉の両面が平たいように見えました。次にスイセンではどうかというと・・

葉の向軸側は湾曲して凹みがあるように見えました。慌てなければ簡単に区別はできそうです。
次に各々切り出しての比較です。

上がニラで下がスイセンです。やはり根元の様子は大きく異なっていました。葉の一枚を剥がし取って比較すると・・

スイセンに比べてニラは平らな葉でした。念のため、各々の断面を観察すると・・

右がニラで左がスイセンです。写真上が葉の先端の方、下が根元に近い方の葉の断面です。上方向が葉の向軸側、下方向が背軸側です。
ニラでは根元に近い方では背軸側にやや膨らみはあるものの向軸側は平でした。そして葉の先端に行くにつれて扁平になっていました。一方、スイセンでは、先端に近い葉でも厚みがあり、向軸側が凹む形で湾曲していました。
それから、注意しなければならない点として、ニラは花を放置すると種子がたくさん実り分布が拡大するということです。知らないうちにスイセンの近くに生えてきてしまうこともあり得ます。一方、スイセンは完璧に花柄詰みをして球根を太らせるようにしておけば種子で拡散するようなことはありません。あとは、スイセンの球根が移動しないように、付近の土を野菜栽培の近くに動かさないように注意しておけば良いです。
【まとめ】
- スイセンの品種は多数あり、花は早春〜春に咲きどれも良い香りがします
- スイセンは全草に、リコリン、ガランタミン、タゼチンなどの毒性のあるアルカロイドが含まれています
- 過去に、誤って食べた人が死亡したことがありました
- スイセンの葉は厚みがあり、向軸側が凹むように湾曲しています
- 一方、ニラは、扁平な葉で、特に向軸側には湾曲がありません
- ニラは特異な香りがあります
- ニラの花は夏〜秋に咲きます
- ニラの花を放置しておくと多数の黒色の種子ができ分布が拡大してしまいます
- スイセンはタネをつける前に花柄詰みをしておけば種子で拡散する心配はありません
- スイセンは球根でも増えるので生息近くの土の移動には注意を払う必要があります
- とにかく、収穫目的のニラ近くにスイセンがあってはなりません