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怪談 怪談遺産 平山夢明

2022-07-06 22:08:00 | 怪談
「怪談遺産」 平山夢明 221頁
しばらく大人しくしていた平山夢明師の実話系怪談である。
あとがき、が真面目であり怪談愛がしっかり感じられて良い。

怪談は人類が物語を語り始めた時と同じくして生まれた最古の
口承文学だと思われる。
とんでもない数の作品が生まれて人の口に上ってきたが遺されるものはまさに一握り、一つまみにすぎない。
著名な文筆家が押並べて傑作怪談の作り手であることは間違いないが、さりとて世に残っている怪談には”詠み人知らず”のモノも数えきれない。
そして、それが残った理由も「怖いから・・」というものだけとは限らない
「なんとなく・・」とか「誰に聞いたか忘れたけど記憶に残っている・・」といった、その遺された理由自体が妖しい怪談が世の中には流通しているのである。






このように世に漂う怪談は、互いに呼び合うようにして
ある種の人の許に集まるようになる。
これからは平山氏はこのような種類のモノを怪談遺産として認定、登録していくのだそうだ
そんな訳で本作は、どこかで聞いたようでありながら、読んだことの無い一話数ページ毎の実話怪談が35作収録されている

平山氏もリスタートにあたり、収録作品の掲載順番や構成はしっかり考え抜かれて読者の魂を鷲掴む気まんまんの様だ。
スタートは、ほのぼの系とか。ほんわか癒し系の怪談も混じっていて、物足りないとか、とり付き易い、と思って舐めて読み進めるのであるが
やはり、そこは平山大天神サマである。行きはヨイヨイ、帰りはコワい!
ラスト三作品あたりになると、怖さフルスロットルで
「もうヤメテ、勘弁してっ!!」って感じで上下左右に揺さぶられてへとへとに疲れてしまう。
怪談読んで、爽快に怖がりたい方のみお薦めである

ラスト三作タイトル。
「殉死」⇒「死ぬほど好き」⇒「聖地巡礼」
 激辛 ⇒ 地獄級辛口  ⇒ 壊滅級辛口 
こんな感じです( 〃▽〃)


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