村上春樹原理主義!

作家・村上春樹にまつわるトピックスや小説世界について、適度な距離を置いて語ります。

ノーベル文学賞はボブ・ディラン

2016-10-13 21:21:43 | トピックス

今年のノーベル文学賞が

夜の8時過ぎに発表されました。

村上春樹、受賞か??

 

なんていうか

今年の受賞者は、アメリカのミュージシャンの

ボブ・ディランだそうです。

確かに歌詞はすごいという人もいるけど。

歌詞はポエムなのだから

詩人としての評価なんでしょう。

 

でも、歌が文学賞…

それなら、村上春樹さんの小説でも、問題ないのに。

真摯だけどラフな小説世界だから、なかなか取れないのかな

と思っていたけど、

ボブ・ディランの歌詞がOKなら、村上春樹さんもOKでしょう。

 

2006年にノーベル賞の登竜門とされるチェコのフランツ・カフカ賞を受賞して以来、

毎年、有力候補に挙がっていたのに。


とまあ。

でもそんな権威付けになりそうなノーベル賞なんて

まだとらなくてよかったかもしれません。

だって、まだまだ作家としてこれから

という上り調子であってほしい。

ノーベル賞なんか受賞したら

はい上がり!

ということになりそう。

でも、神棚に飾られるのはまだ早い。


もっともっと躍動的な小説シーンを展開してほしい。

そのためには、権威から遠いところにいてくれなくっちゃ。

だから、ノーベル賞をとらない村上春樹さんを大事に評価したいと思うのです。


 

 


『少年カフカ』について。

2016-03-05 08:41:17 | トピックス

『少年カフカ』は、

2002年に『海辺のカフカ』が発売されたのに伴い

ホームページがオープンされ

そこに寄せられた質問と回答を編集して

作られた本です。

2003年に発売。

当時、書店には、漫画雑誌と同じようなサイズと装丁と紙質の

『少年カフカ』が山積みになっていましたっけ。

 

でもその頃は、村上春樹さんにあまり関心がなかったので、スルー。

『少年カフカ』のタイトルから、中高校生を対象にしたものかな

という印象を、なんとなく抱くにとどまっていました。

日本の少年たちは、

村上春樹の『海辺のカフカ』を読んで質問するくらいに聡明なのかと、

その早熟さに、中身を見もしないで軽く驚いていました。

 

先日、何かの拍子で『少年カフカ』は手に入りにくいという情報を読んで

「いまのうちに手に入れておこう」とアマゾンから取り寄せたのです。

(安心してください。まだいっぱいありました。)

そして、「少年カフカ」とは、

「漫画雑誌のような装丁と雰囲気の本を」ということで意図されたタイトルで、

(少年マガジン、少年ジャンプ、少年サンデー……ほらっ)

要は田村カフカ少年のことなんだな、と納得しました。

カフカ君は15歳ですからね。

世界でいちばんタフな15歳です。

まあ、要は大人向けの本でした。

 

それにしても、村上春樹さんも、ほんとに面白いことを考えますね。

去年発売になった『村上さんのところ』と同じ形態のやりとりを

12年前に『少年カフカ』でもやっていたということです。

その村上さんの思考と体力のタフさに頭が下がります。

きっと世界一タフな作家です。

(フルマラソンも毎年走っているし。)

 


村上春樹は極めつけの“朝型人間”

2015-12-03 21:30:44 | トピックス

ベストセラーになった自己啓発本を読むと、朝型人間になるよう、とにかくすすめています。

「朝30分早く起きなさい」

「できる男は朝に仕事をする」

朝の大切さを説かない本はない、といってもいいくらいです。

(ちょっと大げさですが。)

 

しかし、実際に朝に仕事をして素晴らしい成果を頻出している人がいます。

作家の村上春樹です。

彼は朝にしか仕事をしません、しかも、早朝!!

自分で次のように証言しています。

「実を言うと、僕も朝にしか仕事をしない。

だいたい午前四時から五時のあいだに起きて、十時頃まで机に向かって集中して文章を書く。

日が落ちたら、よほどのことがない限り一切仕事をしない。」

(出典『意味がなければスイングはない』)

 

そして、仕事をするときは、アナログレコードをかけるというのが定番のようです。

「仕事をするときは、どちらかといえばアナログを聴くことが多いですね。

CDよりもLPの方が、なんとなく気持ちが穏やかになるので。

前の夜に『明日はこれを聴こう』と五、六枚のレコードを用意しておいて、朝起きるとそれを順番に聴いていきます。

朝はだいたいクラシック音楽を中心に聴きます。

前の夜に、明日の朝のためのLPを選ぶのがけっこう楽しいんです。

なんだか子供の遠足の用意みたいですね」

(出典 サイト「村上さんのところ」)

 


ハルキストじゃなく「村上主義者」と呼んでくれ!

2015-12-02 09:00:35 | トピックス

そもそも村上春樹のコアなファンについて、これまで「ハルキスト」と称されていました。

それはいまも変わらず、新聞紙上やテレビでは“ハルキスト”というワードが使われています。

しかし、ご本人の村上春樹は、これがいやでしょうがない。

 

今年の頭に開設された「村上さんのところ」という読者の質問に答えるサイトのなかで

「ハルキストはやめてくれ、どうせ呼びたいなら、村上主義者と呼んでくれ」

という趣旨のご本人の発言がありました。

ハルキストって、モゾモゾしてしまうような語感。

聞いていて、ちょっと恥ずかしいような。

村上春樹自身も、その底のなさげな軽い響きが嫌だったと推察。

「こう呼んでくれ」とたまりかねての発言と了解しました。

 

村上主義者もちょっとな、と思うけれど。

ただの「村上春樹ファン」じゃいけないのでしょうかね?


村上春樹にアンデルセン文学賞!

2015-12-01 09:04:04 | トピックス

ちょっと前に、ひそかに新聞に流れたニュース。

村上春樹が2016年の「ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞」を授与されることがわかりました。

「えっ、児童文学を書いたのか??」と早まらないでくださいね。

児童文学作家に送られる「国際アンデルセン賞」とは無関係の賞だそうです。

2007年に創設されて賞で、ハリー・ポッターの著者、J・K・ローリングさんも受賞しています。

(やっぱり児童文学じゃないかって?)

評価されたのは次の2点。

●古典的な物語、ポップカルチャー、日本文化、夢のようなリアリズムおよび哲学的議論を大胆に融合する村上氏の力

●ユーモアと自己主張、憂鬱の美しいバランス


この選考理由から、北欧にも熱烈な村上ファンがいるんだなということが推察できますね。



村上春樹とカキフライ

2015-11-30 23:04:18 | トピックス

作家の村上春樹は「ユーモア」と「憂鬱」を抱えた特筆すべき作家です。

その行動や小説世界や、もろもろのエピソードをブログでおっかけます。

まずは、村上春樹が原発事故に遭遇した福島県の郡山市のイベントに登場し、トークを展開したニュース。

地元の高校生とも交流したそうで、なかなかやるなと、人柄がしのばれますよね。

小説を書くことは「一人カキフライ」に似ているとはまたユニークな発言。

つまり、キッチンでカキフライを自分で揚げて食べるくらい好きということでしょうか。

いや、そうじゃないか(笑)

とにかく、その心やいかに、というのが以下のニュースで述べられています。

どうでもいいけど、揚げたてのカキフライを食べたくなりませんか?

 

【引用】 朝日新聞デジタルより

村上春樹氏、創作は「1人カキフライ」 福島で語る

 作家の村上春樹さんが、福島県郡山市で28、29日と開かれた文学イベントに参加した。国内のこうした催しで発言するのは珍しい。29日には約200人の前で、作家らと想像力との付き合い方を巡って約2時間語り合った。イベントの合間には地元の高校生と交流したという。

 この日、作家の古川日出男さんやレアード・ハントさん、翻訳者柴田元幸さんらとともに「サプライズゲスト」として登壇した村上さんは冒頭、「僕はカキフライの話をします」と切り出した。大好物なのに、妻が揚げ物嫌いのため「台所で1人で揚げる」と述べ、こう続けた。「1人で食べるカキフライはおいしいけど、寂しい。寂しいけどおいしい。孤独と自由の関係のように永遠に循環する。自分の中にある言葉を一つ一つすくうという作業は孤独な作業で、(小説を書くことは)1人カキフライに似ている。自分が小説を書いていると思うと頭が重くなるけど、カキフライを揚げているんだと思うと、楽になります」

 創作のきっかけについては、最初のシーンを思いつくことから始まることを明かし、「そのシーンが頭の中で半年ぐらい、タクシーで渋滞に巻き込まれてるみたいにぐるぐる回っている。それが半年くらいすると回り出す」と話した。