美玲詩文堂

ようこそ♪こちらは不定期詩ブログです。
ゆっくり羽を休めていって下さい。
明日羽ばたく為に…。

押し花

2006-07-30 21:33:22 | Weblog
或る晴れやかな日の残像
この素敵な日を忘れるまいと
その時手折った花を永遠にした

1年2年生きててても
そうそうこんな素敵な日は訪れないだろうと
今私は回顧する
またいつかこんな日が来ればいいなと
未来に思いを馳せる
思い出の中で遊ぶ―
遊べてしまうぐらいの思い出があるのは幸せなことだ

昭和レトロ

2006-07-27 22:46:36 | Weblog
ただ単に
古き良き時代を懐かしむだけではないでしょう
一番人間が人間らしい時代だったのでしょうきっと

自分は時流についてゆけぬと
内心思い悩みながらも
何故だか口にするのは憚られて
己を鞭打ってドアを開け
3倍速の世間に出る
サーフィンのやり方を知らぬのに
周りに合わせる為に時代の波の中に飛び込む

駄菓子屋のおばさんのそばにちょこんと置いてある
瓶に入ったお菓子たちや
子供の頃住んでいた部屋の
悪気のない野暮ったさを思う時
そしてその空間に身を置いた時
きっと人は一番素直になれるのでしょう

恋バナ、愛人の章

2006-07-23 22:25:47 | Weblog
そんなのたった一瞬の花火じゃん
甘いチョコレートパフェじゃん
男だって彼女を囲った初めは
毎日甘くて刺激的だろうけどさ
逢瀬を重ねまくったら情が生まれるじゃん
そしたら離れるに離れられなくなって
それが一番苦しいよね?
けど結婚できない訳でしょ?
「このままでいいの」って女は言うけどさ
苦しいのにこのままでいい訳ないよなー
ましてや子供ができたらどうなるの?
今時世の中が開けたって言っても
シングルマザーは大変だよぉ?
女が迫ったって男が受け入れなきゃいいだけの話でさ
こういう事って結局男のエゴの副産物だったりしない?

…なんて
たった30分や1時間のドラマ見て
心の中でテレビにツッコミを入れてみた

今日も気だるい昼下がり

不死鳥

2006-07-20 23:34:38 | Weblog
人々の祈りと願いの中で
心に生まれたであろう不死鳥
強くありたい
才能豊かでありたい
強く想いながら努力する人々の心の中で
不死鳥という名の神は生まれたに違いない

だから勘違いするな
不死身だから羨ましいなどと思うな
一生懸命生きない限り
不死鳥を感じることすらできないのだから


「価値観なんて人それぞれ」

2006-07-16 21:54:57 | Weblog
この言葉を受け取る者の中に
権利だけ主張したい人間が増えたような気がする
この言葉を発する者の中に
事なかれ主義が増えた気がする

だから近頃
透明な風みたいな会話しか
耳にしなくなった

この言葉をあちこちで聞くようになってから
ショックもなければ感動もなくなった

人間らしい会話ができなくなるという事は
時代を語る事ができなくなるという事なのにね

しゃぼん

2006-07-09 23:28:07 | Weblog
石鹸の香りのするひとと
最近すれ違わなくなった

甘い甘い香水の匂いとは
嫌という程すれ違うというのに

鼻から心に染み入り
思わず笑みがこぼれるような
石鹸の香りとは
あまりすれ違わなくなった

いい加減
しゃぼんの香りが恋しくなってきた

今日も空が青い…

神頼み

2006-07-05 23:34:47 | Weblog
「思いがけないなりゆきで
疎遠になった友がいます
どうかその友と会えますように」

幼い事を幼い言葉で綴って祈った
本当は七夕の短冊にしたためてもいいのだけれど
ここ数年七夕の日は晴れたためしがないので
いつも静かな神社に来てみた
お正月も受験シーズンもさして賑わない場所
ひっそりと祈りに行くには丁度いい

お互い喧嘩したわけでもないのに
携帯の番号だって知っているのに
メモリから呼び出せないのはどうして?
あの日あんなアクシデントがなかったら…
何百回も思った、そんなこと

私は腹を立てている
たったの1回すらも携帯のボタンを押せない自分に
やましい事など何もないのに
何故か逡巡する自分に
そして何より
祈る事しかアクションの起こせない自分に

もしも私が絵描きなら

2006-07-02 23:01:25 | Weblog
抜けるような青空と限りなく白い雲
雨の日にはひときわ色を増す紫陽花とカタツムリ
風にそよぐビロードのような草原
紙一面に描いてあの人に送ってあげたい
言葉を綴った手紙の代わりに

好きです 会いたい 愛しています
優しすぎるあの人に
この言葉は重過ぎるだろうから

もしも私が絵描きなら
言葉の代わりになる優しいものを送ってあげたい