ぴち子の忘れられない話…人、オウム、インコ、犬、猫等にまつわる実話

今まで出会った動物達とのエピソードや、素敵な人達の話を綴っていきます。

猫と蛙

2014-07-03 15:45:27 | 
梅雨も本番になってくると元気になってくるのが、蛙達。
住宅地の周りが開けてくるに連れて蛙の声が遠くなっていきます。
とはいえ、三重県北勢地方の我が家の庭にも時々蛙のお客さんがやってきます。
ちょっと前にはヌマガエルが蓮池に遊びにきていました。
1週間程逗留していましたが またどこかに行ってしまったようです。
 私は名古屋の中心地で育ったので、子供の頃には家の近辺には田んぼも野原も全くありませんでした。コオロギさえも珍しかったのです。
 なので自然と触れ合うには郊外までバスや電車で出かけるのです。
ある時、近所のおばさんがその子供と私を郊外の田んぼへタニシ採りに誘ってくれたことがありました。
私は大喜びで出かけたのですが 妹はまだ幼かったので一緒に行けません。
そこで、父親が妹を蛙採りに連れて行ったのです。
その日の夕方、私はタニシを持ち帰り、父と妹はトノサマガエルを持って帰ってきました。
タニシは小さいのは庭の池に放し 残りはゆでて酢味噌和えにして食卓に。
そして蛙は…これは食べません。ペットになりました。
父親が網を貼った蛙小屋を作ってくれました。中には小さい池を作り、草むらも作ってありました。
エサは生きたハエです。
毎日ハエを採って小屋に入れていました。
蛙も餌付けできるんですねえ。人の姿を見ると近くに寄ってエサを待ってるんです。それがとってもかわいいんですよ。
やがて秋になり 冬が近づいてきたので小屋を取り外し蛙達を庭で自由にさせることにしました。冬眠のためにです。
次の年の初夏のことです。
ゲーコ、ゲーコと鳴く声がするので見てみると、家の飼い猫が蛙をくわえてやってきたのです。
猫は子猫を運ぶように大事そうに蛙を持ってきて私の前にそっと置きました。
蛙は傷ひとつなく元気に庭に跳んでいきました。
家族の大切な蛙を見つけたので連れてきたようでした。
蛙は庭に放したままにしておきました。
それから毎年夏になると何匹か出てきてケロケロ鳴いておりました。
相変わらず猫は時々蛙を座敷まで連れてきました。
やがて時が経ち、夏になっても蛙の声がしなくなりました。
5年程経っていました。