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行列の冪

2010-07-01 20:22:00 | 行列
一般の n を教えてください。2010/07/01(Thu) 09:41:34 No.16360
(1) B = {[1 1 1] [0 1 1] [0 0 1]}
としたとき, B^n をいくつかの n で計算して, 一般の n (正負とも) について, その形を証明せよ。
(2) C = {[1 1 1 1] [0 1 1 1] [0 0 1 1] [0 0 0 1]}
としたとき, C^n をいくつかの n で計算して, 一般のn (正負とも) について, その形を証明せよ。

(1) については, B^2 = {[1 2 3] [0 1 2] [0 0 1]},
C^3 = {[1 3 6] [0 1 3] [0 0 1]} という風に,
B^4, B^(-1), B^(-2), B^(-3) あたりを計算したのですが, 規則性がどうしてもわかりません。
(2) についても, C^2= {[1 2 3 4] [0 1 2 3] [0 0 1 2] [0 0 0 1]},
C^3 = {[1 3 6 10] [0 1 3 6] [0 0 1 3] [0 0 0 3]} という風に,
C^4, C^(-1), C^(-2), C^(-3) あたりを計算したのですが, 規則性がどうしてもわかりません。
一般の n を教えてください。

御手洗景子

解答:
Microsoft Excel で MMULT という関数を使ってみると
Bn =
{[1, n, n(n + 1)/2]
[0, 1, n]
[0, 0, 1]}
となることが推定出来る。
又,
Cn =
{[1, n, n(n + 1)/2, n(n + 1)(n + 2)/6]
[0, 1, n, n(n + 1)/2]
[0, 0, 1, n]
[0, 0, 0, 1]}
であることが推定出来る。
というわけで, 後は帰納法なのだった。
[(1, 4) 成分は Σk=1nk(k + 1)/2 と推定される。]

逆行列

2010-05-17 18:30:00 | 行列
QNo.5895431 masak777
この問題を教えてください。
問題は
A, B は二次の正方行列であり AB = A + B を満たす。 また, E は二次の単位行列である。
このとき, A - E は逆行列をもつことを示せ。
です。

投稿日時 - 2010-05-14 22:18:57

解答:
AB - A - B = 0 なので
(A - E)(B - E) = AB - A - B + E = E.
従って A - E は右逆行列 B - E をもつ。
A - E は二次の正方行列で右逆行列を持つから正則なので左逆行列も持つ。
左逆行列をを X と置くと
X = XE = X(A - E)(B - E) = B - E
なので, 左逆行列は B - E である。
よって, A - E は逆行列として B - E を持つ。

注: 見れば分かるように 「二次」 を用いていないので, 正方行列でさえあればこの議論は何次でも成立する。
又 (B - E)(A - E) = BA - A - B + E = E であるから, BA = AB viz. A, B は可換である。
更に, AB - B = A ie (A - E)B = A であるから B = (A - E)-1A でもある。
即ち, A が正則なら, B も正則 vv.
しかもこの時先程の式から A - E = AB-1 とも書ける。

冪零な歪対称行列

2009-12-18 18:39:00 | 行列
こちらの証明中に使った事実の証明。
n 次実歪対称行列 A (i.e. tA = -A) について
A2 = 0 ⇒ A = 0.


証明
次数に関する数学的帰納法。
2 次実歪対称行列に関しては (純虚数と同じだから) 明らか。
n 次実歪対称行列に関しては OK とする。
n + 1 実歪対称行列 A に関して
A = [(B, v), (-tv, 0)] とする。 tA = [(tB, -v), (tv, 0)] だから, B は n 次実歪対称行列。
A2 = [(B2 - vtv, Bv), (-tvB, 0)] = 0.
従って
Bv = 0,
B2 - vtv = 0.
二番目の式の対角成分を見ると v = 0 でなければならないので, 帰納法の仮定によって B = 0. □

対称行列と歪対称行列

2009-12-17 22:51:00 | 行列
2009/12/15 18:32 投稿者: haike softbank221085248074.bbtec.net

次のような問に遭遇しました;
http://b4.spline.tv/study777/?command=GRPVIEW&num=716

最初の ReA, ImA は雰囲気が掴めてよい定義と感じるが
あとは, 少し気色悪く, 問 (特に 1) の証明は長すぎるケー算.
  どがんきゃせにゃと感じますが 如何? ..
---------------------------------
各問は「同値」の証明なので,
今後 歪対称 とは N(A)=O 等の 新たな! 定義が 蔓延る 筈。
<---気持ちはよいが. (A + tA)

N(A)とは と 定義を訊かれ, 「えーと と 口ごもりそう......」

先ずは消えてしまうかもしれないから問題から。
n 次実正方行列 A に対し, その転置行列を tA で表し, tAA を |A|2 と表す。 更に
Re A = (1/2)(A + tA), Im A = (1/2)(A - tA), N(A) = |A|2 - |Im A|2, [Re A, Im A] = (Re A)(Im A) - (Im A)(Re A)
と定める。 又 O は n 次零行列を表すものとする。
(i) 等式 |A|2 = |Re A|2 + |Im A|2 + [Re A, Im A] が成り立つ。
(ii) A が対称行列であることと, N(A) = |A|2 であることとは同値である。
(iii) A が歪対称行列 (交代行列) であることと, N(A) = O であることとは同値である。

では解答:
(i) rhs
= (1/4)(A + tA)2 + (1/4)(A + tA)(A - tA) - (1/4)(A - tA)(A + tA)
= (1/4)
・(A2 + AtA + tAA + tA2
- A2 + AtA + tAA - tA2
+ A2 - AtA + tAA - tA2
- A2 - AtA + tAA + tA2)
= (1/4)(4tAA) = lhs.
(ii) N(A) = |A|2
⇔ |Im A|2
= (1/4)(tA - A)(A - tA)
= (1/4)(tAA - tA2 - A2 - AtA) = 0
⇔ A2 - tAA - AtA + tA2
= (A - tA)2 = 0
(A - tA は歪対称行列で, 自乗して 0 になる冪零行列ということだからそれは零行列しかないので)
⇔ A = tA ⇔ A: symmetric.
(iii) N(A) = 0
⇔ |A|2 - |Im A|2
= (1/4)(A2 - AtA + 3tAA + tA2) = 0
⇔ (A + tA)2 + 2(tAA - AtA) = 0
だけど, A: 歪対称 ⇒ N(A) = 0 は直ぐ分かるのだけれど, 逆がねぇ。
前に同じような式を見たのだけれど一寸思い出せない。
きっとちゃんと証明できるのでしょう。

複素数が実二次正方行列全体のなす集合の部分集合と見做せることと, そこに制限して考えると, 記号と内容が一致しているから, それを一般の実 n 次正方行列に拡張して考えようというのだと思いますね。 転置が丁度共役を採るのに対応している感じ。
でも, 記号法をそうしただけで, 実は行列が, 対称行列と, 歪対称行列の和に分解出来るということを言っているだけですよね。
N(A) は norm ですかね。 (1) から N(A) = |Re A|2 + [Re A, Im A] ですよね。 Normality とかを意味しているのかな。 Normal part ですか。 多分, 作った人も名前 (というか記号?) に困ったのでしょう。
[, ] は Lie algebra の括弧積ですね。 言い換えれば torsion だね。 (日本語で何と言う? 捻れ?)