ぺるちえ覚書

兎追いしかの山… 懐かしい古里の思い出や家族のこと、日々の感想を、和文と仏文で綴ります。

黄金のぬか床はマドレーヌ

2020-04-30 17:54:08 | 日記/覚え書き
フランスは今日で外出制限になって45日目。 
こんな時だからこそ思い切ってはじめられる事ではないかと、ブログ開設ページにアクセスしました。 どうぞよろしくお願い致します。

いま猛威をふるう新型コロナウイルスに負けないためには腸内環境を整えることが大切!という記事をあちらこちらで読みました。 乳酸菌にビフィズス菌、ともかく善玉菌を増やすこと! 

こちらでの発酵食品といえば動物性のヨーグルトやチーズ。 我が家のフランス人家族もチーズ大好きでほぼ毎晩夕食のしめに食べていますが、私はどちらかと言うと和食派。 チーズを毎日は食べられません。 そこで自分はもとより家族にも和の植物性発酵食品も食べてもらおうと、何年か前に日本から来た友達がお土産にくれたまますっかり仕舞い込んでいた炒りぬかを取り出して、昨日からぬか床作りに挑戦をはじめました。(海外生活が長いと、ちょっとくらい古くても大丈夫、大丈夫!なのです。 笑) 

昭和の昔、おばあちゃんっ子だった子供の頃、祖母の家の涼しく薄暗い台所の床下に大きなぬか床の樽がありました。 そのぬか床によーく漬け込んだキュウリの古漬けのお新香で、祖母と一緒にサラサラ、シャクシャクと食べるお茶漬けが大好物だったのを懐かしく思い出しました。 薄く刻んで生姜のみじん切りと和えた、なんとも言えない爽やかな酸味のあるお新香でした。 祖母の家に手伝いに来てくれていたおばさんが台所の黒光りした床板を外してかがみ込み、大きなぬか床の樽の蓋を開けて、よいしょ、よいしょ、とかき混ぜていたのを覚えています。

後年、東京の実家で「三筋町のおばあちゃまの古漬けが食べたいわあ」と言ったら、あのぬか床は分けて貰えなかったのよ、と母。 昔の人にとってぬか床は門外不出? 長男の嫁と言えども家の外には出さないものだったらしい。 

ぬか床作り2日目の今朝、タッパーウエアに入れたプチぬか床をかき混ぜて、あの祖母の古漬けのように美味しいお新香が作れるかしら〜と。 万事塞翁が馬、ぬか床に挑戦する気になれたのもコロナ君のお陰です。 

今日もたんたんと、いまここで、家族と共にがんばります。