ペコリーノのBL読書日記

BLスキーのペコリーノのBL読書日記。素人の感想&個人的な覚書です。100%自分向けのためネタバレ全開です。

「帝王の犬」愁堂れな・著 イラスト・御園えりい プランタン出版f-lapis文庫

2009-03-11 20:16:02 | ボーイズラブ小説
「帝王の犬~いたいけな隷属者」愁堂れな・著 イラスト・御園えりい プランタン出版f-lapis文庫
 2007年9月10日初版 276ページ 552円+税

 SM萌えの腐女子にはオススメの一冊!?

 ストーリーは・・・美月は負い目のある弟に報いるため、弟が所属する劇団の主催者の性奴隷になっていた。首輪、鎖、終わりのない奉仕…虐げられた犬のような日々に心は麻痺しかかっている。そんなとき玩具を挿入されたまま連れて行かれたショップで、爽やかな店員・貴人が、イきそうになっている美月に気づき恥をかかぬように助け舟を出してくれた。美月は健全な優しさをくれた貴人を精神の拠り所にするようになるのだが、彼は弟の想い人だと知り…!? というもの。

 この話は、「Side Miduki」と「Side Takahito」という形で、二人の視点で話が進みます。同じシーンでも、美月視点と、貴人視点でそれぞれの立場から描かれます。
 美月は日本一メジャーな劇団で働いている。仕事は裏方で、劇団の主催者兼演出家兼脚本家の円城真欧の助手兼性奴
 ある日、美月は羞恥プレイで、裸の上にコートのみという格好でSMショップに連れて行かれます。
 そして、「僕のお尻を、ご主人様の大きなペニスをちゃんと咥え込むことができるお尻にしてくれるような、大きなディルドをください」(P26)と言わされ、ディルドを購入させられる。
 貴人はそのSMショップの店長で、美月がいやいやプレイをさせられていると気づき、できるだけ美月の負担にならないようにディルドを売ってあげます。
 こうやって美月と貴人は出会うわけですが、偶然にも貴人は美月の弟・亨の友人であり、かつ、亨は貴人に愛していると告白したばかりでした。貴人は熟考の結果、亨に「友情以上の気持ちは抱いていないし、この先抱くこともない」(P45)と回答します。亨は貴人の出した結論を受け入れます。
 美月-亨兄弟が真欧の劇団に居て、この三人が最初から知り合いなのはいいとして、当初、部外者っぽかった(偶然入ったSMショップの客と店員)貴人が、実は亨の友人で、かつ、亨から愛されていたというのは、あまりに世間が狭すぎるような気が・・・。愁堂先生の「永遠のヴァカンス」の感想でも同じことを書いたような気が・・・。http://blog.goo.ne.jp/pecoroma/e/b7aa1c4ad5e7547319f32bee3c1f0ae9


 最初は真欧×美月というカップリングでしたが、美月は貴人に惹かれていき、貴人も美月への同情が愛へと変わっていきます。
 貴人×美月のエッチシーンもあるのですが、それより何より、真欧×美月のSMプレイの印象が強い・・・というか強すぎます。
 美月の裏切りを知った真欧は、美月をSMクラブのショーに出し、美月はバターを塗りたくられ、ドーベルマンに身体を舐められまくります。もしかしたらこのままやられるかも・・・しかし、貴人に助けだされます。

 美月は、劇団で弟を引き立ててもらうために、いやいや真欧の言うことを聞いているのですが、真欧が美月に手を出す理由が、美月が美形だからという理由以外に特に見当たりません。
 美月視点、貴人視点で描かれているので、それ以外の登場人物(真欧、亨)の心情がわかりにくかったです。特に真欧が何を考えていたのかわからず、美月にどんな感情を抱いていたのかわかりませんでした。


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