「黒い竜は二度誓う」英田サキ・著 イラスト・中村明日美子 白泉社花丸文庫BLACK
2008年5月25日初版 284ページ 714円+税
白泉社から今春創刊の新レーベル花丸文庫BLACK。
先発の花丸文庫はBLレーベルの中では軽めだったからでしょうか。「ビタースイーツでよりDARKな新選択危険領域・拡大中」とあります。
ストーリーは・・・
人質として隣国に預けられた王子ラシュリは、男娼のごとく老皇帝の慰み者となっている。そんな彼の前に従者として現れた、過去をすべて失った元剣闘士・ジェイド。一途な忠誠を誓うジェイドだが…
あらすじはネット書店のセブンアンドワイさんから転載しました。
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=32053821
●典型的なJUNEモノかと思いきや・・・
弱小国の王子・ラシュリが、国を守るために強国の王・ザグトーレの慰み者にされている・・・JUNEの時代から何度となく書かれてきたタイプの物語ですが、とても面白かったです。
この本の魅力のひとつは、慰み者にされているラシュリのキャラクターでしょう。
ただ耐える、泣くだけではなく、あくまで王子としての誇りを失いません。
祖国を守るためとは言え、夜な夜な好きでもない男に愛しているフリをして抱かれてきたラシュリ。
最近のBLだと、攻めが薬を使ったり、テクニックを駆使したりして、「あっ!イヤなのに身体はキモチイイ!」みたいな展開になることも多いと思いますが、この本はそうは甘くありません。
最初、ラシュリはザグトーレの脅しに屈せずに伽を拒みます。そうするとザグトーレはラシュリが祖国から連れて来た従者を一人殺し、泣く泣くラシュリが閨に上がり、身体を強張らせていると、また一人従者を殺し・・・。ラシュリは従者の命を守るために感じたフリをして、ザグトーレに媚を売る。ザグトーレとの行為、ザグトーレに媚を売る自分を嫌悪しつつも、「これも祖国を守るための戦いだ」と自らを奮い立たせるラシュリ。これもある意味「ノブレス・オブリージュ」なのかもしれません。
そんなラシュリに対し、ジェイドは無償の愛を捧げます。自分は穢れている。そんな自分でも愛してくれるのか?そう問うたラシュリに
「当たり前だ。---ラシュリ。お前が駄目だというのなら、もう欲しがったりしない。俺の我が儘でお前を困らせたりしない。でも、これだけは約束してほしい。俺をずっとそばに置いてくれ。どんな時にも、俺がお前を守れるように」(P159-160) 「この命尽きるまで、お前だけが俺の主だ」(P160)と、ジェイド。
ラシュリの祖国では、他国と同盟して、ザグトーレとの対決に着々と備え、ラシュリは脱出の日を心待ちにします。無論、ジェイドも連れて行くつもりで。しかし、脱出の日を目の前にして、ラシュリの心がジェイドにあることを悟ったザグトーレの謀略で、ジェイドは囚われてしまいます。
竜が受けに「スキ」「スキ」と懐くのは「やさしい竜の殺し方」を連想しましたが、ラシュリは無事祖国に戻ることができるのか・・・ジェイドとの愛を成就させることはできるのか・・・いや~、ラストまで一気に読んでしまいました。
欠点をあげるとするなら・・・ 284ページの文庫本で714円+税(=750円)って、高すぎなことでしょうか。
【攻め】ジェイド ?歳 剣闘士一人称「俺」
【受け】ラシュリ 20歳 王子 一人称「俺」
【ボキャブラリー】性器=雄 アナル=そこ 精液=精水
タグ:ファンタジー 獣姦 最奥
2008年5月25日初版 284ページ 714円+税
白泉社から今春創刊の新レーベル花丸文庫BLACK。
先発の花丸文庫はBLレーベルの中では軽めだったからでしょうか。「ビタースイーツでよりDARKな新選択危険領域・拡大中」とあります。
ストーリーは・・・
人質として隣国に預けられた王子ラシュリは、男娼のごとく老皇帝の慰み者となっている。そんな彼の前に従者として現れた、過去をすべて失った元剣闘士・ジェイド。一途な忠誠を誓うジェイドだが…
あらすじはネット書店のセブンアンドワイさんから転載しました。
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=32053821
●典型的なJUNEモノかと思いきや・・・
弱小国の王子・ラシュリが、国を守るために強国の王・ザグトーレの慰み者にされている・・・JUNEの時代から何度となく書かれてきたタイプの物語ですが、とても面白かったです。
この本の魅力のひとつは、慰み者にされているラシュリのキャラクターでしょう。
ただ耐える、泣くだけではなく、あくまで王子としての誇りを失いません。
祖国を守るためとは言え、夜な夜な好きでもない男に愛しているフリをして抱かれてきたラシュリ。
最近のBLだと、攻めが薬を使ったり、テクニックを駆使したりして、「あっ!イヤなのに身体はキモチイイ!」みたいな展開になることも多いと思いますが、この本はそうは甘くありません。
最初、ラシュリはザグトーレの脅しに屈せずに伽を拒みます。そうするとザグトーレはラシュリが祖国から連れて来た従者を一人殺し、泣く泣くラシュリが閨に上がり、身体を強張らせていると、また一人従者を殺し・・・。ラシュリは従者の命を守るために感じたフリをして、ザグトーレに媚を売る。ザグトーレとの行為、ザグトーレに媚を売る自分を嫌悪しつつも、「これも祖国を守るための戦いだ」と自らを奮い立たせるラシュリ。これもある意味「ノブレス・オブリージュ」なのかもしれません。
そんなラシュリに対し、ジェイドは無償の愛を捧げます。自分は穢れている。そんな自分でも愛してくれるのか?そう問うたラシュリに
「当たり前だ。---ラシュリ。お前が駄目だというのなら、もう欲しがったりしない。俺の我が儘でお前を困らせたりしない。でも、これだけは約束してほしい。俺をずっとそばに置いてくれ。どんな時にも、俺がお前を守れるように」(P159-160) 「この命尽きるまで、お前だけが俺の主だ」(P160)と、ジェイド。
ラシュリの祖国では、他国と同盟して、ザグトーレとの対決に着々と備え、ラシュリは脱出の日を心待ちにします。無論、ジェイドも連れて行くつもりで。しかし、脱出の日を目の前にして、ラシュリの心がジェイドにあることを悟ったザグトーレの謀略で、ジェイドは囚われてしまいます。
竜が受けに「スキ」「スキ」と懐くのは「やさしい竜の殺し方」を連想しましたが、ラシュリは無事祖国に戻ることができるのか・・・ジェイドとの愛を成就させることはできるのか・・・いや~、ラストまで一気に読んでしまいました。
欠点をあげるとするなら・・・ 284ページの文庫本で714円+税(=750円)って、高すぎなことでしょうか。
【攻め】ジェイド ?歳 剣闘士一人称「俺」
【受け】ラシュリ 20歳 王子 一人称「俺」
【ボキャブラリー】性器=雄 アナル=そこ 精液=精水
タグ:ファンタジー 獣姦 最奥