ペコリーノのBL読書日記

BLスキーのペコリーノのBL読書日記。素人の感想&個人的な覚書です。100%自分向けのためネタバレ全開です。

「隷属の闇」愁堂れな・著 イラスト・奈良千春 竹書房ラヴァーズ文庫

2009-09-22 16:07:12 | ボーイズラブ小説
「隷属の闇」愁堂れな・著 イラスト・奈良千春 竹書房ラヴァーズ文庫
 2009年8月1日初版 226ページ 590円+税

 「新宿退屈男」シリーズのスピンオフ作品です。

 ストーリーは・・・麻薬取締官・竜野真紀は、大がかりな麻薬取り引きの情報を掴むが、摘発目前で、突然拉致され、香港へ連れ去られてしまう。マフィアのボス・王の屋敷に監禁され、お前は親友に売られたのだと告げられるが、真紀は頑なにその言葉を信じようとはしなかった。「刑事である弟や親友が必ず助けに来る」。その真紀の思いを踏みにじるように王は、「俺から解放してほしければ、お前が頑固に信じている親友や弟を、殺してくれと乞え」。愛玩具として王に嬲られ、陵辱の限りを尽くされる真紀を、更に卑劣な条件で、追い詰めてくる。人を信じようとする男と信用しない男。二人の感情は激しく縺れ合い… というもの。


 正直、「新宿退屈男」シリーズはもういいや、と、思っていたのですが、真紀の行方は気になっていたので買ってしまいました。
 いちおう独立した作品のようですが、「新宿退屈男」シリーズを読んでいない人はちょっとついていけないんじゃないかと思います。

 「新宿退屈男 欲望の法則」の感想はこちら↓
 http://blog.goo.ne.jp/pecoroma/e/82fea389955a4666555a02e65bc0614c

 「新宿退屈男 快楽の祭典」の感想はこちら↓
 http://blog.goo.ne.jp/pecoroma/e/251649d3dbfff358775cf8a380d79eb6

 「新宿~」は主人公の竜野友紀の兄・真紀が行方不明で、友紀は兄の行方を捜しているというのがエピソードのひとつとしてありまして、この話はその兄が主人公。
 どうして拉致されて、友紀が探している間、どんな目にあっているのか、ということが語られます。
 麻薬取締官だった真紀は捜査中に中国(香港)マフィアに拉致されて、その美貌ゆえに気に入られ、掘られまくっている・・・・・これでこの本の説明は終わってしまいます。
 ほとんどのページはエッチシーンなので、それ目当ての人にはいいのかもしれません。

 結局、真紀は拉致されたままで終わるので、この後、この話は「新宿~」に吸収されるのか、今回のように独立した形で続いていくのかわかりません。
 しかし、BLの定石で行けば、真紀は中国マフィアの王(ワン)に惚れて、最初は陵辱で始まったけど、結局はめでたしめでたし・・・・・・という形で終わるのでしょうけれども、私は今回の話は、それで終わってほしくないなぁ。これだけひどい目にあってそれでも王を許せるってのはよほど何かがないと読者を納得させられないんじゃないでしょうか?少なくとも私はできません。
 一応、この本の中でも、王がどうしてそこまでひどい人間になってしまったのか、その育ち方に秘密がありそうなことが書いてありますが、ひどい育てられ方をしたから人にひどいことをしてもいいのか、って思います。

 奈良千春先生のイラスト、ますます「きれい」さがなくなってきたと思うのですが、話のわりにそんなにエロいイラストがなかったように思います。これまで話は大してえろくなくても、奈良先生のイラストはエロかったりしたので・・・・・・こちらも期待はずれでした。
 

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