ペコリーノのBL読書日記

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「新宿退屈男 欲望の法則」愁堂れな・著 イラスト・奈良チハル 竹書房ラヴァーズ文庫

2009-05-26 16:18:59 | ボーイズラブ小説
「新宿退屈男 欲望の法則」愁堂れな・著 イラスト・奈良チハル 竹書房ラヴァーズ文庫
 2008年2月1日初版 234ページ 571円+税

 いかにも愁堂先生らしい作品でした。

 ストーリーは・・・眠らない街の闇に紛れて、大好きだった人はいなくなった…。新宿東署に勤務する刑事、竜野友紀は、事件の犯人を逃がしたという、“便利屋”の事務所を訪れていた。「逃がした覚えはあるが、その後は知らない」。便利屋の答えに、友紀は激しいショックを隠しきれなかった。友紀には、どうしても犯人を捜し出したい別の理由があったのだ。そんな友紀に、緋襦袢を羽織った奇妙な便利屋、早乙女は、犯人捜しの協力を申し出てくる。しかし、「報酬は刑事さんの『肉体奉仕』…」。妖しい条件を突きつけられたが、どうしても諦められない友紀は、屈辱に耐えて… というもの。

 最初からシリーズ化を前提として書かれていたようで、今のところ、二作目が出ています(その後も続くのかはまだ2冊目を読んでないのでわかりません)。
 1巻はまさに「顔見世」といった感じで、特に前半、次から次にキャラクターが出てきます。崎谷先生のシリーズ化を前提とした作品も、1巻目は顔見世っぽくなってますが、崎谷先生の場合はそれぞれエピソードを盛り込むので読みにくく、本も無駄に分厚くなりますが、この作品は本当に顔と名前だけちょっと出てくるだけ。
 
 実は大金持ちの便利屋(攻め)と刑事(受け)が事件を解決していく中、実は受けの兄の自殺(実は拉致だった)の謎が絡んできて・・・と盛りだくさん。
 本の厚さは普通だったので、これで終わるのかいな?と思っていたら、事件は殆ど解決しないまま終了。次巻へと引き継がれます。
 続き物ということが前提となっていても「1巻」と書いているわけではないので、ある程度の部分は解決してほしかったなぁと思います。

 とっとっとっとと、テンポよく話は進みますが、どれも深みがなく、キャラクターの心情もなにもわからないままにエンドマークが出てきた感じです。

 そして受けは愁堂先生お得意の流され受け。わけがわからんうちに乗っかられ、やられてしまいますが、それを大して悩むこともなく受け入れます。
 このあたりのキャラクターの描写の浅さが、愁堂先生が突き抜けられない理由の一つなのかなぁと思います。良くも悪くも初心者向けなのかもしれません。

 イラストは奈良先生だし、設定、キャラクターとも、面白くなりそうな部分があっただけに残念です。

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