ペコリーノのBL読書日記

BLスキーのペコリーノのBL読書日記。素人の感想&個人的な覚書です。100%自分向けのためネタバレ全開です。

「204号室の恋」砂原糖子・著 イラスト・藤井咲耶 新書館ディアプラス文庫

2008-11-10 23:26:38 | 砂原糖子
「204号室の恋」砂原糖子・著 イラスト・藤井咲耶 新書館ディアプラス文庫
 2006年12月25日初版 274ページ 560円+税

 29歳受けと20歳攻めの年の差カップルです。

 ストーリーは・・・アパートの二重契約で、九つも下の美大生・片野坂と同居する羽目になった柚上。短期間だからと仕方なく始めた同居生活だが、几帳面な柚上は片野坂の大らかで人懐っこすぎる性格に苛々して仕方がない。新しい職場にもとけ込めず我慢も限界に達したある日、柚上は八つ当たり気味に片野坂に酷い言葉をぶつけてしまう。だが、それ以来開いてしまった片野坂との距離を、今度は寂しく思い始め…?年下攻同居ラブ


 砂原糖子先生ではおなじみの、ヒステリックで視野の狭い受けととてもよくデキた攻めの話。
 私は砂原先生の作品を読むたびに、受けキャラのヒステリックさが鼻について、どうも苦手です。思い込みや主義主張、生まれ育ち、特殊能力の有無、原因は何でもアリですが、とにかく受けが捻くれていて、どうも好きになれません。
 
 でもって必ず、そんな受けを受け止めてくれる大らかで人間のデキた攻めが(たいていの場合、なぜか受けに惚れている)、受けの凝り固まった心をほぐしていき、そんな攻めのやさしさに受けも恋に落ちるというパターン。

 今回のお話は、関東の郊外(東京の都心から3時間ほどかかるらしい)の、周囲一面田んぼのような場所に立つアパートの204号室に、偶然、ダブルブッキングされてしまいった男2人が、やむなく同居するうちにくっつく・・・という話です。
 そもそも、そんな田舎のマンションならともかく、2LDKの木造アパート(しかもLDK部分は6畳程度)が6万円というお家賃であることにびっくり。「周囲に独身者が住めるようなアパートはここしかない」ってことで満室が続いているようですが、関東の田舎で、このスペックで6万のアパートっていくらなんでも高すぎるんじゃないかと思いますが。だって、ちょっと地方に行くと、家賃1万円とか2万円のアパート(マンション含む)なんてザラですよ(政令指定都市とかもちろん除く)。独身者用のアパートはなくっても、借りられる一軒屋はあるだろうし。なぜ、柚上と片野坂が「アパート」にこだわったのかわかりませんでした。特に、片野坂は美大生だから、アトリエと寝室が欲しい・・・とかなら、一軒屋かりればいいじゃないかと。
 まぁ、それはささいな点なんですが、今回の場合、片野坂のキャラの都合のよさが目につきました。そもそも、こんなにヒステリックな男を受け止めるだけの度量がある男が居るんかいな?と。
 これまでの砂原作品にも出てきたタイプのキャラですが、今回、特に「9歳年下」という設定なので、ハタチそこそこで、両親がいなくて苦労しているからといって、これはないんじゃないかと・・・。

 昔、JUNEで「終わりのないラブソング」という栗本薫先生の小説が連載されていた時に、「読者のページ」みたいなのがあって、そこに載せられていたのが「私も双葉(主人公・受け)と同じでレイプされた経験があって~」とか「虐待されてました」とか、そういう人が多くてびっくりしたことがあります。受けキャラに自分を仮託して読んでいる人が多いんだなぁと思いました。
 もし、砂原先生の書く受けキャラに「あたしも同じ(人から理解されない、とか?)」と思っている人が居るとすれば、そういう人とはお近づきになりたくないなぁと思いましたよ。


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