ペコリーノのBL読書日記

BLスキーのペコリーノのBL読書日記。素人の感想&個人的な覚書です。100%自分向けのためネタバレ全開です。

「微笑う人魚姫」河上桜子・著 イラスト・橋本正枝 日本文芸社KAREN文庫Mシリーズ

2007-11-30 23:35:58 | ボーイズラブ小説
「微笑う人魚姫」河上桜子・著 イラスト・橋本正枝 日本文芸社KAREN文庫Mシリーズ
 2007年11月25日初版 248ページ 600円+税

 秋に日本文芸社KAREN文庫Mシリーズが創刊されて、JUNE時代の名作が次々と復刊されております。懐かしさもあって、つい、買ってしまいます。今のところ、全巻制覇しております。
 さて、この「微笑う人魚姫」。表紙を見た時に「これ、読んだことあるな」とピンと来ましたが、やっぱ買っちゃいました。

 短編集なのでストーリーは割愛させて頂きますが、どれも良い意味で「THE JUNE」って感じの作品です。
 親にバレて引き離されたり、バレることを極度に恐れたり、死にネタだったり。
 今のボーイズラブでは少なくなった世界ではないかと思います。
 最近では両親がホモカップルを何の躊躇もなく認めたり、町内公認カップルだったり、挙句の果てには友人や家族がホモカップルの背中を押したり・・・と、かつての同性愛モノにつきものだった「背徳」は影を潜めてしまいました。

 しかし、「微笑う人魚姫」に収録された4本の短編には「背徳」「禁忌」という言葉がつきまといます。
 死にネタ(病気、事故)に関しては、もう定番・・・というか、ストーリーが読めてしまう部分があるのですが、伏線の張り方が上手く、わかっていながらところどころ泣いてしまいました。電車の中で読むんじゃなかった・・・・・・。

 作者の河上桜子さんは、実は櫂広海さんという漫画家さんで、漫画家のほうが本業だそうです。
 会社員を辞めて、漫画家専業になった頃、時間があまったので書いた小説が、この一連の作品だそうです。ご本人のHPで確認したところ、1990年~1995年に9本、小説JUNEに小説を発表され、以降は漫画家としてのみ活躍されている模様。
 
 読んで懐かしい気持ちになった一冊です。
 「ボーイズラブ」しか知らない世代の人にも読んで欲しいです。


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