ペコリーノのBL読書日記

BLスキーのペコリーノのBL読書日記。素人の感想&個人的な覚書です。100%自分向けのためネタバレ全開です。

「いつわりの蜜月」早水しほり・著 イラスト・樹要 フロンティアワークス ダリア文庫

2008-12-08 23:29:02 | ボーイズラブ小説
「いつわりの蜜月」早水しほり・著 イラスト・樹要 フロンティアワークス ダリア文庫
 2008年4月20日 262ページ 552円+税

 2005年にリーフノベルズから出たものの文庫新装版です。

 ストーリーは・・・
 広澤実月の家は、子爵とは名ばかりで家計は火の車。家屋敷も手離す寸前の窮状を救う唯一の手立ては妹・美星と裕福な久津見伯爵との縁談だった。だが伯爵は人間嫌いで引きこもり。しかも家族を毒殺したという恐ろしい噂まであると知り、美星は婚礼直前に駆落ちしてしまった!妹を捜す間、年が近く容姿も似ている実月は彼女になりすまして伯爵家に嫁ぐが、初夜には正体がバレて…というもの。

 早水先生の作品は初めて読みました。
 女装結婚モノの王道ストーリーというか、テンプレてんこ盛りなので、なんで今さらこんな話が出たんだろうか・・・と思いましたが、新装版だったんですね。

 結婚式を目前に、駆け落ちした妹の代わりに結婚する実月。結婚式の衣装は十二単です。
 初夜に寝巻き姿で居たところ、咽仏を見つけられてさっそく正体がばれてしまいます。
 実月は「実は僕、ずっと恭次郎さんのことをお慕いしていて・・・」「それで、美星に頼んだんです。少しの間でいいから、美星の代わりをしたいって・・・」(P54)と、とっさにウソをついてしまいます。そうしたら「情けをかけてやろうじゃないか」と、手篭めにされてしまうという、なんかお間抜けですよね。
 
 いくら「好きだ」と言われたから、結婚相手に逃げられてムカついたからと言って、もとからホモでもない限り(ホモだったら誰でもいいというわけでもないでしょうけど)、男を抱けるものなのだろうかと思うのですが、早水先生もこのヘンはネグって書いておられます。
 
 さて、王道と言えば聞こえはいいですが、要はどこかで読んだことがあるようなありきたりな話。
 ちょっと違う点はといえば、身代わりで結婚した実月が、とっさに「実はあなたが好きだった」とウソをつくくだり。
 逃げた妹のかわりに結婚した=恭二郎へのウソその1に加え、「実は好きだった」と二つ目のウソをつくわけです。 
 だけど、恭二郎は二つ目のウソに心を動かされるわけではなく、それによってその後の行動に大して影響があるわけでもないので、せっかくの設定を活かしきれておらず、残念な出来でした。 


最新の画像もっと見る