「わた」の世話ないよ!

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’220926銀冠谷

2022-09-28 | 沢登り

太古から長い時を経て形作られた面河渓。

しかし愛媛が誇るべき渓谷の自然は、

石鎚スカイラインや林道整備

そして森林資源開発など、

人の手によって次第に蝕まれ破壊されてきた。

 

面河渓支沢の銀冠谷もその名から想像できるように、

きっとうるわしい渓相の谷だったに違いない。

谷の上部をスカイラインが横切ったおかげで

荒廃し様変わりしたのだろう。

昔はエアリアマップなどにも記載されていたが、

いまやほぼ忘れ去られた谷になった。

知る人もわずかではないだろうか。

よかったころの銀冠谷の面影を味わえたら、

という期待を抱いて入渓した。

 

 

第1キャンプ場から面河渓(蓬莱渓)に入渓。

前週やってきた台風14号の影響で水流は多め、

しかし朝の渓はさらに淡いブルーで透明度もとびきりだった。

 

 

銀冠谷出合

 

 

小滝が連続する。

上部から落とされてきた膨大な量の岩石が

川床に積み重なって小滝を形成している。

この谷本来の姿はナメの谷だと容易に想像できた。

 

 

谷に堰堤1基だけ。

 

 

3段10m滝、

登った先にH鋼が何本も谷に横たわっていた。

錆びて黒ずんだ鋼材の群がりは、

まるで朽ち果て倒れた卒塔婆。

石鎚スカイラインの影の部分を

目の当たりにした気分だった。

 

 

傾斜が増してくると、

余計なゴミはもう見あたらなくなっていた。

傾斜と水圧で吹き飛ばされ居り場はないのだろう。

5m滝でロープを出す。

滝の左端面、バガブー1枚立ち木1本の中間支点を2ヶ、

ぬめった外傾へ慎重に足を乗せてクリア。

 

 

ギアを整えながら一息ついて見上げると

その先に男性的な大滝40mが現れた。

ススでいぶしたように黒々してゴツゴツした外観。

落ち口から大量の水を二条で噴き出し、

二段目からはカーテンのように幅広で落下している。

優美とはいえないが迫力ありあり。

こんな滝がまさにいぶし銀の滝だろう。

「銀冠ノ滝」と名付けた。

左岸から高捲き、

落ち口の両岸は石積みだった ‼

つまりスカイラインのすぐ下に銀冠ノ滝

あっけにとられた唐突な遡行終了だった。

 

短い谷だったけど、内容に富んだ遡行になった。

うるわし渓相の面影をしのぶことができた。

なにより銀冠ノ滝を見られたのがうれしかった。

つまり行ったことのない谷を遡行する

醍醐味を味わえた銀冠谷だった。

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