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しずくな日記

書きたいなあと思ったときにぽつぽつと、しずくのように書いてます。

あの子と讃美歌

2013-02-18 18:03:22 | 日記
寒さが増したら、体調が悪くなった。
頭が痛いし、少し吐き気もする。

というわけで休むことにした。
今日は授業がなく、クラスのほとんどの生徒が入試でいないのだ。
休むなら、今日しかない・・・・。


朝、学校に連絡して、後は眠る眠る。
気がかりな生徒が一人いるが、こんな寒い日は学校に来ないだろう・・。
昼まで寝たら、かなりすっきりした。
学校関係者オールスターの夢まで見た。
気がかりな「彼女」も、登場していた。


彼女は学校を休みがちだったけど、なんとか専願の高校に合格した。
合格発表があった日、電話番号でやりとりできるので、
合格通知の画像とともにメッセージを送ってきた。
よっぽど嬉しかったのだろう。
専願なので、よっぽどひどくない限りは受かるのだけど、
一回目の面接があまりにひどくて、
「第二次面接」の生徒とかもいたらしい・・・。
彼女は一回で大丈夫だった(まあ、当然なのだけど・・・・)。


夜遊びがひどくて、朝起きられない。
勉強もやる気が無い。
別の学校の、問題行動のある子とつるんで、
補導されるすれすれのことをやる。

1年間、ずっと心配の絶えない生徒だけど、
どことなく愛嬌があり、何かと気になっていた。
1月からはクラスには入らず、
一週間に2、3度、ふらりと来た時は保健室でぼんやりしているか、
保健室に来ている他の生徒とおしゃべりしている。
私や養護の先生ともよくしゃべる。
化粧も濃くて、服装も乱れているけど、
大人と話すときには失礼な行動をしないのが彼女の偉いところだった。
社会に出たら、上手くやっていけるタイプかもしれない。


先日、久しぶりに彼女が保健室に顔を出したのは、
合格発表の翌日だった。
メールでおめでとうを言ったけど、
リアルで言ってないので、「おめでとう!!」を言うと、
とても嬉しそうな顔をした。
しかし、何事もやる気がないのは変わらない。

3年生は、美術の授業で作った篆刻のはんこを全員で色紙に押す、
というのをこれから行う。
篆刻のはんこの印面は、
ほとんどの生徒がもう昨年10月には完成しているのだけど、
彼女はできていなかったから、保健室でアイデアスケッチから。


「文字はひらがなでもいい?」とか、
「ハート型ならやる」とかブツブツ言いながら、
なんとかデザインは仕上げ、石に転写するところまではできたけど、
いざ、彫る段になると、「面倒だよー!!」と言いだしたので、
その日はそこまでにした。

ハート型に円朱小篆の文字で名前を入れた。
めんどくさいからひらがなー、というのを、
なんとかなだめつつ、一緒に調べて円朱小篆にした。
複雑な文字だけど、
一旦腹をくくると綺麗に仕上げられる彼女なので、
きちんと書くことができた。

その作業をしているときに、彼女が鼻歌を歌っていた。
その鼻歌のメロディーがとても綺麗だったから、
「その曲、何の曲?」と思わずきいた。




「これ? 讃美歌だよ。」




アイラインを濃く入れたきつめの化粧と
乱れた服装に、讃美歌。



キリスト教は、大学で少し接しただけで表面上でしか知らないけど、
とても意味あるものかもしれないなと思った。

彼女が讃美歌を歌えるのは、転校してくる前の学校が、
キリスト教系の私学だったからだ。
そして、高校もキリスト教系の私学へ進む。

高校受験の面接で、彼女は志望動機として、
「昔、聖書の勉強をしたことがあって興味があったので、
この学校がキリスト教系の学校だったから志望しました。」
と言ったそうだ。


幸せになりたーいが彼女の口癖だった。
15歳にしていろいろなことを抱えすぎている彼女だから、
思わずそう言ってしまうのだろう。

キリスト教を信じれば幸せになれるとか、
結構、賢明な彼女は考えてもいないと思うけど、
讃美歌の鼻歌を歌う彼女は、その時だけは幸せそうに見えて、
ちょっとだけほっとした。




今日は一日(半日は寝てたから正確には半日)、
家でのんびりさせてもらった。
寒い日は来ない彼女も、
やっぱり今日も休みなんだろう。
















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