
一度やってみたかったテント釣行。
このことを頭の中でぼんやり計画してから1年くらいたっていた。
もともと山屋である。(今もそのつもりだけど)
テント担いで山の中に入るのは、何の抵抗もない。
しかし、釣りでそれをやるとなると、果たしてそこまですべきか?という疑念もないではない。
近くなく、遠くでもなく、適当に不便で、それでいて帰ろうと思えば帰れる場所。
水が綺麗で、山が美しくて、輝く渓魚がいて、仕事で疲れた哀れな釣り人の心を癒してくれる場所。
いくつかの候補のうち、最終的に選んだのは、長野県川上村。
千曲川源流の村であり、支流も豊富だ。

とりわけ金峰山川である。
ここは日本のヨセミテと呼ばれている。
ロッククライミングのメッカであり、フライフィッシャーの聖地であり、イワナの宝庫である。
そして、ルアーアングラーにとっては、魂の解放区だ。
今回は、「廻り目平キャンプ場」にテントを張り、金峰山川及び西股沢をはじめ、梓川、千曲川源流などを2日間で広く浅く探ってみる、いわばプチ遠征。

雨に濡れた渓は、一層輝きを増して、水はどこまでも透明だ。

水底が白いのは、この山域をの特徴である花崗岩が削れて砂になったものだ。
海が好きな人は、白い砂浜を見てワクワクする。
山が、岩が好きな人は、花崗岩の白さにワクワクする。

調子が悪かったリール(カーディナル601ALBS)は、輸入販売元のピュアフィッシングさんが、無償で修理してくれた。(でも、まだリーリングに違和感がある…)
ルアーは、蝦夷50s、アレキサンドラなど、シンキングで平打ち系をチョイス。
流れが速く、ポイントが小さいので、一瞬で勝負を決められるルアーが重宝した。


ニリンソウ。一本の茎から必ず二輪花が咲く。

「右は山道 左は三峯」と書いてある。いにしえの村人は、三峯(埼玉県秩父市)まで歩いて行ったのだろうか。



イワナたちは純粋無垢で、素直な反応を見せてくれた。
けれど決して無防備ではない。
アプローチに失敗したり、立ち位置に無神経だと、沈黙で答えるのが彼らだ。

1日目は、お昼頃から本降りの雨。
村内のスーパーマーケットで買い出しをしてから、キャンプ場に転がり込む。

廻り目平キャンプ場は、標高1570mに位置する。
晴れていれば、クライマーや登山者のテントでごった返しているところだが、雨のおかげでこのロケーションを独占だ。(夕方になって、一組のパーティーがやってきた)
テントは、単独行の時に使っているモンベル・ゴア アルパインドーム2をもってきた。
ゴアテックスなので、フライシート無しでOK。設営時間も2分とかからない。
だが、雨が降ると前室がないので、炊事をテントの中でやらねばならない。
こういうときは前室を確保できるフライシートがありがたい。
そこで今回重宝したのが、モンベルのミニタープ。
こういうベースキャンプ型の場合は、効果絶大である。
これのおかげで、雨の中でも快適に食事を作り、くつろげた。モンベル、えらい!

夜のとばりが降りてきて、夕食を食べてビールを飲んだら、もう何もやることがなくなってしまった。
持ってきた文庫本を引っ張り出し、コーヒーを飲みながら読む。
開高 健 著 「フィッシュ・オン」
読むのは何回目か、もう忘れてしまった。
いつも読むところは決まっている。
最初の「アラスカ」と最後の「日本」。
特に好きなのは、後者のくだり。
ルアーフィッシングの黎明期、銀山湖でのイワナ釣りをした著者が、この地をいたく気に入り、3ヶ月間住み込んでしまう。
ランプと原稿用紙とインク壺にペン。あとは、酒と釣り道具。
ペンが進まない長い夜を酒とともに過ごし、昼間は60cmオーバーのイワナを求めて、ルアーを投げ続ける。。。
そんな生活に憧れないわけでもないが、開高健独特の文体と暗く輝く言葉の数々に圧倒されて、銀山湖みたいな人外魔境には住めないなといつも思ってしまう。
でも、沢の音と何かの鳥の声が響く夜の谷間にいる今夜は、ほんの少しだけ開高健の気持ちがわかった気がした。
テントに入って、シュラフに体を突っ込み、ヘッドライトの明かりで地図を眺めながら明日はどこを釣ろうか物色していると、一旦止んでいた雨がまた降ってきた。
雨がタープとテントを叩く音を聞いていたら眠ってしまった。
2日目は、朝霧で始まった。朝霧は晴れの兆候だ。
朝飯前にキャンプ場付近を探ってみたが、何の反応もなかった。
プレッシャーが高いのか、それとも昨日からの雨で水温が低下したためか。
一旦引き上げ、朝食を食べてから、下流に入ってみた。

夏を先取りしたような爽快な日になった。

今回最大の28cm。文句なしの美形。

やっぱり使ってしまったストゥープ50MR。
この1尾で気持ちに区切りがつき、納竿とした。
釣ったイワナの数は両手の指であまるけれど、この2日間は至福が全身に浸透した。
このことを頭の中でぼんやり計画してから1年くらいたっていた。
もともと山屋である。(今もそのつもりだけど)
テント担いで山の中に入るのは、何の抵抗もない。
しかし、釣りでそれをやるとなると、果たしてそこまですべきか?という疑念もないではない。
近くなく、遠くでもなく、適当に不便で、それでいて帰ろうと思えば帰れる場所。
水が綺麗で、山が美しくて、輝く渓魚がいて、仕事で疲れた哀れな釣り人の心を癒してくれる場所。
いくつかの候補のうち、最終的に選んだのは、長野県川上村。
千曲川源流の村であり、支流も豊富だ。

とりわけ金峰山川である。
ここは日本のヨセミテと呼ばれている。
ロッククライミングのメッカであり、フライフィッシャーの聖地であり、イワナの宝庫である。
そして、ルアーアングラーにとっては、魂の解放区だ。
今回は、「廻り目平キャンプ場」にテントを張り、金峰山川及び西股沢をはじめ、梓川、千曲川源流などを2日間で広く浅く探ってみる、いわばプチ遠征。

雨に濡れた渓は、一層輝きを増して、水はどこまでも透明だ。

水底が白いのは、この山域をの特徴である花崗岩が削れて砂になったものだ。
海が好きな人は、白い砂浜を見てワクワクする。
山が、岩が好きな人は、花崗岩の白さにワクワクする。

調子が悪かったリール(カーディナル601ALBS)は、輸入販売元のピュアフィッシングさんが、無償で修理してくれた。(でも、まだリーリングに違和感がある…)
ルアーは、蝦夷50s、アレキサンドラなど、シンキングで平打ち系をチョイス。
流れが速く、ポイントが小さいので、一瞬で勝負を決められるルアーが重宝した。


ニリンソウ。一本の茎から必ず二輪花が咲く。

「右は山道 左は三峯」と書いてある。いにしえの村人は、三峯(埼玉県秩父市)まで歩いて行ったのだろうか。



イワナたちは純粋無垢で、素直な反応を見せてくれた。
けれど決して無防備ではない。
アプローチに失敗したり、立ち位置に無神経だと、沈黙で答えるのが彼らだ。

1日目は、お昼頃から本降りの雨。
村内のスーパーマーケットで買い出しをしてから、キャンプ場に転がり込む。

廻り目平キャンプ場は、標高1570mに位置する。
晴れていれば、クライマーや登山者のテントでごった返しているところだが、雨のおかげでこのロケーションを独占だ。(夕方になって、一組のパーティーがやってきた)
テントは、単独行の時に使っているモンベル・ゴア アルパインドーム2をもってきた。
ゴアテックスなので、フライシート無しでOK。設営時間も2分とかからない。
だが、雨が降ると前室がないので、炊事をテントの中でやらねばならない。
こういうときは前室を確保できるフライシートがありがたい。
そこで今回重宝したのが、モンベルのミニタープ。
こういうベースキャンプ型の場合は、効果絶大である。
これのおかげで、雨の中でも快適に食事を作り、くつろげた。モンベル、えらい!

夜のとばりが降りてきて、夕食を食べてビールを飲んだら、もう何もやることがなくなってしまった。
持ってきた文庫本を引っ張り出し、コーヒーを飲みながら読む。
開高 健 著 「フィッシュ・オン」
読むのは何回目か、もう忘れてしまった。
いつも読むところは決まっている。
最初の「アラスカ」と最後の「日本」。
特に好きなのは、後者のくだり。
ルアーフィッシングの黎明期、銀山湖でのイワナ釣りをした著者が、この地をいたく気に入り、3ヶ月間住み込んでしまう。
ランプと原稿用紙とインク壺にペン。あとは、酒と釣り道具。
ペンが進まない長い夜を酒とともに過ごし、昼間は60cmオーバーのイワナを求めて、ルアーを投げ続ける。。。
そんな生活に憧れないわけでもないが、開高健独特の文体と暗く輝く言葉の数々に圧倒されて、銀山湖みたいな人外魔境には住めないなといつも思ってしまう。
でも、沢の音と何かの鳥の声が響く夜の谷間にいる今夜は、ほんの少しだけ開高健の気持ちがわかった気がした。
テントに入って、シュラフに体を突っ込み、ヘッドライトの明かりで地図を眺めながら明日はどこを釣ろうか物色していると、一旦止んでいた雨がまた降ってきた。
雨がタープとテントを叩く音を聞いていたら眠ってしまった。
2日目は、朝霧で始まった。朝霧は晴れの兆候だ。
朝飯前にキャンプ場付近を探ってみたが、何の反応もなかった。
プレッシャーが高いのか、それとも昨日からの雨で水温が低下したためか。
一旦引き上げ、朝食を食べてから、下流に入ってみた。

夏を先取りしたような爽快な日になった。

今回最大の28cm。文句なしの美形。

やっぱり使ってしまったストゥープ50MR。
この1尾で気持ちに区切りがつき、納竿とした。
釣ったイワナの数は両手の指であまるけれど、この2日間は至福が全身に浸透した。

釣果うんぬんより、こういう環境で釣りできるのが釣り人としてありがたいことですね。
昨年僕は蓼科高原のマイナー渓流に遠征しました。泊まったのはホテルですが。アマゴのオレンジ色の斑点を初めて見たときは、ちょっぴり感動しました。
羨ましすぎます!
「きれいな環境できれいな魚と遊ぶ」
しかもテント泊で!
papachanさんの知識の深さにも感心です。
表現力もすばらしい!
見習いたいものです^^
心が豊かになる贅沢な時間を過ごしていらっしゃるご様子。
私も真似したい。いや、きっと同志なのです。
どうか志を同じくするものとしておつきあいください。
よろしくお願いします。
まさに「山屋」だからこそできること!
渓流も適度の雨で輝くように美しいですね。
こうなると数ではなく、渓魚に出逢えること自体で
相当幸せな気分になるんでしょうね。
良き渓とお魚達ですね 写真からもオーラが漂ってます
秋川もきれいだとは思っていましたが別次元の美しさですね
しかし!
家族持ちが一人で泊まり釣行 非常にけしからんですね(笑)
羨ましい!!
これまでの経験した渓流の中では、ナンバーワンの美渓でした。
水を見た瞬間、「飲みたい!」と思いましたよ。
釣りやっててよかったなぁと素直に感じました。
ちょっとの決断力があれば実行できますよ。
私も、なんでもっと早くやらなかったのかなと思ったくらい快適な2日間でした。
アマゴはまだ釣ったことがありません。(それっぽいのはありますが…)
南アルプスでアマゴを釣るのも、実は計画しています。
たくさんほめていただいて恐縮です。
とても素晴らしい2日間でしたので、そのことが伝われば幸いです。
また、チャンスがあれば行きたいですね。
さっそく遊びにきてくださったんですね。
初コメント、ありがとうございます!
こちらこそお付き合いのほど、よろしくお願いします。
夏には上小管内に現れますから~。