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アジアの裏側

「タイ-日混血児の村」

2006-12-19 12:40:21 | 児童買春、児童労働
チェンライ県メーサイ郡、ウィエンチャイ郡、それにムアン郡には、タイ人と日本人との混血児が沢山いる。海外に出稼ぎに出る女性の待遇改善センターの調べによると89の村で一村平均3人のタイ-日の混血児が、北部の女性の海外出稼ぎの結果として暮らしている。
7歳になるノックちゃんも“桜の国”から来た子供の一人で、現在は祖父母と共に、メーサイで暮らしており、母親が毎月仕送りをしてくれている。彼女の母親は、再び日本に出稼ぎに行ったのではない。ノックちゃんの母親は、ノックちゃんを生んでからタイに帰国し、ノックちゃんを祖父母に預けて直ぐにバーレーンに出稼ぎに行ってしまった。もし仕送りをしてくれるお母さんが居なかったらノックちゃんは勉強したり食事をしたり出来ただろうか?祖父母の家は貧しく、ノックちゃんの母親からの仕送り以外の収入は無いのである。
次は、ノックちゃんと年齢が近いマリカの村。マリカは髪が薄く黄白色の肌をした8歳の女の子。彼女も祖父母に育てられている。マリカのお母さんは、マリカを背負ってタイに帰国後、エイズで亡くなってしまった。
マリカの祖父母は、『孫は生まれて僅か9ヶ月の時にメーサイに来たんだ。肌が黄白色で目が小さく、村の人気者だったさ。』と語った。しかし、マリカは父親がどんな顔の人なのか知らない。父親について知っているのは、“日本に居る”と言う事だけ。それにマリカは日本に行った事も無ければ、父親から連絡を貰った事も一度も無い。
最近のマリカは元気がない。満足な食事をしていないからか、いつも病気がちである。更に重要なことに、マリカは生まれるときから病気気味であった。母親が生きていたときには、薬を買うお金も有ったが、母親が亡くなってからはずっと今の様な状況が続いている。
これら記憶のある内に日本から帰ってきた混血の子供達の多くは、タイ語が話せなかったが、タイでの暮らしが長くなるに従ってタイ語を理解するようになる。
タイ語が話せるようになっても発音がはっきりしない。
言葉の問題の他に、これらの混血児はタイの子供達と同じ暮らしをせねばならない。生活様式、勉強、食事(日本料理とタイ料理とは大きく異なっている。)にも慣れなければいけない。祖父母は味の濃いタイ料理に慣れ親しんでいるが、孫達は、薄味の日本料理が好みのようだ。
将来の為、混血児にタイ料理を食べる様にするのも親族の役割。簡単で安上がり、便利な食べ物と言えば、卵料理は欠かせない。
上記2人の暮らしぶりは北部タイの社会で見られるほんの一例である。チェンライ県は、村の若い女性達が、“収入がイイ”との理由で日本に出稼ぎに行く女性が多い地域である。“収入がイイ”との話の他に、日本に出稼ぎに行って帰ってきた女性からの経験談が、まだ行ったことのない女性に行く決心をさせる大きな決め手となっている。日本に出稼ぎに行き、帰る時には子供連れで帰る事になるとは、考えもつかない事である。
両親が共に揃っている幸せな子供も沢山居るが、これらの子供達は父親の居ない子供である他、顔つき、肌の色、も異なる。中には親族から出来る限りの養育を受けている子供も居るが、心の深いところでは、これらの子供達も“愛情”や“温かさ”に飢えている。

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2 コメント

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非常に関心があります (ゆうこ)
2007-03-20 01:23:42
はじめまして、タイの大学院で勉強しておりますゆうこといいます。
実は、私はこのタイ日混血児のことを調べようと思っています。ですので、タイの待遇改善センターが出した統計というのにアクセスしたいのですが、どのように情報を手に入れたのでしょうか?
教えてください!!
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助ける事出来ないのでしょうか!? (シンジ)
2008-05-08 05:18:05
私も、タイの方に離婚した妻と娘が二人いますが普通の生活をしているので安心してますが、すべてを調査をして少しでも救える事は出来ないものでしょうか...
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