なにか理由があるからだよな?・・・・・・そんくらい解れ
3月のライオン6巻 Chapter61「冒険者たち」より島田さんの言葉
例えあらゆる全部のことを、上手に話せる人がいたとしても聞ききった側の人の心に、釈然としなかったり、飲み込めないものが生まれるのだとしたら、語る側の人は、この際全部は話さない、方がニュアンスを丁寧に相手に伝えられる事がある。
いっそ、全然話さない方が、「わきまえる」心持ちから「察しておく」でスイと横に、心をいったん置いておく事ができるかもしれない。
本当すぎる事が、誰かを激しく傷つけると分かってる時に全部を話すのは、勇気のいることなんだ。
黙っていてあげることも、相当に覚悟がいることだと、この言葉で解る。
3月のライオン(7巻)より抜粋。
主人公桐山君は、自分がみせた思いやりを、相手が理解してくれていることを分かってなかった。
担任の先生が、桐山君のしてあげたことがなんだったかを少し砕いて説明してくれてる。
「結果は大事だけどな・・・・桐山。人に伝わるのは結果だけじゃない」この台詞のあとに、表題の言葉が続く。
本当にそうだ。結果は分かりやすく、誰もが参与しやすいものだから、ついつい望んでしまうんだけど、「結果の出るまで」を一緒に進んでいたり、原因を作ってくれたものに対する感謝の念、とか、表立ってこなかった「いきさつ」ですら結果ってものには、言外の「含み」がうんとたくさんある。
結果以外のものを、人は知ってるものだから、そこを見てるから「結果以外」を理由にして、なにかしてあげたくなっちゃうのもまた、人ってもんなんだ。その豊かさが、この言葉には含まれてるから、嬉しくなる。