た昔前、縫製工場がまだ元気だったころ、どこの工場にも、一人や、二人
腕のよう縫製工がいた物です。
それでも靴を縫ったことがある人は、ほとんどいないと思います。
硬くて立体的な靴は一般的なミシンでは縫う事が出来ないため、八方ミシンという
細い筒状のアームで、なおかつ、行き止まりになっても、押さえの向きを変えて
縫い方向を八方向、自由に進むことができるミシンです。
特殊すぎるミシンです。
以前の投稿記事で登山靴の修理で使ったミシンです。
このミシン、出番が少ないので、とりあえず縫えるという程度でホコリがかぶっている
状態でした。
希少なミシンだからこそ、何かできないだろうか?
ということで、使いやすく、さらに程度よく手入れして、あきらめている工程に
チャレンジできるようにすることにしました。
手回しだと、どうしても片手でしか素材を保持できないという初歩的なことから
ということで、モーター作動にしました。
久しぶりに触るので構造を確認するように各部位を最調整しました。
端布で色々、試縫いして、内履きのスリッパに革にレーザーマーキングしたラベルを縫い付けてみることにしました。
ミシンを直せて、使い方のわかっていても、作業として縫えるかは別のものです。
素材を縫い進んで、向きを変えるのは素材でなく、押さえ・・・・
同じところに立っていると、左右、カニ歩きの様に進んでいきます。
そして、後ろ向きに逃げていくようです(苦笑)
つまり、今回の一番の対策は、作業目線を常に良い状態でいるために、立ちミシンで
ふっとペダルを押さえの向きを変える度に自由に移動しながら縫えるようにすることでした。
ちょっと縫い代がふらついていますが、これから、ステッチガイドや
押さえの加工など工場としてのスペシャルな一台に育てていこうと思います。
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