私の名刺には洋服を縫わない縫製工房と枕詞がついています。
洋服以外に何を縫うの・・・? って聞かれることもありますが
私がミシンに係わって35年位になりますが洋服を1着も縫ったことがありません。
20年ほど前にその事に気が付き、この際、洋服以外は何でも縫って見せましょう
そう決めてから普通でないミシンもだんだん増えてきました
今回は見た感じ普通の工業用ミシンや改造物は省き、一般にはあまり
見かけない、当工場にある変わった形のミシンを紹介してみます。
基本的には厚物、堅い物も縫えるものが多いかと思います。
それは、厚物用のミシンで薄い物を縫う・・・
薄物用のミシンで厚物を縫う・・・事を考えると・・・ミシンの機構的に
厚物用のミシンの方が対応力があると思っています。
ただし、機構的に調整、メンテが難しいかとも思います。
写真1は総合送り2本針ポストミシンと呼ばれているものです。
主に、自動車のヘッドレストのダブルステッチなどで使われているものです。
写真2は八方ミシンと呼ばれ、押さえが360°回転し八方向進めます。
主に、靴、カバンなどで使われています。駅の靴修理店、ホームセンターの
修繕コーナーで見かけることがあります。
写真3は千鳥ミシンです。これは厚物のカーペットなどを重ねないで
ジグザクで突き合わせて縫う事が出来ます。
写真4はミシンのような形をしていますが針も糸もありません。
超音波ミシンとも呼ばれています。
これは、超音波で各種ローラーを駆使して溶断、溶着をすることが出来ます。
切り口処理をキレイにPP,アクリルベルトを溶断したり、
不織布、アクリルフェルトを溶断接着を同時に行ったりできます。
写真4はミシンではないのですが革ヒモ、玉縁テープなどをカットする
スライサーです。応急でマジックテープなんかも切ってしまいます。
写真5は、写真1と似ていますが、送り機構も異なり1本針ローラー式です。
これはカバン、財布などの縫い代の細いコバステッチなどで使われます。
オマケに自動糸切りです。
写真6は、ジーンズや作業服でよく見かける2本ステッチを
縫っている2本針環縫いです。
近年、そのような衣類は海外で生産され一般の縫製工場では
見かけなくなってきていると思います。
私の工場では長尺の筒もの、ミシンの懐(ふところ)に入りきらない巨大な
製品の合わせ縫いを想定しています。
最後は横筒総合送りミシンです。このミシンはとても力強く
タフに働いてくれます。
これらのミシンは特殊であり、購入しても稼働率が低かったり
メンテナンスが困難であったり購入することを躊躇している方も多いかと
思います。
金型製作などの初期費用を抑え縫製品で試作、代用を考えてみたり
あきらめていた形状の縫い合わせにトライしてみたい方・・・・
これらのミシンはすべて即使える状態にしてあります。
自分で縫ってみたい方も含めて、試してみたい方は、当工房へお気軽に
寄ってみてください。