九運久運の筑波山彷徨録

筑波山や近くの公園を気息奄々の足取りで歩いた備忘帳

仏頭と十二神将像と

2013年10月15日 | ちょっと・お出掛け
10月初旬の2日(水)東京・上野まで仏像展を見に出掛けました。

興福寺創建1300年記念「国宝・興福寺仏頭展」の表題で開催している仏像展で
会場は上野にある東京藝術大学・大学美術館でした。

上野駅・公園口を出た時は、台風22号の影響で風と雨が降る生憎の天候でした、
道路を渡り上野公園内を横切り、大学構内に入りましたが、強い横風と舗装面に
跳ね返る雨で靴を濡らしながら会場に着きました。


  

 
始めて訪れた大学美術館です。正面入口を入りますと、すぐ左側の窓口で
1500円のチケツトを購入し、同じフロアの場所で音声ガイド機器を500円で借用し、
音声ガイドの最初の項目であるプロロ~グを聞きながら地下2階まで階段を
歩きながら第1展示室に入りました。

第1展示室では「第1章・法相宗の教えと興福寺の絵画・書跡」の出展で
平安時代から鎌倉・室町時代の慈恩大師像の絵画や帝釈天像などの重要文化財の
絵画など27点がズラリと展示してありました、第1展示室で特に目を惹いたのは
入口正面に鎮座していた厨子入り木造弥勒菩薩半跏像でした。

第2展示室に移り「第2章・国宝板彫十二神将像の魅力」を見学しました。
平安時代の浮彫の最高傑作として有名な国宝・十二点が会場狭しと並んでいました。
会場奥には興福寺中金堂再建模型が陳列されておりました、
丁度この時、寺職の方の「興福寺と東金堂の歴史」と云う講話が始まっており
私も大勢の方の肩越しに立ち並び聞いていました。

地下2階にある第2展示室から次の第3・第4展示会場のある3階まではエレベーターで移動しました。

3階にある第3展示室に入りますと、今回のハイライトである「銅造仏頭」が会場奥に見え、
手前にはこれも今回の見所となる木造十二神将像が一像ごと、ぐるり廻り360度
全てから鑑賞できるように十二像が並んでいました、正しく仏像の最高傑作でしょうか。

一番人気の「仏頭」は十二神将の奥に並び、大勢の方が「仏頭」をグルリと囲むように眺めていました。
「仏頭」の歴史など書き綴ると長文になるため省略しますが、白鳳時代(685)の銅像物で
興福寺東金堂旧本尊で、昭和12年10月に解体修理の際に現本尊である薬師如来像の台座の
内部から発見された仏頭です、元々は飛鳥・山田寺の所在とした銅造薬師如来座像で、
文治三年(1187)に興福寺東金堂の堂衆が強引(?)に移送し、東金堂の本尊・薬師如来像として
安置した物らしいが、その後、応永十八年(1411)大きな落雷や火災に遭い、頭上部分も
飛ばされ「仏頭」だけになった様です。
日本仏像彫刻最高の存在ではあるが、この様な破損仏で国宝指定を受けている事がまた凄いです。

また「仏頭」と同じフロア奥(第4展示室)に東京調布の深大寺所蔵の重要文化財「銅造釈迦如来像」の
特別展示が有り「仏頭」と同じ白鳳時代の仏像を眺める事ができました。

前回の興福寺創建1300年記念「国宝・阿修羅展」は4年前の平成21年5月12日(火)に
見学しましたが、その時は東京国立博物館・平成館で開催されましたので、広々としたスペースで
阿修羅像を含む八部衆像や十大弟子像などを見学できましたが、今回の会場は少し狭く感じました。

1階フロアにエレベーターで戻り、売店で「国宝興福寺仏頭展」の展覧会図録を2500円で購入し
会場を後にしましたが、悪天候にも拘らず大勢の見学者がいた事も驚きでした。

何年かぶり(?})に都内に出掛ける事で、暫くご無沙汰していたsaburou様と前日に連絡を取り合い、
仏頭展の帰り際に駅の改札口まで足を運んでもらいました、近くの珈琲店で長い・長いお喋りで
午後の時間が過ぎてしまいました。(コーヒーとても美味しいかったです、御馳走様でした)





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