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おっさんノングラータ

会社帰りに至福を求めて

アイ・アム・レジェンド(55点)

2007年12月15日 | 映画2007
それって何て『インベージョン』?
IMDb(7.9/10)

『地球最後の男/オメガマン』『地球最後の男』のリメイクだが(原作はリチャード・マシスンの小説)、もっぱらの興味は「ラスト・マン」ではなく、人類なき後の地球の様子だった。実際、初期のトレイラーではヴァンパイアの存在を隠していたが、荒廃したニュー・ヨークの映像だけで十分、興味を惹かれた。

今年の7月に発売された書籍『The World Without Us』を知っていると、なおさらである。それにサバイバル・ホラーの要素が追加されるのだからお腹一杯になる……筈だった。

★★★★


「人体を高速道路に例えると、ウィルスは制限速度を無視して突っ走る悪党みたいなもの。もしそのウィルスを『警官』に変えることができれば、パーフェクトじゃありませんこと? ワタクシ、それで1万9人の癌患者を完治差し上げたのです」

などという能天気な医療ニュースが流された後、「3年後」のテロップとともに、廃墟と化したニュー・ヨークが映し出される。この人が開発した「何か」が原因で人類は死滅したらしいのだ。ウィル・スミス一人を残して。

そして映画は彼とその相棒の犬との生活を基軸に、過去に何が起こったのか、現在起こっていることは何なのかを少しずつ描いていく。人間なきニュー・ヨーク・ライフはなかなか興味深いし、少しずつ謎が明かされていくのもサスペンスを盛り上げる。ウィル・スミスがドジッ娘属性で、無駄にピンチを大きくするのはご愛嬌だ。

★★★


もちろん、ウィル・スミス一人だけが免疫を持っている筈もなく、他の生存者も存在する。彼らが登場してから一気に物語は終息に向かうが、そこからはある意味で超展開。「それって何て『インベージョン』?」というノリなのだ。

★★★


光が弱点ではあるが、人類に代わって地球を支配するようになったヴァンパイアたち。それが知能を持ち始めた描写を入れるのであれば、よくできたゾンビ映画がそうであるように、彼らを通じて「人間性とは何か」を描くことだってできた筈だ。そうした要素を一切排除したために、『アイ・アム・レジェンド』は映像だけは秀逸な凡作になってしまった。

そう、映像だけは『The World Without Us』を想起させる見事なものだったので、余計に残念に思うのである。

(評価は100点満点です)


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