子どもたちのやる気をいかにアップさせるか
おうちの方の悩みの一つだと思います。
ついつい口うるさく言ってしまった…など
私自身日々、反省の毎日です
そこで、専門の先生からのコミュニケーション術を学ぼうと思い立ちました。
おうちの方のお役に立つことを願ってここにご紹介いたします
"マイナスの口癖をやめる"と"ほめる"で子どもが変わる!
「早くしなさい!」ではなく、子どもに気づかせる声がけを
保護者が子どもに言ってはいけない言葉ワースト3は
「早くしなさい。」 「片付けなさい。」「勉強しなさい。」
です。この言葉が口癖になっている保護者も多いのではないでしょうか? もちろん子育てをしていた頃の私もよく口にしていたので、みなさんのお気持ちはよくわかります(笑)。
なぜこれらの言葉を口にしてはいけないのでしょう。それは「早くしなさい!」と命令された子どもは、何をどう早くしていいのかわからないからです。保護者のほうでは「早くしなさい!」と声をかけたことで満足してしまいます。しかし、残念ながら、子どもには保護者がイライラしていることや怒っていることが伝わるだけ。毎日同じことばかり言われているので、耳から言葉が素通りして、何度言っても同じ状況が繰り返されます。
そこで"少し考え方を変えて声がけをしましょう"というのが、私の提唱する親子のコミュニケーションです。
小学生であれば、まだ十年そこそこしか生きていません。頭ごなしに言った言葉は伝わっていないと思ったほうがよいのです。でも私たち保護者は、小学一年生になったら何でも自分でできるようになると思ってしまいがちです。実は、それが間違いのもと。"子どもはまだ言葉の意味を理解できない"ことを心に留めて、具体的に何をどのように早くしなければならないのかを説明してあげてください。例えば「片付けなさい!」という言葉を使わずに「もうすぐごはんよ!」など、子どもに時間がないことを気づかせる言葉に置き換えます。すると子どもは"片づける必要があるんだな"と、自発的に行動を起こすようになります。
このように私はさまざまな機会に、子どもの自発性をどう育てるかを保護者にお伝えしています。大人が命令するばかりでは子どもの自発性は育ちません。子どもが選んで自分で行動するまで待つことが大切。待つのは忍耐がいることですが、子どものためと思って、"自発的な行動を促す言葉に置き換える"ことを実行してみてください。
マイナスの口癖をやめる
また、頭ごなしに命令するマイナスの口癖をやめることも大切です。まずは自分の口癖を見直すところから始めましょう。「早くしなさい。」「もう○○年生でしょ。」など、自分が言いそうなマイナスの口癖をいくつか書き出します。それを言わないようにするのですが、言ってしまったら、その数を数えてカレンダーに書きとめておきましょう。そして、子どもにも「ママがこの口癖を言ったら教えてね。」と伝えます。子どもへのマイナスの口癖の数が減ると、親子の関係が驚くほど変わります。さらに、子どもの自発性が育ちますから、学校でほめられるようになる子どもが少なくありません。「早くしなさい。」などの口癖は、子どもをしつけると思われがちですが、逆に言わないほうがいい結果を生むことも多いのです。ぜひ試してみてください。
失敗させる勇気を持ち、過程をほめる
そして、ぜひ子どもに失敗させてあげてください。保護者は子どもがやろうとすることが失敗するとわかっていると、ついつい口を出してしまいます。そこをぐっと我慢して、黙って見守ってあげましょう。失敗から学ぶことはとても大きな人生の財産になります。
ただし、やってはいけないのは、子どもが自分の意思で行った行動で失敗したときに「ほらママの言った通りでしょ。」と言ってしまうこと。失敗したときほどやさしい言葉が身にしみます。ですから、失敗したときこそほめてあげてほしいのです。そのときはできたところまでをほめてあげます。「ここまでやったじゃない。」「勇気をもってやろうとしたじゃない。」と失敗が大きいほど、その過程をほめることが大切です。子どもは失敗してもほめられたことで自信をなくさずに、次に同じ失敗を繰り返すことなく、正しい道を切り開いていけます。
また、積極的に"ほめ言葉"をかけてあげることも大切です。子どもは保護者が大好きですから、いつもほめてもらいたいと思っていますし、家族で楽しい時間を過ごしたいと思っています。叱るときにはしかめ面になりますが、ほめるときには自然と笑顔になりませんか? 保護者が笑顔で幸せになることが子どもの幸せ。それがわかると自然にほめ言葉が口から出てくると思います。
JAMネットワーク代表・高取しづか先生
NPO法人JAMネットワーク代表。神奈川県子ども・子育て支援活動アドバイザー。2003年、アメリカで出会った仲間や日本の友人たちと「子どもと親等のコミュニケーションスキル育成」を使命とするJAMネットワークを結成。以後、子どもや女性の視点で、子育てや教育、生活全般に関する新聞・雑誌・本の執筆を行う一方、各地での講演活動も。子どもたちのコミュニケーション能力を育成するために、児童養護施設等での「ことばキャンプ」の普及に取り組んでいる。