おとも庵 記録帳

ヒヨコまめ活動記録や、毎日の日記など記録していきます。

おっさんずラブ・チェリまほ 比較考察

2022-06-08 06:02:00 | 作品レビュー
私がかつて深い沼に落ちた「おっさんずラブ」、つい最近見てはまった「チェリまほ」。
どちらも同じBLの話ですが、二つは共通するところもあり、共通しないところもあり。
二つの作品を、自分なりに比較してみました。(以下ネタバレを含みます)


共通しているところ
①性別を超えて、人として相手を愛するところ
 これはどちらにも当てはまり、ここが作品の大きな魅力です。カップルとなる男性二人が手をつないだって抱擁したってキスしたって全然違和感はないし、むしろファンとしてはもっともっとそういうシーンを見たいのです。ちなみに私はおっさんずラブに沼落ちしていた頃、牧役の林遣都くんがミスチルのPVに出演したのですが、女性と恋愛模様になる姿を見て違和感いっぱいになってしまい、困惑しました。あまりにも春田との恋愛シーンを見すぎたからでしょう。

②カップルの一方が未熟であり、もう一方が完璧という人物設定
 おっさんずラブでは女性的な方が完璧、チェリまほでは男性的な方が完璧として描かれました。BLを男女に置き換える必要はないのですが、どうしても片一方が女性的に見えてしまうのです。身長差なんかも関係があるのかもしれませんが。
 チェリまほでは、安達はだんだん女性にしか見えなくなってしまいます。安達も成長して黒沢を守ったりすることもあるのですが、黒沢と一緒にいるとかわいらしい彼女に見えてしまいます。でも、この役者さんは元仮面ライダーなのです。ヒーローとして地球の平和を守ってきた人物と、ダメダメな安達を演じ分けるのですから、役者さんって信じられないくらい演技のふり幅が大きいのですね。
 完璧設定の役者さんは、仕事完璧、料理上手、相手への愛が揺るぎません。完璧男性の黒沢(チェリまほ)からのアプローチを見て、「私もこんな風にされたい!!!」というファンは多いと思います。しかし、牧くん(おっさんずラブ)からのアプローチを見ると、自分に向けられたいという思いではなく、「どうにかして春田にこの想いを届けてあげたい!!!」と思ってしまいます。
 一方、想いを寄せられる人物は、生活全般がだらしない(おっさんずラブ)とか、自分に自信がなくておどおどしている(チェリまほ)とか、突っ込みどころ満載です。

③クロサワという人物
 おっさんずラブは、春田を愛する男性は牧くん以外にもいて、それが職場の上司、黒澤部長です。この黒澤部長と牧くんの間で勃発する「春田取り合い合戦」がおっさんずラブの見どころの一つです。一方チェリまほでは取り合いとかはなく、黒沢が一途に安達を愛します。
 重要人物が同じ苗字にもかかわらず、ドラマに熱中しすぎてこの事実に気づくのにはだいぶ時間がかかりました。

④玉子焼きが甘いのかしょっぱいのか確認するところ
 これは本当によくわからないのですが、こういうことを確認したい人って多いのでしょうか?相手の好みのものを作ってあげたいという気持ちからこういう確認をするのだとは思いますが。ちなみに、私の作る玉子焼きはあまじょっぱいです。たとえ夫が「甘いのにして」とか「しょっぱいのがいい」と言ったとしても、自分の味にしか作れないので、こういう確認はできません。そういう領域を逸脱した深い愛があればこそ、そういう確認がしたくなるのでしょうか。

⑤関連する女子が恋愛にガツガツしていないところ
 これも両作品に共通するところで、主人公に近い立ち位置の女子は主人公を好きになって間に入ることはせず、むしろ二人の恋愛を後押しします。その姿がファンの気持ちそのものなのかなとも思います。もしもガツガツ女子がいたら、ファンの反感を買ってしまうのではないでしょうか。

⑥結婚式のシーン
 自分の結婚式や友人の結婚式、多くのドラマでの結婚式で男女の結婚式を見慣れているので、やっぱり男同士の結婚式のシーンは違和感を感じてしまいました。でも、二人にとっては自分たちの大事な人に二人の関係を堂々と伝える場であり、重要なことなのでしょう。皆さん白いタキシードがお似合いです。

⑦ドラマ終了後もSNSで盛り上がり、映画化が実現した
 私はおっさんずラブでTwitterの使い方を学びました。ファンは「民(みん)」と呼ばれましたが、民の皆さんはマナーが良く、「こういう投稿はよくないから改善しよう」とか、ファンが暴走して作品に迷惑をかけないためにお互いが呼びかけていました。素晴らしい団結力でした。
 ドラマ終了後も、土曜夜11時15分になれば「わんだほう!」とみんながツイートし、勝手に続編を作り上げるなど、終了後の方がむしろ盛り上がったかもしれません。民が欲しかったグッズやファンブック、サントラ、脚本、映画、コンサート、ありがたいことに制作の方々がたくさんの夢を叶えてくれました。
 私がちぇりまほを見たのは、映画の上映が終わろうかという頃ですので、SNSでのリアルタイムの盛り上がりを見たわけではありません。でもきっと、おっさんずラブ同様に盛り上がったことと思います。

他にもたくさん比較できるところはあるのですが、ひとまずここまで。

もし私が、どちらの作品をおすすめしたいですか?と聞かれたら…
うーんどっちだろう。
チェリまほの方が、黒沢の妄想が多々入ることもあり、二人のイチャイチャシーンが多いです。おっさんずラブは、二人のすれ違いが多く、ファンはなかなかホッとできません。
イチャイチャを見て幸福感を得たい場合はチェリまほを、作品中に自分も乗り込むつもりで二人を見守りたい場合はおっさんずラブをおすすめします!