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UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 185

2025-02-24 19:11:40 | 日記
『えっと、もっと簡単にお願いできますか? ほら、皆さんにもわかりやすいように』
 
 とりあえず私はG-01としての威厳? って奴を保たないといけない。だから素のままに「もっと簡潔に」とかいうのはどうかと思った。だってそんな事をいったら私も分かってないってバレるじゃん。実際もう勇者には私がそこまで賢くないとバレてそうではあるが……それでも勇者なら私をたててくれるだろう。
 尊敬だってきっと今までのようにしてくれると思う。良い奴だからね。流石は勇者である。アイは言わずもがなだ。あいつは私を知ってるからどうでもいい。問題はミレナパウスさんだ。彼女は私を本当の神のように崇めてる。まあいつかは? いつかはそんな誤解は解きたいところだ。
 けどそういうのは段階が必要じゃないかな? いきなり宗教に傾倒してる人に『神なんていないんだ!』――なんていってその人は納得するか? しないだろう。つまりはそういう事だよ。
 私はミレナパウスさんの幻想をぶち壊すなんてできないのだ。私のその言葉を聞いて彼はこう答えてくれた。
 
『新たに生まれ変わろうとしてる』
 
 最小からそういえ……と思ったのは胸にしまっておいた。でも生まれ変わりって……実際私が思ってる生まれ変わり……とかでもきっとないだろうね。だって生まれ変わりって魂が輪廻して新たな姿になる……みたいなイメージがある。でもさ、彼もいってたがメタリファーは概念的な存在でそこに魂とかをもってはない。という事は生まれ変わりといっても魂が輪廻してるとかじゃないってことだよね?
 つまりは魂までも創造してる事になるのでは? 
 
『あなたは神になったのですか?』
 
 だって魂まで創造するなんてそれは神の領域では? いや、でも神も彼の世界の人たちに頼ってたな。一度会ったし。となれば、神に等しくなっててもおかしくない?
 
『魂の解明。それは俺の命題だったからな。それの集大成がユアの卵だ。神になったかどうか、ではなってはない。あれは存在としてちがうからな。だが、神にできることが俺達にはできないと誰が決めた? 
 手を伸ばす権利は命ある物全てにあるべきだろう?』
 
 どうやらこの人はどこまでも研究者みたいだ。自身の中で課した一つの命題。その為にずっと邁進し続けたのだろう。たった一人になったとしても……そういえばこの船の世界で色々な動物がいた。
 それこそ色々と組み合わさったような……さ。あれは多分、どこかに所属してたら命を冒涜してるとか……そんな事を言われるようなことだと思う。そして今、彼の目的をきいて、ああやっぱり……と思ったもん。きっとこの船の世界の者たちは彼によって改造されてる。
 
『必要なデータと触媒はそろった筈だ。あとは上手く反応をすれば……この中でメタリファーは新たな命として誕生するだろう。さあ、見せてくれ。俺の生きた証を!!』
 
 そういう彼の声に反応するかのようにユアの卵にヒビが入っていく。
 

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第三十六話part5

2025-02-23 18:56:50 | 日記
「門の封印はどうなってるの? このままじゃ門の前に妖怪たちがあふれると思う」
 
 小頭は鬼たちにそう告げる。なにせあの地獄の門から離れる前に鬼たちは力を合わせてあの門を封印的な処理を施していた。そのおかげでこれ以上の妖怪の流入は止まってた筈。でも同時に、そんなに持たない……とも鬼たちは言ってた。なので今、地獄の門がどういう状態なのかは小頭にはわからない。でも、鬼たちにはわかるんじゃないだろうか? と思った。だって自分たちで施した力だ。そういうのはリンクしてる物じゃないだろうか? 自身の力が解除されたりしたら小頭が今まで観たり、読んだりしてきたサブカルチャーでは――
 
 ピキーン! 「解除された!?」
 
 ――とかいう表現が挟まったりするじゃないかとね。なので小頭は二人なら地獄の門の状況がわかってるのでは? と思ったんだ。
 
「まだなんとかなってる」
「そうそう、まだ門は開いてないからね。それにちゃんと手順を踏まないと、入れてもいれても出てくることになるよ」
 
 確かにその鬼男と鬼女の言葉になっとくする小頭。だって門が開いたら、また妖怪がでてくるんじゃないだろうか? いれる妖怪と出てくる妖怪が争う事になったり? とかちょっと考える。そうなるとまるで地獄絵図だろう。実際、小頭的には妖怪が互いに戦いあってもそこまで興味ない。でもあれだけの数である。いつ終わるのか……
 
(いや、無限に門から出てくるとかなら、いずれこっち側から出戻ろうとしてる妖怪のほうが尽きちゃうかな?)
 
 でもそれまでどのくらいかかるのか。それにそれからまた門からこっちの世界に解き放たれるとまた柱を使わないといけなくなる。それは面倒だ。
 
「その手順は二人なら出来るんだよね?」
 
 二人の鬼がそれを出来るのなら、こっちから妖怪を送るだけになるだろう。それが一番なのは間違いない。多少なりとも鬼である二人にはあの門に関する知識があるんだろう。だから多少の操作ができる。
 それに期待するしかない。二人はコクリと頷いてくれる。でも更に鬼女が補足した。
 
「まあでも、あんまり期待しないでね。私達だっで絶対なんていえないから。でも努力はするよ」
 
 そういってウインクをくれる鬼女。このカラッとした感じがお姉さん感あるなって小頭はおもった。そして辿り着いた山奥の門の場所。そこには既に沢山の妖怪で溢れてた。そして中心にある地獄の門。門にくくりついてる鎖は鬼たちの封印だ。確かにまだ持ってる……でもギチギチと今にもはち切れんばかりなのも確かだった。
 
「ひっ!?」
 
 そんな悲鳴にも似た声を小頭が出したのはわずかに空いた地獄の門。それから無数の手とか触手とか、出てたからだ。どうやら向こう側を渋滞を起こしてるらしい。
 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 184

2025-02-23 18:51:03 | 日記
 別に虫に対して私は気持ち悪い……とかは思わない。まあなんか足がめっちゃあってうねうねしてるとか、変な動きをしてるとかだと気持ち悪いとも思うけど、あのコガネムシは虫だけどカサカサするわけでもないからね。
 むしろめっちゃ綺麗である。それに虫の大きさじゃないよね。一メートルは虫にしてはでかい。いや、最近はミレナパウスさんの世界にいたから、それに比べたら虫でも小さいか。
 あの世界での砂獣は虫形態のアリが一番多かったしね。アリなんて普通は2・3センチくらいじゃないだろうか? それがミレナパウスさんの世界では砂獣のアリは3メートルはあった。それに比べたら一メートルまだかわいいかもしれない。
 それにメタリファーと比べたら人間と普通の虫サイズではある。比率的にね。てかあのコガネムシは何のために? まさか食べるとか? そんな事を思ってると、もっと予想外の事が起きた。
 それはメタリファーに近づいたコガネムシがいきなり爆散したからだ。……いや違うね。よく見るとどうやらコガネムシは爆散したというよりも分裂した? そのキラキラと輝く体をメタリファーの周囲に展開させてる。
 
『さあ、これが君に適合させたユアの卵だ』
 
 そんな事を彼が言う。すると展開してた分裂したコガネムシの破片がメタリファーのへとくっつく。勿論数十メートルのメタリファーと一メートルくらいのコガネムシではそのサイズ感が全く違うから、コガネムシの破片がくっついたとしても全然足りない。当然だよね? でも頭と肩、そして腰にくっついたコガネムシのキラキラのパーツ。
 するとドクンドクンときこえてきて、メタリファーの体も光に包まれる。そしてカッ――と一際強く光ったと思ったらそこには不思議な物体が残った。フヨフヨの半透明な液体が球体を維持しようと浮かんでる。そしてその中心にさっきのコガネムシの体と同じ色をした完全な球体がある。
 
 つまりはフヨフヨな液体? みたいなもので守られるようにした中にコアみたいな球体があるというイメージだ。
 
『これは……なんですか?』
 
 私は彼にそう問いかける。だってわかんないからね。メタリファーがこれになったのはわかる。でも……なんで?
 
『時空間を操るメタリファーとの契約だ。そして俺の興味でもあった。概念的な……だが確かにいる存在。魂でも、意志もないが、現れた個。その解明はどれだけ心が躍るだろうか? だから取引をした。奴の望みと、俺の研究欲が上手くはまったんだ』
 
 何をいいたいのかよくわかんないが、どうやら彼にとってメタリファーはとても興味深い研究対象だったという事だろう。だからメタリファーの提案を飲んだ。
 
『それでこれはなんですか?』
 
 つまりはそこだ。この人は……何を成しえたの? どの世界よりも進んだG-01を作った世界で、そこでなお天才と呼ばれた彼。そんな彼がなしえたこれは一体何?
 
『メタリファーは新たな存在としての証明を求めてた。だが、メタリファーはそもそもが概念的な存在であってそこに魂も何もあるわけじゃない。だがないのなら作ればいいじゃないか。新たな魂と生命の創造、ユアの卵は魂を構築するための新たな概念を作っている』
 
 うん……何言ってるのかわかんないや。
 

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第三十六話part4

2025-02-22 18:47:59 | 日記
 戻ってくる……というか入れ替わる? だろうか? 鬼男の話を聞いた限り、彼らはこの門の中で強制的に入れ替わった? 的な感じだったらしい。そしてここで注目すべきは鬼女と育代である。
 もしも、もしもこの世界間を移動するために現地の人と入れ替わることが必要なのだとしたら、鬼女と育代が同時にこの世界に存在してるのはおかしい。どうやら鬼女もタイミング的には昨夜、こっちに突然きたようだった。そしてそこで育代と出会ってる。まあ鬼女的には出会ったというよりも、そこに育代が倒れてた……みたいだが……
 でも二人は入れ替わってはない。その場合は育代がこの世界にいるままなのはおかしいからだ。それに門から普通に出て来てる妖怪たち……でもこの町には人間と妖怪が混在してる。
 じゃあ……じゃあ、そうなると鬼男と足軽が特殊だったことになる。どうして二人だけが入れ替わったのだろうか? それを検証するだけの情報はない。でも二人には繋がりがあるのは確かなようだ。
 
「準備は出来てるようだ」
 
 それは鬼男の言。目を閉じて何やら静かにしてると、足軽と対話? できるのだろうか? でもその繋がりで鬼男には足軽の事がわかるみたいだ。そして門の向こうにいるらしい足軽も帰る準備は出来てるらしい。それならば、やっていいだろう。
 鬼男も鬼女も早く帰りたいと思ってるだろうから。早速小頭達も門の所へと戻り、妖怪たちを押し込んでそして二人も……それで世界は元通り……になるんだろう。
 
「それじゃあ、さっそく行こう」
 
 小頭のその言葉で各々が頷いた。とても疲れてる育代は自転車の後ろに立つのも難しいそうだったから、鬼男に抱えてもらおうとおもった小頭。けどそれは断固拒否されてしまった。
 鬼男には抱えられたくないようだ。なので無理してでも小頭が漕ぐ自転車の背後に立つ育代。そして再び出発する。空から見ると、この田舎の道路に妖怪の行列が出来てる。
 こんなにいたのか……というほどで、もしかしたらこの町の総人口よりも……と思うほど。
 
「どれだけいるの? てかこれ集まるだけでも時間がかかるような?」
 
 そういえば妖怪たちが集合する為の時間とか……そんなのは考えてなかった。なにせここまで多いと思ってなかったからだ。でもこれだと、山に集まること自体、時間がかかりそう……と小頭は思った。 

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 183

2025-02-22 18:41:20 | 日記
 一体なにが? 彼は本当に何をメタリファーへと与えたのだろう? メタリファーはまるでそれを受け入れて歓喜を叫ぶように吠えてる。そしてその体が……姿が更に光に包まれていった。
 
『最後の願いだ。これに許可を』
 
 それはどうやら私……にいってるみたいだ。多分全ての権限を私に譲渡したから、死した彼ではこればっがりはどうにもできないんだろう。ならばさっきの小瓶はなんだ? という感じだけどね。だってあれも彼が出したように見えたけど、彼の姿自体がホログラムの筈だ。きっと独立した領域を作ってて私が及べる範囲外をちゃんと確保してるんじゃないの?
 それなら、権限を譲渡した後でも僅かな間はその権限を二重にしてもいいようにしてればよかったのに。できそうだけど。二重に同じ権限あるなんてセキュリティー上は問題あるかもしれないが、それもちょっとの間とわかってるのなら問題ないだろうしね。
 けど彼はそれをしなかった。彼からの要請が確かにこっちには届いてる。そこでようやく私は『彼』を一人の人間として認識するワードを知った。
 
『命に新たな指針を示すの者『オーベン・ガウィンツ』から要請がありました』
 
 うん……まあいいよ。要請は受けよう。そこは問題ないし? ただちょっとハッチを繋げるだけだ。だからそれはいい。その奥から何が出てくるかはしらないが……問題は名前……の前にある部分じゃないか? 
 え? なに? 『命に新たな指針を示す者』って? これ、誰がつけたの? いや、考えるまでもないよね? だってここには彼しかいないのだ。彼、オーベン・ガウィンツしかいない。となれば、これはつまりは自称……という事になる。痛いよ。私の華奢な背中がゾワゾワとしてなんかかゆいよ。
 イタタタタタタタタタタタタタ――と思ってしまう。まあもう死んてる人だ。今見えてるのはホログラムで最後にメタリファーとの約束を果たすために用意してた物だろう。
 そんな最後に無粋な事は言うまい。けどきっとこういう所も彼を孤独にした要因なんだろうなって思った。それとも何か? 彼の世界ではこういう二つ名? 的なことは普通にあったのだろうか? 確かめようがない。いつかオーベン・ガウィンツの世界に行くことがあれば、それか同郷の人と会ったときにそういう文化だったのか、それとも彼がただ痛い奴だったのか判明するだろう。
 
 私が彼の要請に許可を出すとハッチが開く。そして出てきたのは直径一メートルはあるかのようなコガネムシだった。なんかやけにピカピカの……ね。怪しげな液体の次は変な虫……か。