オレンジな生活のろくでもない生活

サッカーとかその他諸々に関する日々徒然の感想をダラダラと綴った日記、のはず。

エクトル・ラウール・クーペル

2005-02-19 23:14:10 | スポーツとか
「織田が搗(つ)き 羽柴が捏ねし 天下餅 座りしままに 食うは徳川」
日本の戦国時代末期から天下統一の過程を端的に歌ったこの歌。
織田信長が基礎を築き、豊臣(羽柴)秀吉が継承発展させ、最後に出てきた徳川家康がおいしいところをいただいた、という内容だが、ではこれをバレンシアに当てはめてみる。

「クーペルが搗き ベニテスが捏ねし バレンシア 食らいきれずに いらだつラニエリ」

うーーん、出来が良くない。ところで昔のチャンピオンズリーグのビデオを見返してみると、今では降格争いまっただ中のマジョルカもホンの数シーズンまえにはチャンピオンズリーグに出場していた。このマジョルカが躍進するきっかけを作った指導者、これがそもそもクーペルだったりする。

つまりクーペルが指導したクラブというのはその後躍進する可能性が高い、ということ(インテルというとんでもない例外があるけど、ネラッズーロにしても就任1年目でスクデット目前まで行ったしね)

クーペルの戦術は守備に基を置いているのは衆目一致するところ。4バックの前にドブル・ピボーテ(ダブル・ボランチ)を置き、両翼に開かせたサイドハーフに2トップ(2トップの構成に関しては状況に応じて縦置きと横置きを使い分け)。かなり深めに守備ラインを持ってきて網をかけ、ボールを奪ったら手数をかけずに両翼に開いてカウンターを発動。2トップまでこれもシンプルに渡して一気にゴール前まで迫る。

さて、名門インテルをスクデット寸前まで持っていきながら涙をのみ、翌シーズンには途中解任されてプラプラしていたクーペルですが、彼がかつて指導したスペインの2チーム、マジョルカとバレンシアはともに今期不調。で、不調は不調でもバレンシアはラニエリ政権下でそれなりに結果を出し、一見持ち直したように見えました。一方でマジョルカはもう徹底的に調子がつかめない。そしてかつての躍進の基を築いたクーペルを呼び戻します。

そしてここにきて守備がまったくできていなかったマジョルカはディフェンスの整備には力を発揮するであろうクーペルのもとで徐々に修正を施し、降格圏内からじわりと抜け出しつつあり。一方でラニエリで持ち直したかに見えたバレンシアはまたもや泥沼にはまってしまった。ラニエリの解任は確率が高いだろうし、少なくとも来期もラニエリというのは考えにくい。

仮にバレンシアが調子をつかめずにシーズン中盤にしてラニエリからクーペルにスイッチしていたら?今期のバレンシアはスタイルが見え辛かっただけに、ベニテス時代の基礎を造ったクーペルがきていたら、今頃は修正を完了してリーガは2強ではなく3強の争いになっていた可能性はあると思う。(厳しい言い方をするなら、ベニテスはクーペルのスタイルをアレンジして勝っただけ、という見方だって成り立つと思うのだ。)

シーズン中盤の両クラブの調子がクーペルの身の振り方に影響を与えているワケであるが。クーペル本人の課題としては「クラブを成長させられることはできても、最後は偉大なる敗者」という世間一般のレッテルをはがすこと。個人的にはマジョルカ残留のミッションを達成したら、来期もう一度バレンシアの監督になっても面白いと思う。ラニエリ同様メスタージャで白ハンカチを振られたこともあるけど、それでもラニエリよりはクーペルの方がいいでしょ?

個人的に好きな監督の一人。もう一度彼がビッグクラブのタクトを握り、己の運命と対戦するところが見たい。さて、ブンデスリーガのバイエルンvsドルトムントを見ますか。でわー。

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