灰色ノ空

5分の距離は意外に遠い。ここ2～3日ギックリ腰に倒れた父を見舞いにいけなかった。
出張授業のあと、3人分のお昼ご飯を調達して坂道を上る。4人の子供が巣立った家は年老いた両親と犬猫だけには広すぎる。いつもより母が小さくみえる。食事を取り、犬猫と戯れ、溜まっている家事を少しお手伝い。そうこうしていると昨夜から動き出した父が鍼から戻ってくる。何でもない頼まれ事をひとつふたつ。
『ありがとう』白い無精髭に縁取られた顎がくしゃりと歪む。アタシの中で何かがぎゅっと絞られる。灰色の空が追い打ちをかける。

photo; 覗くHarbour
彼の自宅は屋上ですが隙あらば家に入りたい
オトコワツラカデシ… (Harbour談)

応援よろしくお願いします m(_ _)m