カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

螺鈿のフォーク&水牛の角のスプーン

2011年08月29日 | Articles

申し上げるまでも無いのですが、お食事は味覚だけではなく、五感を使って楽しむものでございます。

その中で触感というものが、結構お料理のお味を左右致します。

食材そのものの食感も大切ですが、それらを口に運ぶ為の道具、

つまりお箸やフォーク、スプーン等といったものが口に触れる感覚で、

味の感じ方が大きく違って来るから不思議です。

あっ!もう一つ、指も食べ物を口に運ぶ道具の仲間に入れなくてはなりません。

昨日ラオスの方が、『手で食べなくては食事をした気がしない』と仰っておられました。

これは、お寿司を手で頂く私にはよく理解出来る言葉です。

 

ともあれ、このような道具を選ぶのは、中々難しいです。

なぜならば、お洋服を試着するようにお店で実際に試してみる事が出来ないからです。

売り物をいきなり口にくわえたら、店員さんはどんな顔をするのかしら?

そんな事を店頭で空想して、密かに笑ってしまう事がある私です。

私の場合は、とりあえず二組だけ購入し、自宅で何度かお食事に使ってみて、

二人の意見が一致したら、ゲスト用に何組かを購入するという煩わしい手順を踏みます。

旅先でのお買い物では、そんな訳にもいかず、見た目に引かれて買ってしまい、

大失敗という事もございましたので、今はあるものを除いて、

旅先でそのような類いのお買い物はしないように心がけております。(出来るだけ

そのあるものとは、デザート用のフォークやスプーンです。

そもそもデザートは、お食事の後の楽しいひとときの為に供されるもので、

いわば贅沢品であり、嗜好品だと私は考えています。

ですので、デザートを頂く時に考える事は美しく楽しい演出。

つまり、見た目重視で選びます。

食べ易さとか、使い易さはこの際忘れてしまう事にしています。

私は旅先で、自分の作品と合わせる為のデザートフォークやスプーンを仕入れて来ます。

これは当初、器のコーディネートの提案としてお使いいただく方にお見せする目的だったのですが、

そういう事を繰り返していましたら、「気に入った!、コレもよこせ!」とご要望を頂くようになり、

今は販売用と銘打って、色々物色出来るようになりました。あはは

その中で、私がペーパーシリーズとのコーディネートをとても気に入っている2点が、

木製のフォークと水牛の角のスプーンです。


ペーパーシリーズの角皿にバームクーヘンを乗せて。

長く伸びたシャープな先端が美しい木製のスプーン。

柄の部分に白い螺鈿が施されています。私は螺鈿細工が大好き

ペーパーシリーズのカップにクレームブリュレ・アイスクリームを盛って。

白い器に盛られた白いアイスクリームを、透明感のある角の黒が引き締めてくれます。

ちなみにアイスクリームに添えた四角い板状のものは、

ウェハースではなく、板飴です。

クレームブリュレの醍醐味は、表面を焦がしたパリパリのカラメルに有り

ですがアイスクリームの場合その食感が出ませんので、

こちらのキャラメル味の板飴を添え、召し上がる時に割って頂こうという趣向です。

 

デザートタイムは優雅に美しく

皆様もお気に入りの美しい器で素敵なデザートタイムをお過ごしください。

この時ばかりはカロリーの事なんかを考えるのは野暮でございますよ。

 

では

 

追伸:写真のバームクーヘンも板飴も日本からの到来ものでございます。

   日本には本当に美味しい物が溢れていますね。うらやましいです。





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