カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

夏のダイニングテーブル

2011年08月25日 | Ceramics

このダイニングテーブルが我が家の生活の中心です。

名の通った一流品という訳でもなく、手の込んだ装飾がある訳でもなく。

ただただどっしりとした、存在感のある大きな木のテーブルです。

今我が家にある家具のほとんどは、この家に引っ越して来てから揃えたものです。

そして、このダイニングテーブルが一番最後にやって来た家具です。

大人8人が余裕で座れて、どんな食事にも合う、それでいて二人きりで座ってもガランとしない。

それが私のダイニングテーブルに求めた条件でした。

木の種類や色などは二の次三の次。

それでも長い長い間、見つかりませんでした。

その間、私達はキッチンに置いたアイランド代わりの小さなカフェテーブルで、

並びきれない器はキッチンカウンターに待機させて、小さくなってお食事してました。


大勢のゲストと着席式でお食事をする時には、ゲストの席順に多少配慮が必要です。

気心の知れた友人だけなら、好きな場所に勝手に座って頂いて結構ですが、

通常、ホスト又はホステスがそれぞれの席にご案内する方が、

ゲストが遠慮や恥ずかしさから隅の席の争奪戦を繰り広げる事も無く、スムースに運びます。

あらかじめそれぞれの席にネームカードを添えるのも素敵です。

日本のように上座などという席は存在しないものの、重要な席というのはやはりございます。

必ずしもそうであると期待は出来ませんが、その重要な席がどこであるかを見分ける目安は、

ダイニングチェアーのデザインは同じでも、肘掛けの付いた椅子が重要席という場合もございますね。

ま、我が家にはそんなお席は存在しないと申しますか、

全てのゲストが重要ですので肘掛け椅子は有りません。

とにかく、初対面の方同士は、出来るだけ会話の弾み易い席順を考えます。

ビジネスが関わるゲストも多いので、ゲスト同士思わぬビジネスチャンスに恵まれることも有ります。

そのような嬉しいハプニングは、お招きした者としてとても光栄な事です。

ダイニングテーブルのデコレーションに関しては、様々な楽しいアイディアがありますね。

私の場合、あまり背が高すぎては相手のお顔が見えず逆効果ですが、

正面に座った方の顔やお食事の様子が丸見えにならない程度のセンターピースを配置します。

ホリゾンタルと呼ばれる形に活け込んだ、低くて横に広がるフラワーアレンジ等が一般的なのですが、

おこがましくも、大抵の場合は私の作品が並んでいます。

陶芸作品のショールームの役割も果たす我が家ですので、大目に見て下さい。

正面を見る度に、相手のお顔やお食事の様子が丸見えになってしまいますと、

返って会話に詰まってしまう場合も有ります。

心地よく楽しいお食事の為に、上手に目線をそらしたり、さりげなくプライバシーを確保するのは、

テーブルを華やかに飾ることよりも大きな、センターピースの役割かと思います。

この夏のテーブルには、ペーパーシリーズの作品を幾つか並べて、

楽しげなオンシジウムの鉢植えをフォーカルポイントに配しました。

鉢植えを食卓に置く場合には、土が見えないようにする事で清潔感が出ます。

方法は色々有りますが、私の作品は『紙』をテーマにしたシリーズですから、

柔らかく薄手の、ホラ、お洋服等を買ったとき店員さんが薄紙で包んで下さる事がありますが、

あの紙を使いました。クシャクシャと丸めてからふんわりと鉢の縁を覆うように使います。


そして、小さめの作品にはペーパーナプキンを二つに折ったものを扇状に広げてみました。

ナプキンホルダーよりも、華やかさが出てくれるのではないかと思います。

紙をイメージした焼き物と本当の紙の組み合わせ。やはりとても良く似合います。

白ばかりのデコレーションですが、それぞれの質感や微妙に異なる白が、

窓の外一面に広がっているプールのブルーや椰子の木のグリーンを映し込み、

テーブルにリズムと統一感を出してくれていると思います。


この夏のゲストのみなさまには、

このようなダイニングルームでお過ごし頂いている我が家です。


では

 

 

 



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