カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

悲しい出来事

2011年04月12日 | 王様

一週間程前、近所でとても悲しい出来事が有りました。

私の家の有るストリートのどこかのお宅で飼われていたプードルが2匹、

柵を越えて侵入したコヨーテに殺されてしまいました。

早朝5:30頃のことだそうです。

残念ながら、このような事件は今回が初めてではありません。


私の住む所は山の中でも野中の一軒家でもありません。

2年半前の大規模な山火事以来、山で餌を得られなくなった動物達は、

こんな住宅地にまでやって来なければ生きて行かれなくなってしまいました。

一週間も燃え続けた火事でしたから、

長期的に見れば、動植物が一番の被害者でした。

困った事に、コヨーテ達の行動は次第に大胆になっていて、

当初は人の気配がする場所には現れなかったのですが、

去年は飼い主さんが自宅のガレージでその手に抱いていたチワワを奪い、

その方の目の前で殺してしまうという、考えたくもない事件も有りました。


それ以来、多くの人にゴルフクラブを持って散歩するように言われました。

しばらくその言いつけを守っていましたが、ある時ふと思ったのです。

『仮にコヨーテが現れたとして、私はこのクラブを振り回したり、

コヨーテをぶん殴ったり出来るのかな?』

出来ませんよ。コヨーテが悪い訳ではないのですから。

私自身が生きる為に動物性タンパクを摂取している以上、

何故にコヨーテを責められましょうか?

彼らは生きる為に獲物を求めているだけです。

王様のことは、不詳ワタクシめが必ずやお守りせねばなりませぬが、

王様の命と同様、コヨーテの命も動物の神様からの恵みです。

そこでワタクシ、もっといい方法を模索しまして、

たどり着いたのがこちら。

王様ちょっとどいて下さい。 カメラが嫌いなのではなかったのですか?

 


熊よけのペッパースプレーです。

 

色々な種類が出ていてどれを選んだら良いのか迷ったのですが、

実際に山で熊に襲われ、九死に一生を得た方が開発したこちらに決めました。

その方は人間がパニックになった時にでも使用可能なものを作りたいと思われたそうです。

こちらを購入しましたら、練習用の無害なスプレーが付いて来まして、

プールに向かって噴射してみました所、驚くべき威力でした。

瞬間的には相手の目にかなりの衝撃を与える様ですが、

その後の生活に支障が出たり、命に関わるものではないそうです。

これなら私も使えます。たぶん。。。。。

もちろん、永遠に使うチャンスが来ない事を信じたいです。

さあスプレーも持ったし、王様お散歩に行きましょう。

王様も、のんきに笑っていないで周囲には気を配っていて下さいよ!

多くの人が自然が好きだと言います。自然の中にいると癒されると。

その『自然』とはいったい何を指すのでしょうか?

静かで美しい、間違っても自分に対して牙を剥く事の無いものを指すのでしょうか?

自分の家の庭に草木を植えて自然を取り入れた気分になったり、

数日間山に出掛けてキャンプやハイキングをするのも自然と親しむ事には違いないけれど、

自然は時に無慈悲で残酷で、人間に優しいだけのものではない事を知り、

節度や距離感のありかたや、畏怖の念を忘れたくないと私は思います。


人間の暮らしの中に自然が有るのではなく、自然の中に人間の暮らしが有る。

当たり前のことを忘れないでいたいと思います。

私は自然の一部をお借りして生きているのですから。

王様、サギがいましたよ!

 

 

 



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