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...ヨクノポリス...

おぷちまの愛と読書と物欲の日々。RもしくはX指定

イメチャの記10:基本のチャット術・入室とハンドルと。

2005-03-27 09:57:51 | ―イメチャ・他
 誰しも最初は初心者なので、辛抱強く対応するのが馴れた者のつとめである。しかし、初心者が初心者を抜け出そうという気概を持たない場合は、いくら辛抱強く対応しても無駄に終わる。
 向上心のある人に向けてなにか上達するためのよすがとなる読み物を用意するのも仕事の一環であろう。
 が・・どこから手をつけていいのやら? 「言葉はしかじか、仕草はかやうかやう」(どうも口調が時代ががる・・)と記したところで身にならないだろうし、個別対応は網羅できない。

 では、チャットそのものにどういう過程が存在するかを振り返り、そこに必要なことをたちどまって考えてみる。
 入るチャットルームを選ぶ。ハンドルをつけ、入室する。挨拶をする。先に誰かいれば初対面なりの常識によって挨拶する。その後は会話が続いている過去ログをざっと読み、会話に参加する。
 大体こうした流れをひとつのモデルとして、詳細に考えよう。

1:入室先の選択
 部屋の選定は大切だろう。自分の趣味にあった部屋があれば一番いいわけだ。願望を満たせる部屋でもいいが、とにかく自分が興味を全く持てないところをあえて選ぶのは良くない。入室した後で膨らんだイメージを吐き出すためには、なるべくその想像は大きい風船になっていた方がいい。自分にとって想像をふくらませやすい部屋はどこか。それをまず選ぶ。

2:ハンドルネーム
 ハンドルネーム(HN)。ハンドルに必要なのはまずそのチャットの基本的なルールをしっかり読み、それに沿った適切な名前をつけられるよう確認することだ。ハンドルに関して言及している一文がある場合、それに従うこと。俺がいくサイトは部屋ごとにルールを設定できるので、よく読まないとルール違反になる。
 初心者に限らずルール違反だけは絶対にしないことだ。相手にしてもらえない。
 それを理解したら、筆休めするようにじっくりハンドルを考えることをお勧めする。深呼吸して望めば恥をさらす確率は減らせる。2ショのノリで「失敗したら落ちればいいや」という安易な解決にならぬ解決をつづけると、お前はただのガッツき野郎といわれるうえに、今後どんなハンドルにしてもおそらく相手にされないだろう。
 ハンドルを考えるのが楽しいと思えるようになったらこんなブログ読まずにどしどし部屋に入ったらよかろう。
 名前の決定は「自己」の決定なのだと心得たい。

 どんなハンドルをつけたらよいかは個性に任せられる。しかし何らの変換もせずに安易に決めるべきではない。つまりひらがなのハンドルは嫌われる傾向が強いので、つけないようにする。何故か。
 ひらがなはキーを打ち込んでエンターすればすぐできる。手っ取り早く入室して話をするにはもってこいであり、考えないでつくれる。
 この、「手っ取り早い」とか「考えない」とか「いい加減」に入力するという態度自体が問題なのである。ひらがなのハンドルネームに罪はないのだが、そういう入室者たちはがっついて興奮しきり、女性への配慮が全くないので女性の評判がことのほか悪い。ひらがなのハンドルはすっかり悪の代名詞となっているのだ。
 従ってそれに巻き込まれないためには漢字のハンドルをつけるのがよい。
 しかし、漢字のハンドルをつけるにあたっても「手っ取り早く」という考えは捨てる。巧いハンドルをつけたとしても会話の態度に現れる。コミュニケーションはネットの上でも安易にできないことを承知すべきだ。
 漢字のハンドルをつけることになったら、さらにステップアップして「受け取る側の心理」を少し想ってみるといい。単純な名前は漢字であっても嫌われる傾向が高い。しかし複雑な漢字で読めない名前をつけても仕方がない。読解力の問題で、相手の知識にも依存する問題なのだが、初心者ならばそこまで凝る必要はない。むしろ思いやりを一番に考えて行動すべき。

 漢字のハンドルの付け方は、我々のようななれた者の間でも少し考えるべきことと思う。読みは変換候補に沢山挙がるモノではないものにしたいし、使用する漢字はあまり凝ったモノにはしない方がよい。この兼ね合いはなかなかに難しい。
 よくある名前だが変換候補がたくさんある場合(隆史(たかし))
 自分は読めないが、読めれば変換候補にあがる場合(瑪瑙(めのう))
 読めるが造語の場合。一回で変換できない(夕菜(ゆうな))
 造語なので一回で変換できず、読めもしない場合(麗藍(れいら))
 などなど、相手の配慮を考えるとこれはどうなんだ? と思ったら、そのハンドルはなるべくつけない方がいい。
 ただしそういうハンドルをつけても各人がそれを了解する空気があるチャットルームであれば大丈夫だろう。中の様子がうかがえるチャットなどであればハンドルに注目して、目安にするといい。

 そうやってじっくり考えて名前が決まったら、ルールにあっているかを再度確認してから入室する。

イメチャの記9:チャH、イメチャ、ナリチャ

2005-03-26 10:41:00 | ―イメチャ・他
 チャHとイメチャとナリチャ。厳密な分類に何か意味があるのかといわれても困るが、興味本位で分けてみよう。
 チャHとそれ以外はわりとわかりやすい線引きがある。それはログで表現される状況や描写が自分の現在の状態と密接にリンクしているかどうかだ。つまりキーを打ち込んでいる本人のことかどうか、これが二種の線引きである。あるシチュエーションに沿っているかいないかはさほど関係がない(例えば電車の中とか学校の教室とか)。
 シチュエーションも省き、あくまでモニタの向こうにいる本人の状況だけに注目するというのだけをチャHと称するのはいささか原理主義的に思える。それに沿った「オナ指示」なんてのも存在するが。本質的には打ち込んでいる人間がチャットで快楽を直接得るわけだ。
 チャHにシチュエーションを導入するとイメチャに近くなる。チャットルームにそれぞれ「電車内」「高層ビル」「病院」「学院」などとつけてあれば、入室したときそういう想像が涌いてくる。そういう想像に沿ってチャHをすれば、イメチャ要素が加わってくることになる。

 イメチャはチャHの発展ということができそうだ。シチュエーションの導入に「扮装」が加わる。例えば甲冑を着た騎士様、花売りの娘、部活にいそしむ高校生、などなど想像の翼が羽ばたくぶんだけ扮装は存在する。
 扮装しているのが自分の場合もあれば、自分に仮託したキャラクターの場合もある。また元々存在するアニメやマンガ、小説などの登場人物に扮する(いわゆる版権モノ)場合もあって、これはナリチャのはんちゅうと思う。
 いずれにしても、チャHより情景描写や心理描写など、チャットで表現する内容が増え、モニタの向こうの人物と直接会話する機会が少ないのがイメチャといえよう。最近は凝ったシチュエーションやキャラ設定の比重が高くなってきており、ナリチャとの区別がつけがたくなっている。

 ナリチャは・・どこでなりきりチャットなどという名前が出てきたのかは知らないが、モニタの向こうの人物とは接点がない。キャラクターとは全くリンクしていないので、例えばオフなどで逢うなんてことが逆に頻繁におこなわれているようである。MMORPGの隆盛のおかげでナリチャを体験する下地がすでにできている人も多かろうし、逆も多いと思う。
 それはさておき、なりきりチャットはその名の通りなりきることが主眼である。イメチャの場合本人のコメントがチャット中に入ってきたり、チャットの最後で「お疲れ様でした」などと言葉を交わし合ったりすることが比較的多いが、ナリチャはそういうのが一切なく、むしろナリチャで部屋に入ったら、出て行くときも最後までナリチャのままであって、そこに本人同士の言葉はほとんどない。
 自分で作り出したキャラクター(あるいは既製の著作物からのキャラクター)にあくまでなりきり、演じる。完全に面を被った役者である。イメチャの要素を煮詰めて抽出したようなイメージ原理主義的なのがナリチャであろう。だからイメチャとナリチャは厳密にその分類を試みることが難しい。

 ただしイメチャとナリチャは性別のあつかいにおいて結構な差異がある。イメチャで本人が男性なのにキャラは女性となるとネカマと称されるが、ナリチャではおそらくそうはいわれない。了解があった上でそういうキャラクターを作るのであれば認められるはずである(たいていボーイズ・ラブというジャンルから発生しているのでネカマなんぞあんまりおらんとは思うし、多分モニタの向こうの男女の区別も付かないだろうと思う)。
 イメチャも了解があれば認められると思うが、そういう例は聴いたことがない。

 ネット人口が増えた結果、どうやらシチズンとネチズンは違うらしいと気付いたのかも知れない。モニタの向こうに自分がいてそれをチャットの場でだすのではなく、ネチズンとしてもっと自分の描きたい世界を描ききれる場が欲しい――自分の理想的人物をこまかく設定し、それに浸りつつ文章をつづる。相手へログを送ることの快楽、自分の設定になりきる快楽を得られるような――。
 それを実現できるのがナリチャの世界だと思う。外から覗いていると本当にその想いが強い。イメチャはごっこ遊びといわれたものだが、ナリチャはごっこ遊びの強化版とでもいおうか。

 思いつくまま書き述べてみたが、これは修正する必要があるだろうな。思い出しつつ書いているし、全く吟味してないし・・あながちウソではないと思うけども。

 チャHとイメチャ・ナリチャで副産物的に浮かび上がる線引きは性行為があるかないかもあげられよう。チャHというからには必ず性行為がある。雑談は雑談だが、チャHといったら雑談とは完全に線が引かれている。
 イメチャとナリチャは必ずしも性行為が伴うことはない。なったキャラクターの言動や行動が性行為抜きの場合を例えば雑ロールなどと呼んで区別する。「雑談」は動かしている本人同士のおしゃべりになるわけだ。役者の楽屋といえば良かろうか。

 分類したからなんだッてんだ? と本当に思うが、意味をもたらすためのメリットデメリットの分析は俺のナリチャ経験が少なすぎるからやれない。
 ひとつ言えるのは、そういう種類に応じた雰囲気や慣習があるので、そこををさをさ心得よってことだな。

 俺は何かになりきりたいんじゃなくて大人の会話をしたいので、正直ナリチャサイトにいっても楽しめないんだな。求めるものとナリチャの方向性が違うのだ。
 艶を含む笑い、男と女が色を語りあうという粋を楽しみたいんだ、俺は。そういう場所が本当に少なくなったが。