松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆1.動く協議会型自治組織づくりのヒント(コミュニティ政策学会研究会から)

2022-11-20 | 新たな自治組織ができるまで
 コミュニティ政策学会関西支部の研究会に参加した。何かの縁で参加して以来、ずっと参加している(次回は私が発表する)。

 この日は、大阪経済法科大学客員教授の金谷一郎さんの発表があった。金谷さんは、大阪市の区長をやった人で、実践的な方である。多文化共生をテーマに、大阪市生野区御幸森で行われている多様な主体の連携による組織づくりについての報告があった。密度の濃い報告だった(次回の私との差は大きそうだ)。

 金谷さんのテーマは多文化共生であるが、私は、この話を焼津市の新しい協議会型自治組織に当てはめながら、話を聞いた。とても参考になった。忘れないうちに書いておこう。

 1.中核的なコアメンバーの重要性
 ・まちづくりは、一気呵成にはできないので粘りが必要である。それには、思いのある人、やる気にある人でなければならない。経営者の要素も必要だとしている。リーダーシップである。
 ・一人ではできないので、数名のコアメンバーづくりが大事である。
 ・問題は、どうやって、そういう人を集めるのか。御幸森では、以前から、そういう人がいたとのことであるが、焼津ではどうしたらよいだろう。全部で13地区ある。そういう人がいる地区もあるが、これから集めないといけない地区もあるだろう。発見と育成を心がけるということだろう。
 ・いずれにしても、自由闊達に集まれる、話し合える機会、場づくりが必要だろう。その中で、自然に、コアとなる人が、固まっていくだろう。

 2.コアメンバーが夢を語る
 ・このコアメンバーが語るべきことはたくさんある
  ❶金谷さんは、妄想と言っていたが、さまざまな条件を置いておいて、こんなだったらいい、こうあってほしいと夢を語る。
  ❷まちづくりコーディネーターの役割は、この自由闊達な議論の後押しである。
  ❸自由な議論の中で、新しい組織の意義や目的を決めていこう。条例づくりで言えば、目的のようなもので、ここがしっかりいないと、次に進めない。途中でフラフラする。
  ❹その中で、新しい組織のルール・「新しい暗黙知」もつくっていこう。自分の団体はこうだったという呪縛を説かなければならない。新しい組織にふさわしい暗黙知である。
  ❺それを契約書のように文書化する。これは金谷さんから学んだ。オレは聞いてないよと言うのを防ぐためである。

 3.参加団体集めである。
  ・新しい組織への参加団体の標準例はあるだろう。ただ、新しい組織の意義や目的が、それぞれ違うのであるから(地域の特性も違うから)、新しい組織への参加団体は、一律同じではない(ここは大事だと思う。役所で考えると一律性になりがち)。
  ・大事なのは、2の夢に共感、共鳴することが参加の条件である。
  ・Win・Winでないとダメだろう。
  ・これら団体で、新しい組織の母集団を構成する。

 4.活動
 ・活動は、それぞれの強みを活かす。それぞれの強みを発揮できるようにすることが大事である。
 ・ただ集まるだけでは、形だけになってしまう。こどもや高齢者保護など、個別テーマでともに活動すれば、やった感も一体感が出てくる。自信もつく。新しい組織ごとに、共感、共鳴できるテーマから始めるといいだろう。

 5.拠点
 ・集まり、議論できる場が必要である。焼津では、公民館がある。新たなあり方を模索しているのでちょうどよい施設である。
 ・この公民館のあり方も標準例はあるが、それぞれの地区の特色にあわせた、バージョン変更の余地は残すべきである。
 ・その施設の設備や使い勝手は、母集団で議論する。自分たちの意義から考えて、こういう設備が欲しいと決めていく。ここでも一律同じではないということが大事だろう。

 6.収益活動
 ・行政におんぶにだこではなくて、自分たちでも稼ぐ。この視点も忘れてはならない。
 ・こんな設備にする、こんな活動をするということで、クラウドファンディングなども、大いにやったらよい。
 ・いずれ、新しい組織の法人化なども、考えていくべきだろう。
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