松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆審議会の作法㉓公募委員の併任・再任(三浦半島)

2019-12-17 | 審議会の作法
 公募市民委員は、原則1委員会、再任はできないのが当たり前かと思っていた。

 相模原市では、そうであり、他に委員をやっていないか、事前にきちんと審査する。つまり、これを情報としてきちんと把握し、管理しているセクションがあるということである。

 かつては、同じ人がいくつも委員をやっていた。どこに行っても同じ人という弊害があり、極端な場合、その人が、市政の決定を左右してしまうことになる。そのために、いい人が出れないということになれば、最悪である。

 それをあらためる動きが、自治基本条例の制定で、市民の市政参加を進めるために、公募委員の要綱をつくり、基本方針を定めることになる。市民参加の推進を行うために、真っ先に始めることのひとつである。

 いつまでも同じ人が居座るのを防ぎ、新たな力を導入するには、こうしたルールがなければ、できないだろう。使えない人が委員でいて、次期も希望したとき、なぜ、やめてもらうか、説明が苦しいだろう。また、恣意的な運用だとの疑念が生まれてしまう。役所に都合のよい人だから、長くやってよく、都合の悪い人だから、1期で替えられたという不信が生まれてくる。

 実際、行政にとっては、良く知っている同じ人ならば、ある意味、安心だし、緊張もしなくなるが、それが、行政の停滞にボディブローのように効いてくる。

 大きな方向としては、もはや税金だけではできない時代にあって、知識、経験、行動力がある市民を巻き込まなければ、まちが生き残れない時代において、新たな市民を発掘し、活躍してもらわなければいけない。もう後がないので、市民公募委員の併任、再任についても、それぞれの町ごとに、きちんと考え、きちんとした方向性を出す必要がある。

 自治体の状況はどうなっているのだろう。ネットで「公募委員 再任」で検索したら、一番最初に野田市が出ていた。ここでは基本方針を定めたようだ。

 再任・併任については、次のように書かれている。
 「多くの市民の方に参加していただくため、公募委員は、原則として複数の審議会等の委員を併任することはできないこととします。また、公募委員は、連続して同じ審議会等の委員に任用できないこととします。
 ただし、総合計画のように委嘱期間を超えて計画を策定するなど、特別な事情がある場合には、例外として再任することができることとします」

 原則、1委員会、再任は不可としている。

 その次に出てくる米子市は、
 「複数の審議会などの委員に重複して選任する場合の件数は原則、4件以内とする」。
 委員の再任にあたっては、「その委員の適性を再評価し、安易に自動継続的な再任は行なわない」としている。
 
 こちらは、4委員会まで行けて、再任も原則できるという運用になっている。

 その他、ざっと見たところでは、さまざまで、全体の相場はできていないようだ。自治体の規模や状況によって、現実的対応をせざるを得ないからだろう。

 実際、併任・再任が禁止されたら、新たな市民を一生懸命発掘し、新たな発掘方法も、開発されてくるように思う。窮すれば通ずである。

 つまり、さまざまな答えがあってよいと思うが、市民参加を推進するためには、多くの市民の参加してもらうことが大事である、この点をしっかりと基本に据え、そのうえで、そのまちにふさわしい運用基準は何かを考えていく、そうした考える機会をつくることが、まず必要だということである。

 
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