松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆空き家協議会(小田原市)

2020-12-02 | 1.研究活動
 今年度の空き家協議会があった。

 空き家協議会は、空き家法のつくりで、市長さんがメンバーに示されているから、協議会には市長もメンバーになり、市長が入れば、一番偉い市長が会長になるというパターンが多い。

 小田原市は、私が会長で、市長は一メンバーになり、実質的には、会議には参加せず、そこで、答申を受けるという立場で関わることになる。市長に答申をする協議会のメンバーに市長が入っているほうが、むしろ不自然なのだろう。

 基準作りのときは、学識者も出番があったが、運営段階になると、事務局を追認に、多少のアドバイスをすることで終わってしまう。

 この日も議論になったが、空き家に対して、指導をすることになるが、これは担当者でなければできない。指導も大変である。

 建物の所有者の確認も、実に大変である。昭和の初めに相続があると、相続人は、22人に膨れ上がっている。空き家を処理するには、この22人の了解が必要になる。

 元は家族とは言っても、顔を見たこともない人もいるし、そもそもそんな親戚がいることも知らないときがある。それらが全員合意して、空き家の措置をするには、気の遠くなるような作業が必要になる。

 こうした作業を空き家だけではなく、用地賠償や処理で、行っている。所有権の絶対性、ここに極まりといったもので、社会全体では、途方もない作業に、膨大なエネルギーを使っている。

 携帯電話の通話料などといった、民間経営に委ねる部分に、国家権力が手を出すのではなく、こうした所有権のあり様といったものこそ、国が取り組むべきことだと思う。

 空き家といっても行政代執行には簡単にはならないので、地道で粘り強い調整が必要になるが、やや気の遠くなるような虚しさを感じた会議になった。

 終了後、タクシーを待っていると、一緒に研修したM君が、会議室に訪ねてきた。どこからら、今日、私が来ると聞いて、待っていてくれたらしい。しばし、面白い話をしたが、今度、リモート飲み会をやることになった。
























 


 
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