松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆街頭アンケート - 議会をどう活かすか(相模大野)

2011-05-28 | 1.研究活動
 最近の関心のひとつが地方議会である。考える方向は、議会をどのように活かすかである。
 地方議会に対する見方は、両極端である。
 一方では、市民が主体的に市政にかかわるという近年の流れは、「議会の役割、権限をないがしろにする」という議論である。しかし、この議論には、議会が市民とかい離しているから、市民が出ざるを得ないのだという反論がある。むろん議会側にも言い分があり、市民のほうにも問題があるという反論も一理はあるが、それ以上に、議会はたくさんの問題を抱えているというのは間違いないだろう。議会が市民から信頼されなければ、「間接民主主義が基本だ」という議論は説得力を持ってこない。
 他方では、議会は不要で、市民が直接決定したほうがいいという議論もある。住民投票制度への期待である。しかし、期待度が高い住民投票には、いくつかの課題があるが、構造的な弱点は、最後は数で決めるという点である。これは、少数者が数の力でねじ伏せられてしまうということであるが、私たちの社会は、少数者の思いを大事にする社会だったはずである。
 そこで、まず行うべきは、地方議会をその持てる能力を最大限に発揮してもらう組織になるように励ますことである。議会の強みは、多様な価値を体現する議員で構成されている点であるが、この強みを活かせば、少数者の思いを大切にする社会(憲法13条の個人が尊重される社会)を実現することができる。そのためには仕組みが必要であるが、その仕組みを提案しようというのが、私の関心事である。
 こうした背景もあり、今日は、ゼミ生と街頭アンケートを行った。学生たちにはとっては、共同研究(卒論)の素材になる。市民に聞きたかったことは、地方議会に対する市民の投票行動。市民は、何を基準に投票するのかである。これを調査し、そのうえで、市民が議員としての能力や政策を基準に投票するようになるには、どのような仕組みが必要なのかを提案したいと考えている。
 今日は雨のなか、大学がある小田急線相模大野駅に4年生のゼミ生全員が集合した。学生たちは、緊張気味に、アンケートをはじめていたが、どんな結果になったのだろうか。終了後、いつものように、にぎやかな食事会になったので、全体の答えは誰も知らない。次のゼミの時にお楽しみである。
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