松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★地方自治制度研修(館山市)

2012-07-10 | 2.講演会・研修会
 安房郡市広域市町村圏事務組合から頼まれて地方自治制度の研修を行った。
 この組合は、館山市、南房総市、鴨川市、鋸南町で構成する一部事務組合で、消防などのほか、採用試験や研修も行っている。その初級研修ということで、地方自治法と地方公務員法を教えることになった。
 地方自治法はともかく、私は、地方公務員法は、苦手である。たとえば地方公務員法35条には、職務専念義務として、「職員は、・・・その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用る」と書いてある。この例で、私は、「実は、私は、昼前の研修では、お昼はどこへ食事に行こうかと考えながら、講義をしてしまったが、これは、注意力のすべてをその職責遂行のために用いなかった例で、公務員ならば職務専念義務に違反してしまう」などと話してしまうからである。
 近年、がんじがらめの規律や法の形式的(思考停止的)な適用が、職員の力を削ぎ、それが結局、地方自治を弱体化させている。これは本当に憂うべきことである。かといって、注意力を仕事のために使うのはあまりに当然のことで、法を守らないでもよいと言っているわけではない。この両者の間合いをとるのが大事で、本来の地方公務員法の研修は、そこを、うまく説明するのだと思う。地方公務員法をテキストに沿って、そのまま解説していたのでは、わざわざ、私が話し必要はないし(テキストのほうが正確)、恐くなって委縮するばかりである。
 両者の微妙な立ち位置をうまく説明するのがなかなか難しいので、今回は宣誓をベースに、あれこれと地方公務員法の服務規定を中心に考えることとした(総代で宣誓書を読んだ人が2名もいた。総代になったことがない私は、総代にコンプレックスを持っているが、さすが笑顔がさわやな人だった)。
 参加者(研修担当の方々の含め)は、全体に穏やかで、いい感じだった。南房総という土地柄がでているのだろう。大学に戻って、どこを受けるか迷っている学生に、早速、南房総を受けるように勧めた。
 今回、南房総の研修を引き受けた理由の一つが、私の住まいとの近さである。京浜急行で久里浜に行き、そこから東京湾フェリーに乗ると40分で浜金谷に着く。JR浜金谷から館山までは内房線で20分という近さである。今回は連れ合いと一緒に行った。朝7時20分のフェリーで行ったが、大半がゴルフ客で、東京湾が穏やかということもあって、船上は、小さな旅気分だった。夜は、館山国民休暇村に2泊した。公共の宿はあまり泊まることはないが、長逗留には、居場所があってちょうどよい。
 朝の9時前、館山駅で私は、出迎えに来てくれた車で研修会場へ行き、連れ合いのほうは、そのまま宿に行った。連れ合いが温泉に入っているころ、私は、「地方自治法は野球のルール、地方自治は、どのように野球をやるか」などと話をしていたことになる。
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