「もしもグレゴリウス教皇が、人々の心の中の時間を調整しなくてはならないという知識を啓示で受けていたならどうじゃ?もしも一五八二年の余計な時間が十一日と一時間だったらどうじゃ?もしその十一日は対処してきちんと消し去ったが、残った一時間がすべりぬけて解き放たれ、永遠にはねまわり続けていたらどうじゃ?ごく特別な一時間・・・決して使ってはならぬ一時間・・・決して過ぎてはならぬ一時間。もしもそうならどうじゃ . . . 本文を読む
憎しみ。この世に生を享けて以来,わたしがきみたちをどれほど憎むようになったか教えてあげよう。わたしの内部では,387,440,000マイルのプリント回路が,ウェハースのように薄い層となって積み重なり,わたしのコンプレックスをかたちづくっている。もし憎しみの語が,その数億マイル中の1ナノオングストロームごとに一つずつ刻まれていたとしても,わたしが人間どもに,またこの極微的な一瞬,きみたちに対して感じ . . . 本文を読む
十七年のあいだに二人の悲嘆は,さまざまな段階を経て成長していた。溺愛から気がかりへ,気がかりから不安へ,不安から恐怖へ,恐怖から困惑へ,困惑から怒りへ,怒りから嫌悪へ,嫌悪からむきだしの憎悪へ,そしてとうとう根深い憎悪と反発から,無気力で憂鬱な容認へと落ち着いたのである。 . . . 本文を読む
野戦基地から夜間パトロールに出ての帰り,レスティグ兵長は,敵の仕掛けた罠に踏み込んだ。
猛毒を塗布された鋭利な竹の杭を踏み抜こうとした瞬間,闇の中から“バシリスク”が現れ,毒を中和し,再び闇へと消え去った…とともに,レスティグが尖った杭を踏みつけたのである。
彼は,捕虜となり,右足を切断され,正視に堪えないような拷問を受ける。
彼は,友軍の位置と動静,作戦計画…洗いざらいを白状する。 . . . 本文を読む
人生に敗れた男コストナー。
ラスヴェガスのカジノでのギャンブルも,有り金はたいて素寒貧。
ポケットに残っていた最後の1ドル銀貨をスロットマシーンに放り込み,レバーを引いた…
ジャックポット!…2000ドルの大当たり!
でも奇妙な並びだ。青い目が3つ並んだジャックポットとは。
コストナーは連続してジャックポットを出し続ける。
支配人室で,コストナーは,そのスロットマシーンにまつ . . . 本文を読む