音楽一期一会

大人のピアノ教室講師の日々を綴ります

ヴァレンタインコンサート

2021年02月20日 | 大人のピアノ

本日は
大東楽器主催「ヴァレンタインコンサート」に
出演される生徒さんの演奏を聴きに行きました

昨年は一昨年の震災のために
古川橋ルミエールホールが使用できず
寝屋川市立市民会館で行われました

思えばそれはコロナ禍によって
全ての会場がクローズになる直前の
ぎりぎりのタイミングでした

そして
これまでに誰も体験したことの無い
不思議な一年が過ぎ
本日はなんとか無事に
ヴァレンタインコンサートが開催されました


2年ぶりに訪れた古川橋ルミエールホール



レセプションホール前の
落ち着いた雰囲気のロビー


ホールの天井が以前と変わりました

椅子はソーシャルディスタンスをとって
並べてあります



N様 歌劇「セルセ」より「オンブラマイフ」

プラタナスの木陰への愛を歌った美しいアリアです

色々な楽器で演奏されることのある曲ですが
ピアノで演奏する難しさは
和音を美しく響かせながら
右手の主に小指で旋律を歌うこと


Nさんはいつも
ご自分の音をとても良く聴いて丁寧に弾かれるので
その心が伝わってきます



K様ご夫妻 あの日にかえりたい

言わずと知れたユーミンの名曲

”青春の 後ろ姿を 人は皆 忘れてしまう
あの頃の私に戻って あなたに会いたい”


奥様お手製のペアセーターを着てのお二人は
学生時代からの長い間柄

他の追随を許さない絶妙なハーモニーで
会場を魅了していました




W様 タンゴ組曲「スペイン」より

アルゼンチン発祥のタンゴのもつ
独特のリズムを左手で鳴らしながら

右手はロマンティックに
また時にメランコリックに奏でるのは
なかなか至難の業


Wさんは普段クラシック曲を練習していますが
今回はいつもとは少し違ったジャンルで
頑張りましたね



来年もまた
このヴァレンタインコンサートで
たくさんの皆さんの演奏を
聴かせていただくことができますように!




『大人のピアノ~チャレンジコンサート』⑧

2021年02月13日 | 大人のピアノ

前回の続きです

世界的な感染騒動の中
第14回チャレンジコンサートを無事に終えて
ほっとしていた私の耳に

しばらくすると
生徒さん達からの様々な声が聞こえてきました


来年はもうコンサートは無いかもしれませんが
もしあるとしたら・・・この曲を弾きたいです!


やはり人前で弾くということは励みになります・・・
できたらコンサートは続けて欲しいです

発表会が無かったらあまり練習に身が入りません


こういったご意見の一方で

これまで十分頑張ったので
もう発表会に出るつもりはありません


私は自分で楽しむだけでいいので
発表会にはあまり興味はありません


こんな簡単な曲で発表会に出るのは恥ずかしいし(??)
かと言って
今更難しい曲を完璧に弾くのはしんどいので
発表会は遠慮します




このようなご意見もありました


それぞれにご本人にとっては
正直なお気持ちなのでしょう


ピアノに限ったことではなく
人は各自
そのあり方は自由でなければなりません


人の自由は最も尊重されるべきことだと
私は思っています



それでは
私自身の気持ちはどうなの?



そのことを今回あらためて考え
そして気づかされました



私はピアノを弾くのが好きです

一人で弾いているだけでも
時間を忘れるほど楽しいです

でも
人に聴いてもらうとなると
ただ弾くことだけに飽き足らず
何をどう表現するか色々模索し考えます

技術的にも妥協に流れずに
少しでも質の高い演奏をしてみたいと願い
自分の演奏力に磨きをかけます

その過程が
何よりも魅力的であり幸せなのです


実際に本番では
いくら練習したとしても
完璧ということはありません

意図していたことのどれほどが表現できたか
またそれが聴く人にどれほど伝わったか
それは詰まるところよくわかりません

むしろ最終的には
結果に必要以上こだわらないようにしています



強いて言えば
本番に向かって高まっていく過程を経て
二度と無いその本番を経験すること
そのチャレンジそのものが
私にとって最も輝いているのです



そしてその体験を
ピアノを愛する多くの方と
分かち合う喜び!



本番の緊張感を共に味わい
お互いに健闘を讃え合う幸せ!


このような世界を自ら体現し
素晴らしいと感ずる方がいらっしゃる限り
私は私のできることをさせていただく使命が
あるのかもしれない。。。

大人のピアノ教室講師として
仕事をさせていただき四半世紀

ありがたいことに
いつの間にか私は
そういった場を提供できる位置に
立たせていただいている!


そのことに
あらためて気づきました


15年前
「交流会」を始めたいと
私の背中を押してくれた一人の生徒さんは

その後
何年かたった時
突然ぷっつりとピアノから離れてしまいました


彼のおかげで
「チャレンジコンサート」は実現しましたが
もしかしたら
彼の求めていた「交流」と
私が理想とする世界との間には
微妙な違いがあったのかもしれません


それはそれで仕方がないことです



ピアノを弾くこと学ぶことは
ただひたすら音楽の神の前に謙虚にひざまずき
自分をありのままに表現することを
学んでいるようなものです

背のびをして
自分を実際以上に見せるものでもなく
逆に卑下するものでもありません

誰かと自分を比較したり
競争するものでは無く

そのような苦しみとは無縁の
心豊かな嗜みであり楽しみなのです


そのような姿勢でピアノに向かう姿

それこそが
美しい芸術だと私は感じます



ピアノの音が好き

ピアノで音楽を奏でることが好き

ピアノで自分を表現することが楽しい



純粋にピアノ大好きなあなた。。。


そんな方に『チャレンジコンサート』に
加わっていただきたい。。。



今私はこのコンサートを続けることが
もしかしたら自分の使命かもしれないと
気づいたのです



この『チャレンジコンサート』を
これまでの「クラス発表会」という枠を超えて


ピアノ愛好家の方が誰でも自由に参加できる

まさに
大人のための『チャレンジ』コンサートに

育てていくという使命。。。



こんな私の思いに共感していただき
参加してみたい方がいらっしゃいましたら
是非ご連絡ください!

「大人のピアノ~チャレンジコンサート」
今年は8月に開催を予定しています


楽しみにお待ちしていますwink


ido1926@gaia.eonet.ne.jp  原田




『大人のピアノ~チャレンジコンサート』⑦

2021年02月12日 | 大人のピアノ
前回の続きです

2006年に小さな産声をあげた
「チャレンジコンサート」は
色々な流れの中で
2018年には
「八幡市生涯学習センターふれあいホール」に
場所を移しました

そして
2020年には第14回目のコンサートを
6月に開催することが決まり
生徒の皆さんはコンサートに向けて
新しい曲を決めて走り始めていました


ところが2020年春
世界中に思いもよらない騒動がわきおこり
様々な活動が
相次いで縮小・中止されることになりました

ヤマハのレッスンもしばらく中断

その間も生徒の皆さんは6月に向けて
各家で一人コツコツと
練習をされていたことと思います


しかし結局
会場がクローズとなり
チャレンジコンサートは実施できないことになりました


開催予定だったコンサートを
そのまま中止とするか
時期を延期して実施するか・・・

先がどうなるのか見えない中
私は判断に迷いました

休講が続いていたヤマハのレッスンは
なんとか再開されることになりました
私は
コンサートを実施する方向で
前向きに考えることにして
とりあえず8月に会場を再予約することにしました


その手続きのために
ホール担当の方に会って打合せをした日

「あぁ・・・緞帳上げたい・・・」と

うなだれてため息をついた
舞台スタッフさんの表情が胸をつきました


そして結果的には
8月を迎える頃には世情に明るさがやや戻り

コンサートは無事に開催することができたのです


2020年8月
エントリーされた方全員に
無事に参加していただけたことが
何よりも嬉しかったです!


皆さんの演奏を聴き終わった時
私は「もうこれで十分。。。」と


何となく自分の気持ちに終止符を打っていました


3年前
楽器店を借りるのを諦めて
会場の相談にいったあの日

「やりましょうよ!」と背中を押してくれ

感染症拡大で
世の中の何もかもがストップしていた時

「緞帳あげたい・・・」とため息をついていた
あの舞台担当者の方に

「今年限りですみません・・色々お世話になりました」と
挨拶をしました


「ええっ・・・!?残念だなぁ・・・」という

彼の表情に後ろ髪を引かれる思いを感じつつ
私はホールを後にしました




『大人のピアノ~チャレンジコンサート』⑧


『大人のピアノ~チャレンジコンサート』⑥

2021年02月11日 | 大人のピアノ

前回の続きです

「チャレンジコンサート」という名前に変わり
クラスコンサートは新たな一歩を踏み出したのですが

その一年後
またしても楽器店との間で問題が生じてしまいました


実は
私は自宅でもレッスンをしていて
こちらでは独自に2年に1度のペースで
自宅生だけのアットホームな発表会を
開いていました


しかし
楽器店のサロンがとても魅力的な環境なので
希望される方に限って
自宅生も「チャレンジコンサート」に
参加していただけるようにしました


そのことでお店サイドから
ストップがかかってしまったのです

お店側の主張は
ヤマハ在籍生以外の生徒さんが入るのであれば
サロンの使用は許可できないということでしたが

私にはうなずくことができませんでした

なぜなら
通常お店のレッスン室は
レッスンで使用されていなければ
一般の方でもレンタル料を払って
借りることができるのです


押し問答をしても仕方が無いので
私は楽器店のサロンを使って
コンサートを開くことを断念しました

そして
以前から気になっていた
「八幡市生涯学習センターふれあいホール」に
問い合わせてみることにしました



200名ほど収容できるこのホールに
たった20数名でピアノの発表会をすることなど
なんだか無茶なことのような気がしました


ところが
実際にホールの方とお会いして
お話させていただいたところ

思いがけないことに
「いいですよ(^_^)是非やりましょうよ!」と
温かい笑顔で励まされ
背中を押していただきました

おまけにホールの使用料は
意外にも安くてほっとしました

正に”案ずるより産むが易し”でした

こうして
第12回チャレンジコンサートは
この「八幡市生涯学習センターふれあいホール」にて
開催することになりました


2018年 7月 第12回 チャレンジコンサート

たった20数名だけで
このような素晴らしい場所で
演奏を楽しむ贅沢・・・

美しいピアノの音色が
ホールいっぱいに響きます

何だか生徒さんの演奏が
普段の何倍も素敵に聞こえました


一年かけて練習を積み重ねてこられた
一人一人の指から生まれる音の連なりに
それぞれの人生を感じ
私は幸せな気持ちに満たされました


色々なことがあったけれども
ここに来るべくして来たのかな・・・

生徒さんの演奏を聴きながら
そんな感慨に浸っていました



このような素晴らしい発表の場を得たことを
生徒さんも私も共々に喜び

その翌年も引き続き
この「八幡市生涯学習センターふれあいホール」にて
第13回チャレンジコンサートを開催しました

コンサートの後は
全員そろって近くのお店に移動し
緊張から解放されて和気藹々のひとときを楽しみました

そして
打ち上げ会では口々に
「また一年がんばりましょう~!」と
翌年のコンサートに向けてエールの交換をしました


しかしあの日私達は
その一年後に
世界がどんな状態になっているかということなど
誰一人想像すらできませんでした・・・



『大人のピアノ~チャレンジコンサート』⑦



『大人のピアノ~チャレンジコンサート』⑤

2021年02月10日 | 大人のピアノ

前回の続きです

楽器店のリニューアル工事は
ほぼ一年かかりました


そして
ようやく仮住まいを出て
新しい楽器店でのレッスンが始まった直後
私達は
新しい「サロン」を借りて
記念すべき第10回目のクラスコンサートを開きました

ラッキーなことに
このサロンでの初めて行われたイベントは
私達のコンサートだったそうです

ほどよい広さ
明るく清潔感のある壁
行き届いた照明・・・



2016年 6月 第10回クラスコンサート

しかし
良いこと尽くめではありませんでした


新たに設置されたピアノが
良いピアノでありましたが
まだ新品だったので
ペダルが重くて固く

この日のコンサートでは
皆さん全員が
ペダルと孤軍奮闘するはめになりましたhekomi

とは言え
このようなサロンが出来たことを
私達全員とても嬉しく思っていました

そしてその後も当然
この『サロン』を使わせていただく
つもりだった私達ですが
一年後
思いがけないことが起こりました


このサロンをレンタルするにあたっての
楽器店の対応に変化があったのです


まずはレンタル料についてです


前回の第10回目の時は
リニューアル直後だったため
レンタル料についてはまだ未定で
以前の旧サロンのレンタル料のままでいいと
言われました

ところが
その後レンタルの金額と扱いが
他店のサロンと同じ条件になるよう変更されたのです

金額は以前よりも
ぐんと跳ね上がりましたが
楽器店にも”大人の事情”があることでしょうから
それは致し方ないこと

参加される生徒さんの負担を
少しずつ増やすことで了解を得て
対応させていただくことにしました

それともう一点

生徒さんの発表会は
会社主催のものだけに限定し
講師主導の「クラス発表会」は
無くしていくという
会社からの通達があったようなのです


担当のスタッフさんも言いにくそうに
されていました

それでも皆さん楽しみにしていらっしゃるし
何とか開かせていただけないかと
こちらも引き下がらずにいましたら

「クラス発表会」ではなく
「弾き合い会」だったらいいかも。。。と


まるでとんち咄の一休さんのようなことを
仰います


なるほど。。。


ということで
「クラスコンサート」ではなく

『チャレンジコンサート』kirakira2

とタイトルをあらためて
ようやく
サロンをお借りする許可をいただきました



2017年6月 第11回『チャレンジコンサート』

こうして
「チャレンジコンサート」と名前もリニューアルして
新しいサロンでの2回目のコンサートを開き
問題は一旦解決したように見えました


ところがその後さらに
思いがけない展開が待ち受けていました


『大人のピアノ~チャレンジコンサート』⑥