こんにちは、ふとんや元店長です。
本日は手元の気象計によりますと、
午前四時現在、気温十七度、湿度四十%、
最も寒くなりがちなこの時間で十七度は相当暖かくなったという印象です。
寝具店を経営していたときに、
ある意味では最も説明する機会が多かったのが、
寝装の西川にも色々ありますよ、というお話でした。
コレは特に羽毛ふとんの話をしているときに出易かったのですが、
例えばお客さんと羽毛について商談の様なものをしている最中、
私はあと何分でこの方との会話を切り上げようか、計っている訳です。
羽毛を(本当の意味で)売れるスタッフはうちの店には二人しかいませんでしたし、
羽毛を真摯に売ろうとすれば一枚あたり場合によっては二時間掛かります。
そうすると回転が気になるもので、
今目の前でお話しているお客さんの様子を勘案して、話をする時間をある程度決める訳です。
羽毛ふとんの購入を気にし始めた段階の方と、
羽毛ふとんを今日明日中に購入しなければならない方とでは、
そもそも真剣度が違いますから、まだ熟していない方にはサラッと勘所だけ話します。
しかしどんな方にも絶対に付け加えていたのが、
「羽毛を買うなら東京西川のさえ買ってもらえれば、どこで買っても(値段以外)一緒ですよ」
という感じのものです。
これを言うと大抵のお客さんはもう分かってくれていて、
「西川でしょ、知ってるから」
なんていう風に十中八九は返してくれます。
ただこのお答えは実は肝心なところが抜けていて、
「京都でもなく、大阪でもなく、昭和でもなく、東京ですよ」
と私はいつも念を押していました。
何故東京なのかは私の個人的な感覚という事で置いておいて、
今回のテーマは東京・大阪・京都・昭和、そして日本橋・心斎橋です。
六つの西川は先ず、
「東京・大阪・京都・昭和」のグループと、
「日本橋・心斎橋」のグループとの二つに分けられます。
前者は寝具メーカー、後者は寝具販売店です。
普通「西川のふとんを購入した」と表現した場合には、
西川のお店で買ったという意味ではなく、
西川製造のふとんを買ったという意味合いになろうと思いますので、
ここはしっかり押さえておいた方がいいと思います。
「日本橋・心斎橋」は売る方のおふとん屋さんなんですね。
一方メーカーとしての西川も、二つのグループに分けられます。
即ち「東京・大阪・京都」のグループと「昭和」です。
前者は三社で一応の連携関係にあり、後者はほぼ全く連携はありません。
例えば前項で紹介した「西川450年」の企画も、
三社が共同で行なっていますが、後者は参加していません。
西川を称する寝具メーカー四社の中で昭和西川は立ち位置が異なる、
という点は知っておくと万一役立つ事があるかも知れません。
それでは三社ならば大体同じかといえばそういうものでもありません。
「会社」というものをどう捉えるか、というのは色々な考え方があると思いますが、
株主が同じであっても、経営者が似通っていても、
我々末端の消費者からすると、やはり商品の個性の出方が最も重要です。
そこで個々の商品の構成や質の傾向などを見ますと、
個人的には三社の間には相当の隔たりがあると思われます。
これはどこが上で下だ、という話ではなく、要するに得意なジャンルが違う訳です。
例えば羽毛ふとんは私は東京西川が頭抜けていると思いますが、
マットレスのオーダーなどは大阪西川が熱心ですし、
上記二社が力を入れるウレタンマットを真っ向から否定しているのが京都西川です。
各社はそもそも製造工場からして全然異なりますし、
またメインとする販路もそれぞれバラバラですから、自ずと商品の傾向に違いが生じた形です。
従って寝具を選ぶ際、
西川ならいいか、というのではなく、
羽毛なら羽毛、毛布なら毛布、という様に、
各ジャンルごとにメーカーを跨いだ検討が出来ると望ましいです。
その為には仕入先を一社に絞っていない販売店はあり難い存在です。
いざ何らかの寝具が必要となった際には、その点を意識すると、
需要に噛み合った商品を探し易くなるでしょう。
販売店としての西川には、日本橋と心斎橋の二店舗があります。
このうち日本橋はかなり目立つところに位置する老舗ですが、
利点は上でも記した、複数メーカーの商品を同時に見られる点であると思います。
基本的に一社からしか仕入れていない販売店は、その一社の事はとてもよく言えますが、
比較能力に不安があると考えます。
性能さえ良ければ東京でも京都でも、西川でなくとも何でもかまわない訳で、
その為にも消費者としてはなるべく多くの選択肢を股にかけて選択したいですから、
少なくとも西川全社から仕入れをしている日本橋西川という店は貴重です。
という訳で、今回は何かと分かりにくい沢山ある西川という寝具屋について書きました。
寝具製造メーカーとしての西川が四社あるという事実は重要で、
ネットでもこの点については色々書かれていると思いますが、
少なくとも一つ言える事は、
会社が別である以上、品質が均一である事は絶対にありえないという事です。
なので是非、必要の際には各社あれこれ見てみて欲しいと思います。
※平成31年2月1日をもちまして、
東京・大阪・京都の三社は東京に統合され、西川株式会社となりました。
今後、地域性などの特性がどの様に発展したり毀損されたりするのか、
当ブログでは動静を注視していきます。
昭和西川/ダック85/中わた充填量1100g/日本製/150×210(SL)
18,177円(01/11/30/1300現在・以下同じ)
昭和西川/マザーグース93/中わた充填量1100g/日本製/150×210(SL)
35,743円
東京西川/マザーグース/中わた充填量1200g/日本製/150×210(SL)
55,987円
西川/あったか軽量2枚合わせ発熱毛布
3,723円
西川Air/ベーシック
41,800円
コメント有難うございます。
別件ですが、日本橋とは大阪のニッポンバシですか、東京のニホンバシですか?心斎橋が出てきてるから、大阪にあるお店なのですか?
コメント有難うございます!
♪さん初めまして。
京都西川も自分は取引してましたし、とてもいいメーカーだと思います。特に滋賀以西の方は西川というと京都を連想される様ですね。地域性が多様なのはとてもいい事だと思います(私も地域性には随分助けられました)。
日本橋についてですが言葉不足で恐縮です。日本橋は大阪のニッポンバシではなく東京のニホンバシです。
日本橋西川は東京駅にそこそこ近いところに位置してます。なお心斎橋西川は心斎橋筋の大丸の傍に位置しています。東西の両雄という感じでしょうか。
今後とも当ブログを宜しくお願い致します!
大阪西川を知らなくて、京都西川だとばかり思っていました。
大阪西川=西川リビングは西川の中では廉価版の気がしますが、お値段の割には悪くないと思います。
今、悪戦苦闘してるのが折りたたみベッドと2段ベッドのマットなんですが、他の日の記事探してみます。
またコメントでお尋ねさせていただくかも知れないですm(_ _)m
(バッタもんがあるのかないのかw)気になり検索していて、こちらにたどり着きました。
「西川」については勉強になりました。
ありがとうございます。
ところで、東京西川と東洋羽毛の羽毛布団では
どちらがお勧めでしょうか・・。
コメント有難うございます。
羽毛ふとんについては何処のメーカーさんもそれぞれに長所短所を持っているでしょうし「○○社より△△社の方が良いですよ」とは一概には言えないと思います。
ただ個人的に購入して使用しているのは東京西川産業の羽毛ふとんです(だけではないのですが)。
今はどこにいても買い物ができますから
目安を教えていただくのは大変有り難いです