goo blog サービス終了のお知らせ 

寝具の情報・ニュースまとめブログ

元・寝具店経営者の視点からふとんの使い方・選び方を発信するブログです。

枕を購入する際の選び方(1)~高さについて考える。

2019年08月03日 | 寝具の選び方


この頃、枕について取材を受ける機会が増えてきました。
これまで私は基本的には枕について触れてこなかったのですが、(注1
良い切欠とし今回は枕の選び方を基礎から考えていきたいと思います。

とは言えネットには既に枕についての情報が氾濫しておりますし煩瑣になりますから、
何故枕が必要なのか?
などの話は今回は飛ばしてしまい、速やかに本題に入って行きたいと思います。


1、高さについて

 枕の高さが合うかどうかはとても大切です。
 基本的には例えば仰向けの場合、後頭部→首→肩というS字曲線がどのくらいくびれているかで決まります。
 ただ首の付き方(角度など)には個々人によって違いがありますし、
 使用者のクセ、姿勢、敷寝具の柔硬度によっても必要な高さは変化します。
 そしてセオリー通りの高さの枕を得られたからと言って、
 使用者当人に馴染むかは使ってみるまで分かりません(好みの問題)。
 また体調の変化などもあり高さには柔軟性が求められます。
 購入時の高さ選択は違和感さえなければフィーリングで決めてしまって十分です。

お店での枕の高さの選び方
 店頭で枕の高さを選ぶ場合、
 一般的には自分が気に入ったと思った高さのやや低めくらいを狙って選ぶと当たりやすいです。
 これには色々理由があるのですが、
 一つには店舗まで移動して他人の店に侵入し、立ったまま枕を選び、それから試すので、
 店頭での試用は就寝とは全く状況が異なります。
 要するに店頭での購入者は緊張・昂奮・疲労の状態にあるので、
 少しもリラックスしておらず、強張った状態な訳です。(注2
 こうした状況下では購入者は比較的高めのものを気に入ってしまう傾向がある様な気がします。

 セルフで選ぶ場合、
 上記の様にやや高めのものを選んでしまう傾向が出ますので、少し低目を意識すると良いと思います。

 セミオーダーで店員さんのアドバイスを受ける場合、
 店頭のマットと自宅の敷寝具の傾向の差を意識した方が良いです。
 店頭にある体験者用のマットはハードに寄る傾向があります。
 ハードなマットで試した枕はソフトな敷寝具で実際に使用すると思ったよりも低く感じる事が多いです。
 低目を意識すべきだとすれば丁度いいね、と言えなくもないのですが、
 取り敢えず店頭の敷寝具と自宅の敷寝具は別物である、という点は留意しておいた方が良いです。
 この辺りの自宅使用品との感覚の差異は、
 気軽に店員さんに伝えていった方が望ましいです(多分聞かれると思います)。

 もし店頭のマットが硬すぎて自宅のものと全然異なると思った場合は、
 パッドを加えるなど、店員さんに頼んで調整してもらうと良いです。
 逆に柔らかすぎると感じた場合はもう少ししっかりしたマットレスでの試用を要望すると良いと思います。

 とにかくセミオーダーの場合は少しでも自宅の環境に近づける事が大切です。
 試用のマットレスはそのまま主力商品のサンプルを兼ねており、
 店側はあわよくば枕に加えてマットレスも売ってしまいたいと思っているので、
 店によってはパッドなどを加えるのを嫌がる場合もあると思いますが、
 それならそれで別の店に行ってしまえば良いでしょう。

 また店員さんには持論を曲げない頑固な方も少なくないです。
 これは性格というより場数(知識)の不足か利益誘導が主で、商売上しかたないと言えばそうかも知れませんが、
 店員さんと会話していて(こいつ人の話を聞かねーなあ)と思ったら早々に退散すべきと思います。

枕に高さの調整は必須
 枕の高さにおいて最も大切なのは、自分で調整できるかどうかです。
 これには幾つかの理由があります。
 先ず第一に、店頭で選んだ高さは自宅に持って帰るとイメージとズレている事が多いからです。
 セミオーダーであんなに話し合って決めたのに、
 いざ夜自宅で使ってみたらなんか違っていた、というのは往々にしてよくあります。

 そこでズレが生じた場合、自宅で改めて自分用に調整する必要が出てきます。
 またヒトが枕に求める高さは、体調によってもズレていきます。
 好調なときと疲労困憊なときに求める高さが違うのは勿論、
 ヒトの身体は日々少しずつズレていきますので、微調整は日常に必要不可欠です。
 卑近な例で言えば、私は酔っ払うと少し高い枕が欲しくなります。
 こういうときも高さの調整は必要です。

枕の高さ調整は簡単さが命
 そこで頻繁に行なわれる枕の高さ調整は、簡単簡便である事が重要です。
 よくパイプ枕などで、中身の出し入れで高さ調整ができますよ~などと言われますが、できません。
 顆粒状のものはこぼれるし、次回以降に再び取り上げますが頭部を載せた際に安定獲得まで時間が掛かるので、
 合ってる高さを探し当てる為の手間と時間が非常に沢山必要になってしまうからです。

 現在は高さ調整には「高さ調整シート」を用いるのが主流です。
 高いと感じたらシートを抜く、低いと感じたらシートを入れる、ものの数十秒で出来るので現実的です。
 少し前から例えばパイプ枕でも、上部の頭を載せる側はパイプ・裏側は高さ調整シート、というモデルが主です。

 但しシートは枕と同じ面積を持ったものである方が良いです。
 しばしば首側と頭頂部側を別個に高さ調整可能なよう、
 前後2分割されている調整シートを見ますが、これは避けた方が良いです。
 というのも前後2分割されたシートはどうしても中央部分のホールドが弱くなる為、
 頭を載せた場合にV字型に枕全体がくびれてしまうからです。これは意外に寝姿勢を悪化させます。
 尤も2分割された調整シートの片方しか使わない、という前提であれば問題ないかも知れません。

 ところで調整シートは何層くらいが適当なのか。
 調整シートを薄く多層入れればその分だけ細かい調整が出来るので良いように思われます。
 しかし調整シートは基本的には中わたにウレタン(またはポリエステルわたシート)を用いており、
 シートは薄く多層化すると矢張りV字にたわみやすくなってしまいます。
 確証は全然ないのですが経験的に10層とかはやり過ぎで、
 1層~2層くらいが適度、3層で限界なのではないかと思います。
 これ以上は頭部の重さに対してたわみが生じやすくなってしまうでしょう。
 また多層化が進めば進むほど側生地も多層化するので、通気性などに悪影響を与える可能性もあります。

 高さ調整の手法としては他に空気を利用するものなどありますが、現実的ではないです。

まとめ
 高さは一般的には「高」「中」「低」くらいに分類されています。
 購入時には低目を意識して選びましょう。

 高さ調整機能は必須です。しかし万能ではありません。
 例えば高さ調整機能を有する高さ「高」の枕を購入して思いっきり低く調整しようとすると、
 枕の側生地が異様に余ってしまうことになり快適さを損ないますし、
 逆は生地が突っ張ってしまいこれも不快です。

 もっともそんな極端な例は兎も角、
 違和感がそれ程なければ調整機能があり限り初期の高さはそこまで気にしなくとも大丈夫です。
 そして調整は簡単にできるものである事がとても大事です。


本当は枕の選び方について一挙に掲載する予定でしたが、
思いのほか文章量が膨大になってしまいましたので、分割掲載いたします。
次回は枕の形状について考えていきたいと思います。


注1
 何故枕について長く言及を避けてきたかと言いますと、
 現在、最善のオススメ商品を有していないからです。
 実は寝具店経営時代には完全オリジナルの枕を販売していたのですが、現在は廃盤となっております。
 結果として自分も枕難民になってしまい、現在放浪の旅を継続中です。
 なので今回は「どうやってベターな結果を求めるか」を考えていきたいと思います。


注2
 ご相談者の方と寝具店で寝具を試す際、
 最初のハードルはいかに試用者の方にリラックスしてもらうかになります。
 具体的には「気を付け」に近い直立不動の姿勢を寝た状態でも取ろうとしてしまう事が多いです。
 本人は全く無意識の事なので、第三者の目があれば問題ないのですが、
 単独で購入する場合は注意しましょう。
 試用マットレスの横に鏡が設置してあると自身の寝姿勢も合わせチェックしやすくて良いと思います。






アイリスオーヤマ 匠眠枕 高さ調整3通り
2,280円(31/08/03/1130現在、以下同じ)


西川リビング ピロギャラリーヨコ寝楽 高さ調節機能
5,830円


東京西川 そばがら枕 高さ(ふつう) 高さ調節可能
8,840円


西川リバーシブル枕(わた & パイプ) 高さ調節可能
9,655円


西川三社が統合-西川株式会社が誕生。

2019年02月02日 | 寝具関連ニュース


平成31年2月1日、西川株式会社が誕生しました。
これまで東京・大阪・京都の三つの西川は、
協定を結ぶなどしながらも現場や販売店では互いにしのぎを削りあうライバルでしたが、
恐らくは事実上東京西川産業が吸収統合し、西川株式会社となりました。

当面は各社既存のオリジナルブランドなどは継続していく模様です。
これは契約販売店などの都合もあり当然の処置ではありますが、
何年かの緩衝期間を置いた上で順次新ブランドに統一されていく事でしょう。
国内工場も整理していくでしょうから、3年~5年くらいで大きくラインナップは変化するものと思われます。
ユーザーとしては少しでも多様性を残して欲しいと願うばかりです。

その一方で三社が統合されて見分けが付かなくなると、
羽毛ふとんなんかは鳥渡困るかな、という気もします。
工場が違うので拘りがある方は製造プロセスまで問い合わせないといけなくなってしまいますから。
店頭の販売員の方に問い合わせても明瞭な答えが返ってくる事はないでしょうし、
QRとかで簡単に見られる様にしてくれると嬉しいのですが…。

さて、新生西川ではこれを記念して西川誕生際を開催します。
「夢のプレミアムセレクション」と題して、
グッズが当たる大規模な購入者抽選プレゼントキャンペーンです。
応募期間は2月8日~4月30日までの約80日間。
まだ現時点では始まっていないので現在検討中の方は少し立ち止まってみるのも良いかも知れません。

肝心の応募要件は、
「期間中に税込5,000円以上の対象製品を指定された店舗で購入する」事。
パナソニックの家電や元楽天田中選手の直筆サイン入りシューズなどが当たります。

また「アイスランド周遊クルーズ17日間の旅」についてはいますぐ応募が可能です。
応募要件はwebに記載されているクイズに答えるだけ。
こちらは西川製品の購入などの必要がないので、気軽に応募してみては如何でしょう。

寝具業界は西川三社の統合で新時代に入りました。
当ブログでは今後も動静に注視していきます。




【美しさを極めた羽毛布団】 東京西川 羽毛布団 シングル ダックダウン90% 1.2kg ≪2018-2019年企画商品≫ 「芽羽 (ジウ)」 こだわり安眠館オリジナルデザイン ウィルガ ベージュ 日本製 フレッシュアップ加工 抗菌防臭 サニタイズ衛生加工 側生地:綿20% 立体キルト 掛け布団 冬用 150×210cm シングルロング
クリエーター情報なし
東京西川

19,800円(31/02/02/1130現在、以下同じ)

【快適さを極めた羽毛布団】 東京西川 羽毛布団 シングル グース 日本製 ≪2018-2019年企画商品≫ 「CocoroNatureシリーズ Komorebi(こもれび)」 ピンク ジーリンホワイトグースダウン93% 1.2kg 側生地:綿70% 立体キルト フレッシュアップ加工 サニタイズ衛生加工 抗菌 防臭 掛け布団 冬用 150×210cm シングルロング
クリエーター情報なし
東京西川

39,800円

東京西川 [エアー01] マットレス 高反発 厚み8cm シングル 硬さベーシック グレー HVB3801001GR
クリエーター情報なし
AIR(エアー)

41,040円

西川リビング アクリル×ウール ハイブリッド 2枚合わせ毛布 AA1952 シングルサイズ 泉州 日本製 46992 アイボリー[72] シングル
クリエーター情報なし
西川リビング

8,639円


「東京西川 睡眠白書2018~日本人の睡眠調査~」が公開。

2018年11月08日 | 寝具関連ニュース


東京西川の日本睡眠科学研究序より、
このたび「東京西川睡眠白書2018」が公開されました。
pdfで72頁に及ぶ調査結果報告です。
web上で簡単に読めますので是非見てみて下さい。
基本的には関心のありそうな項目だけの拾い読みで十分だと思います。
ただ業界の方は全部目を通した方が望ましいかと思います。

見ていて単純に面白いのは第1章の第4項、第5項辺りでしょうか。
都道府県別や職業別の睡眠時間が出ているので「へ~」ってなります。

以下元店長が内容をザックリ紹介していきますが、
自分用のメモの様なものですので余り読み手の方の事を考えていないかも知れません。

構成としては全6章より成っており、
 第1章 睡眠の基本調査
 第2章 寝具の基本調査
 第3章 現代人の睡眠特徴
 第4章 寝室環境と睡眠
 第5章 「健康」の維持向上と「睡眠」の関係1
 第6章 「健康」の維持向上と「睡眠」の関係2
というものです。

なお調査方法についてはpdfに記載されている通りです。
バイアスがどの程度掛かっているかは各々でご判断下さい。

第1章の基本調査では日本人の睡眠に関する現況を概観しています。

 先ず
「不眠大国 日本! 約半数が不眠症の疑い」
と大胆に日本に於ける不眠の蔓延を謳っています。
 この調査は「アテネ不眠尺度」という不眠判定方法に基づいて行なわれています。
アテネ不眠尺度自体はピッツバーグ睡眠質問票などと並び定評ある調査方法の様です。
 調査を見ると20代~40代の現役世代で不眠の疑いが強い。
ただ当調査を自分でやってみるとわかるのですが、この調査だと不眠症の疑いのある者が多く出るのは必然でしょう。
現代日本の労働環境や通勤環境を考えると、特に勤め人が睡眠時間を確保出来ないのは当然ではないかとも思います。
また現代社会は非常に小回りを求められる構造であり、昔の労働者に比べて労働密度は明らかに高いと思われ、
これは不断の緊張を強いるものであるから、精神的な疲弊感が蓄積するのもまた当然です。
アテネ不眠尺度による不眠症多数派の形成はこの様な社会環境の影響が大きいと考えて良いでしょう。
 こうした改善の難しい環境に寝具はどの様に寄与していけるのか、考えさせられる調査結果です。

 第1項では総体として根本的な睡眠時間の不足が指摘されています。
睡眠時間に満足している人は7時間50分もの時間を取っている一方、
全く足りていない人は5時間46分しか時間を取れていないという結果が出ています。
特に子育てをしている女性の睡眠時間の確保の難しさが浮き彫りになっています。

 第2項では平日と休日の睡眠時間の違いが指摘されています。
休日の寝溜めの実存が改めて明らかになっています。

 第3項では若年層(20~40代)の睡眠に焦点を当てています。
特に2時間までが有効圏内とされる寝溜めを3時間以上行なってしまっている現状に警鐘を鳴らしています。

 第4項は「都道府県別の睡眠調査」です。
睡眠時間が最も長いのは
 「滋賀県」7時間18分
睡眠時間が最も短いのは
 「大分県」5時間55分
大分県は睡眠時間が短すぎませんかね…? 思い当たるところはありますか?
全都道府県の睡眠時間がランキング化されているので見てみると面白いかも知れません。

 第5項は「職業別睡眠時間」です。
職業別の就寝時間と起床時間は興味深い。最も朝が早いのは「会社勤務(管理職)」。
「会社経営・役員」も意外と朝が早く、重役出勤など今は昔という感じでしょうか。
そして「派遣社員・契約社員」も朝が早い。加えて上記の2つに比べて明らかに夜も遅い。苦労が偲ばれます。

 第6項は睡眠時姿勢について。
寝入り時、仰向けと横向きは半々、うつ伏せは少数。
仰向けと横向きが半々というのは割と意外です。横向きが多数派と言われていましたので。

第2章
 第1項は寝具の基本調査。
ベッド使用が56.2%。これはイメージ通りでしょうか。
 しかし驚いたのは「自分の使っている敷寝具を知らない人=27.1%」という数字。
これは思いの他皆さん自分の寝具を把握しているな、と感じました。
15年前なら50%は堅かったと思います。それだけ敷寝具に対する関心が高まったという事なのか。
それとも調査自体にバイアスが掛かっているのか。後者かなという気もします。
特に使用敷寝具の分類でボンネルとポケットが分かれている点に驚かされます。
項目を見るとスプリングマットレスを使用している方の4割がスプリング2種から選択している訳で、これは凄い。
自分はここ数年、取材先でボンネルとポケットの違いを把握している人に出会った事がないのですが…。
 他にも使用枕の素材、掛寝具の使用方法の比率、シーツの比率など興味深いです。

 第2項は寝具の満足度調査。
敷寝具及び枕への不満層は19%、満足層は51.5%。
敷寝具と枕を一緒に調査するのは奇妙なので次回からは分離すべき。
 掛寝具及びシーツへの不満層は9.5%、満足層は63.1%。
何度も何度も読み返したのですが、掛寝具とシーツが一緒に調査されています。
どうしてこんな調査方法を取ったのか、ここは真剣に問いたいです。
正直これだと何の参考にもならないのでは? 
仮にこの設問に対して不満層が5割いたとしたらどう分析するのだろう? 再調査必至では?
それは兎も角として全体的に寝具に対する不満が低いですね。

第3章 現代人の睡眠特徴

 第1項は体型別睡眠時間満足度について。
「痩せ気味」の人は「肥満気味」の人以上に睡眠満足度が低い。原因は不明。

 第2項は現代のお昼寝・仮眠状況について。
仮眠を取る人は全体の50%。男女差無し。
主婦・無職・フリー・在宅は仮眠率が高い。
派遣・契約・社員・経営・学生は仮眠率が低い。
同じ勤め人でも外勤に比べ内勤の方が仮眠率が低い。
 仮眠の8割が自宅。
女性より男性の方が職場で仮眠が出来る。
 いずれも想像していた状況と全く同じと言って良いと思います。

 第3項は配偶者との関係性と睡眠について。
睡眠時室内人数は1人が最多で59.5%。2人が30.9%。
同じ部屋で寝ている人は配偶者が81.6%、子供が33.9%。
同じ敷寝具で寝ている人は配偶者が32.8%、子供が15.4%。
 全くの余談ですが同じ敷寝具で寝ている人に「子供(大学生)」という項目があり0.2%あり、
どの様なシチュエーションでその様な状況になっているのか鳥渡まだ思い付きません。
 夫婦関係が円満だと睡眠に満足し易い。これは当然と思います。
「寝具の満足度が夫婦関係に影響」というのは流石に言い過ぎと思いますが、
中には配偶者が勝手に買ってきた寝具が心底合わないので配偶者に不満を溜めるケースもあります。
寝具店時代、この様な例は割と頻繁でしたので、購入を検討している方は先走りに注意した方がいいかも知れません。
あとは「シングル2つに分離したいけど旦那が同意してくれない」という悩み(不満)も多かったですね。

 第4項は眠りの阻害要因について。
「将来」「金」「健康」についての悩みで眠れなかった経験を持つ人が59%。
低い、と思いましたがこんなものなのでしょうか。

 第5項は眠る前の習慣について。
1位テレビ、2位パソコン、3位スマホ、4位読書。

第4章 寝室環境と睡眠

 第1項は寝室環境調査。
寝室をワンルーム・1Kなどの人を除くと寝室を有する人は89.7%。
 寝室に設置されているものでは1位エアコン、2位扇風機、3位テレビ。
エアコンは59.4%で低い様に思えますが、寒冷地などの存在を考えれば妥当でしょうか。
 そのエアコンの地域別設置率も出ています。
設置率は北海道7.6%、東北41.8%。これらは分かるのですが、
その他の全ての地域でエアコン設置率が70%に達している地域は無し。
マンションと一軒家などで環境は違うとは言え、真夏はどうされているのか? と改めて考えさせられます。

 第2項は寝室環境の満足度調査。
項目別に行なわれており、温度・湿度・静穏性・同室人のいびきや寝相・騒音・光など調査対象となっています。
不満の最多項目は矢張りというかいびき・寝相。次いで湿度。
湿度は同衾しているかでかなり回答が変わりそうなので、そこの数字も欲しいところです。
 なお寝室環境の不満点では騒音がダントツで1位。

第5章 健康の維持向上と睡眠の関係1

 第1項は健康グループ分析。
表題を見ただけで関心が薄れる章と思いますが、趣旨は、
「一般的な人々が健康に対して睡眠をどう位置付けているか調査」したのが本章との事。
 調査の結果、健康に対する態度から7つのグループに分類したという。
 ・第1群「運動・ケア」 若年中心でスポーツその他に積極的、健康に大なる問題がない集団。
 ・第2群「健康自己診断」健康・体調の管理調査志向が強く、60代以上にやや偏在。アンチサプリ・アンチスポーツ。
 ・第3群「健康バランス」食生活・運動・ケアなどにバランスよく積極的。遍く存在する。アンチサプリ。
 ・第4群「睡眠満足」  十分な睡眠、寝具・寝室にも配慮。正しい生活習慣至上。生活習慣の維持以外には否定的。
 ・第5群「食生活意識」 健康的な食生活を意識。健康診断やサプリに対しては懐疑的。
 ・第6群「サプリ活用」 サプリが大好き。運動はしない。40~70の女性にやや偏在。
 ・第7群「健康あきらめ」奔放な食生活と荒れた生活習慣を愛する。20~50の男性中心。
グループ分けした上で各集団の健康と睡眠への志向や満足度を調査している。
参考程度という印象。

第6章 健康の~2

 第1項は健康の維持向上に於ける睡眠の位置づけ。
睡眠を健康三大要素「栄養」「運動」「休息」のうちの休息と考えた上で、
その考えが実際に一般の人々の考え方とどの様に適合しているのかを調査したものという。
参考程度。


 以上、睡眠白書を概観しました。
結構面白い調査内容もあると思いますので、業界の外の方も見てみてもらえると良いと思います。
特に家庭内での話し合いの礎石にはなるのではないでしょうか。
というのも睡眠というのは他の人の不満が中々見えてこない、気付けない、そんなジャンルですので、
配偶者や父・母、子供たちなどが、こんな風な不満・不足を抱えているのではないか?
という想像力を涵養するのに大いに役立つと思います。
 睡眠や寝具の改善について家庭内の全ての方どころか、複数の方が関心を有している事さえ稀な中で、
睡眠環境の改善・変更の際に、問題共有化の一助となり得る調査であると思います。
 販売店でもスタッフさんのミーティングやオリエンテーリングで利用すると面白いかも知れませんね。
寝具需要の掘り起こしに下からの面白い提案が聞けるかも知れません。




【快適さを極めた羽毛布団】 東京西川 羽毛布団 シングル 日本製「CocoroNatureシリーズ Kagerou(かげろう)」 ピンク ダウン90% 1.2kg 立体キルト フレッシュアップ加工 サニタイズ衛生加工 抗菌 防臭 掛け布団 冬用 150×210cm シングルロング
クリエーター情報なし
東京西川

19,800円(30/11/08/0830現在、以下同じ)

【快適さを極めた羽毛布団】 東京西川 羽毛布団 シングル グース 日本製「CocoroNatureシリーズ Seseragi(せせらぎ)」 ブルー ジーリンホワイトグースダウン90% 1.2kg 立体キルト フレッシュアップ加工 サニタイズ衛生加工 抗菌 防臭 掛け布団 冬用 150×210cm シングルロング
クリエーター情報なし
東京西川

29,800円

東京西川 羽毛布団 日本製 ブルー シングル ウクライナマザーシルバーグースダウン93% ゴールデンナイト KA08007062B
クリエーター情報なし
東京西川

42,900円

東京西川 羽毛布団 シベリア産マザーグース シングル
クリエーター情報なし
東京西川

45,000円


今年も秋の羽生結弦×東京西川キャンペーンが開催。

2018年10月11日 | 寝具関連ニュース



こんにちは、元ふとんや店長です。
今日は気温27度、湿度72%、秋の長雨に見舞われて蒸しています。

今年の秋も西川産業(東京西川)が羽生結弦さんを起用してキャンペーンを行ないます。
題して「東京西川 WARM SLEEP キャンペーン」です。
春と秋に行なわれる羽生さん×東京西川の販促は随分定着してきた感があります。

今回は税込み2,000円以上の購入で応募葉書がもらえます。
こちらの葉書で応募すると100名に高級寝具やタオルなどが抽選でプレゼントされます。

また特別企画として
「羽生結弦選手 オリジナルフォトカードセット」
が期間中に税込み2,000円以上購入する事で1セットプレゼントされます。
恐らく本キャンペーンとしては葉書応募よりもこちらの方が肝でしょう。
当景品は先着順で、無くなり次第終了します。
推測ですが東京西川の商品を扱う各店舗の販売規模(卸売金額規模)によって、
フォトカードセットの割り当て数量が決まってくるものと思われますので、
店舗によっては意外な早期に終了してしまう事もありえますから、
購入にあたっては事前にお店の方に在庫の有無を確認された方が良いかと思います。

期間は2018年10月10日~同11月30日。

注意点としては、寝具の西川でも西川産業(=東京西川)の商品のみという事と、
その中でも対象ブランドは限られていて、
 ・ひだまり
 ・インナーブランケット
 ・HEAT WITH
 ・WARM STYLE
などの冬のプラスワンアイテムを展開するシリーズを購入する必要があります。

対象ブランド
 「ひだまり」はあのあったか肌着で有名な「ひだまり」の繊維を利用して作られた寝具が中心。
 「インナーブランケット」は主に軽量で薄手の、羽毛と身体の間に入れる毛布が中心。
 「HEAT WITH」は吸湿発熱機能を付加した毛布や敷きパッドが中心。
 「WARM STYLE」はセブン&アイ(つまりヨーカドー)で展開していて掛けカバーや毛布など。
このうちどこででも購入出来そうなのは「インナ~」と「HEAT~」かなと思います。
ヨーカドーが近くにあるならそちらも便利でしょう(割り当ても多そうですし)。
セブン&アイは「omni7」という通販サイトも運営しているのでサイトを見てみたのですが、
通販サイトだと応募葉書の事は記載されていても羽生選手の方には言及がないので、
通販ではなく店頭でないと羽生選手オリジナルフォトカードセットはプレゼントされないのかも知れません。

是非みなさま奮ってご参加下さい。




東京西川 毛布 シングル 発熱 軽量 日本製 抗菌防臭 消臭 ローズオイル加工 巾着付き 泉大津 インナーブランケット(R) (フィット・フィットタイプ) ブルー FQ06800000B
クリエーター情報なし
西川産業(Nishikawa sangyo)

8,050円(30/10/11/1000現在、以下同じ)

東京西川 毛布 シングル やわらか 軽量 日本製発熱 ウール インナーブランケット(R) マイルドタイプ ブルー FAT2029501B
クリエーター情報なし
西川産業(Nishikawa sangyo)

11,409円

東京西川 敷きパッド シングル 吸湿発熱 ヒートウィズ ピンク PM06702037P
クリエーター情報なし
西川産業(Nishikawa sangyo)

3,404円

東京西川 あったか掛け布団カバー ネイビー シングル 吸湿発熱 ふわふわシープ調 付け替え簡単 ヒートウィズ 北欧 PI08390071NV
クリエーター情報なし
東京西川

4,298円


寝具の西川、東京・京都・大阪の三社が統合。

2018年08月05日 | 寝具関連ニュース




こんにちは、ふとんや元店長です。

もう1ヶ月ほど前になりますが、西川三社の統合が発表されました。
統合されるのは西川産業(東京西川)・京都西川・西川リビングの三社です。
本社は東京都に置かれるという事で、
言うまでもなく西川産業が三社を統一した形になったと思われます。

三社は元々一つの会社だったものが、
戦時の要請に伴う立法に基づいて三分割されたものです。
だから統合されてもおかしくはないのですが、既に分割されて七十余年が経過しており、
もう何十年も前から検討されていた事とはいえ、社員や販売店の衝撃は計り知れないものだったでしょう。

今後どの程度地方(京都や大阪)に開発力を分散するかは知れませんが、
これで商品の傾向に一層のマス化が進む事は避けられないでしょう。
しかし三社共に決して楽な決算を行なってこれていた訳でもなく、
経営の合理化や効率化は会社存続の為には已む無いものと理解されている事でしょう。

統合は2019年2月1日を期しているとの事なので、
先ずは春夏期新商品の展開が注目されるところです。
今後は百貨店・専門店・量販店・通販ともに棚割に激甚な変化が訪れるでしょう。

また西川産業と西川リビングは2019年1月期が本決算ですから、
決算に加えて旧社名の商品のメーカー在庫・店頭在庫の問題もあり、
ひょっとすると2018年末辺りから派手なセールも期待出来るかもしれません。
また本決算に限らず夏物なんかも含めて在庫の整理には力が入る事でしょう。
特に京都西川と大阪西川は徐々に存在を「無かった事」にされていくと思われますので、
京西系と阪西系の在庫はひょっとするとお得感溢れる売り場に恵まれる可能性もあるかも知れません。

そして長年好きで使われていた商品がもしあるとすれば、この機会に確保した方がいいかも知れません。
売れている商品は基本的には継続すると思いますが、予断を許さないのが統合ですから。
協力工場が大胆に整理されれば続けたくとも続けられない商品も当然沢山出てくるでしょう。

この件に関してはまだ末端の販売店等では概ね霧の中にある様で、
全国各地のお店のSNSなどでも不気味なほど触れられていませんが、
秋には来期春夏商品の展示会も目白押しになりますから、
恐らくその辺りから具体的なイメージも広がってくるのでしょう。

まとめますと、
2019年2月より、順調なら寝具メーカーの西川は四社から二社になります。
これまでは東京・京都・大阪・昭和の四社でしたが、
これが東京(仮)と昭和の二社になるという事です。
多様性はどこまで維持されるのでしょうか。
セールはどれくらい大胆に行なわれるのでしょうか。

今後も西川各社の動向からは目が離せない事になりそうです。




東京西川 敷きパッド シングル 接触冷感 & タオル地 リバーシブル 洗える ブルー オールシーズン アイスプラス PM08401521B
クリエーター情報なし
東京西川

3,980円(価格は30/08/05/1000現在、以下同じ)

昭和西川 Cool Liv SUPER ひんやり 接触冷感 敷きパッド 日本製 接触冷感値0.471 (シングル) 100×205cm
クリエーター情報なし
昭和西川

17,200円

東京西川 COOLTOUCH 冷感パッドシーツ/敷きパッド シングル CB5030 PAM1500198 (ベージュ)
クリエーター情報なし
西川産業

16,200円