2008年2月24日(日)
いつもお世話になっている食品成分表2冊のご紹介。
『オールガイド 五訂増補食品成分表』(実教出版)と『五訂日本食品標準成分表 脂肪酸成分表編』(第一出版)。
『オールガイド 五訂増補食品成分表』は、表が色分けされたり、写真やコラムを豊富に掲載するなど、カラフルで楽しい構成になっている。
いつも、リビングのソファーかPC前に置いていて、「なんだろう?」と気になったときには、すかざす調べるようにしている。「あとで調べればいいじゃん」なんて言っていると、絶対に調べないものである。
『五訂日本食品標準成分表 脂肪酸成分表編』は、通常の食品成分表では、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の大雑把にしか分かれていないものを詳細に掲載している。例えば、ネコの必須脂肪酸であるリノレン酸やアラキドン酸などがどのような食品に多く含まれているかが分かる。
このガイドブックを見てみるまでは、アラキドン酸というのは植物油の中にもたっぷりと含まれていると勘違いしていた。植物油には、リノール酸やリノレン酸は多く含まれていても、アラキドン酸は全く含まれていないのである。手づくりご飯に植物油を小さじ1杯かけたって、アラキドン酸は摂取できないのだ。
他には、有名どころでは、ドコサヘキサエン酸。「ほー、おぬしも脂肪酸の仲間であったか。」という感じ。
いつもお世話になっている食品成分表2冊のご紹介。
『オールガイド 五訂増補食品成分表』(実教出版)と『五訂日本食品標準成分表 脂肪酸成分表編』(第一出版)。
『オールガイド 五訂増補食品成分表』は、表が色分けされたり、写真やコラムを豊富に掲載するなど、カラフルで楽しい構成になっている。
いつも、リビングのソファーかPC前に置いていて、「なんだろう?」と気になったときには、すかざす調べるようにしている。「あとで調べればいいじゃん」なんて言っていると、絶対に調べないものである。
『五訂日本食品標準成分表 脂肪酸成分表編』は、通常の食品成分表では、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の大雑把にしか分かれていないものを詳細に掲載している。例えば、ネコの必須脂肪酸であるリノレン酸やアラキドン酸などがどのような食品に多く含まれているかが分かる。
このガイドブックを見てみるまでは、アラキドン酸というのは植物油の中にもたっぷりと含まれていると勘違いしていた。植物油には、リノール酸やリノレン酸は多く含まれていても、アラキドン酸は全く含まれていないのである。手づくりご飯に植物油を小さじ1杯かけたって、アラキドン酸は摂取できないのだ。
他には、有名どころでは、ドコサヘキサエン酸。「ほー、おぬしも脂肪酸の仲間であったか。」という感じ。
2008年2月24日(日)
ふくは、さつまいもを食べる。
しかも、どうやら喜んで食べている。
昨日、M動物病院で、このことを話してみた。
M院長は「変わったネコだなぁ」と笑っていた。
え、それだけ?な、なにかご意見・ご感想は?
「まあ、あんまり食べさせると軟便になったり下痢したりするから、ほどほどにね」とのこと。
なるほど。。。
少なくとも、ふく子が自分から食べたいと言ってきたものだし、まあ、いっか。
奥さんは、今、舞台の裏方さんをやっている。そこで、毎日、主役さんが舞台上で食べるさつまいもを蒸かしている。演出上の小道具というやつで。
役者さんは、毎日、さつまいもを全て食べきるわけではない。舞台上では、少しだけ食べて、あとは片付けてしまう。
その片付けられたものや、余ったものが我が家の食卓に並ぶことがある。
ある日、奥さんが仕事から帰ってきて、例のさつまいもを食べていると、ふくが寄ってきて、匂いを嗅ぎ始めた。ふくは、人が何かを食べているととりあえず寄ってきて匂いを嗅ぐ。そして、食べられそうだと判断(判断基準を知りたいのだが)すると手をかけて、「くれ」とせがんでくる。
さつまいももパンもヨーグルトもそうだった。反対に、リンゴやみかんは匂いを嗅いでみたが、ダメらしい。
ふくが1日に食べる量は、写真の量ほど。食物繊維が豊富なさつまいもなので、胃腸の負担になるほど多くあげることはしない。
うーん、ネコは肉食動物のはずなんだがなぁ。。。
ふくは、さつまいもを食べる。
しかも、どうやら喜んで食べている。
昨日、M動物病院で、このことを話してみた。
M院長は「変わったネコだなぁ」と笑っていた。
え、それだけ?な、なにかご意見・ご感想は?
「まあ、あんまり食べさせると軟便になったり下痢したりするから、ほどほどにね」とのこと。
なるほど。。。
少なくとも、ふく子が自分から食べたいと言ってきたものだし、まあ、いっか。
奥さんは、今、舞台の裏方さんをやっている。そこで、毎日、主役さんが舞台上で食べるさつまいもを蒸かしている。演出上の小道具というやつで。
役者さんは、毎日、さつまいもを全て食べきるわけではない。舞台上では、少しだけ食べて、あとは片付けてしまう。
その片付けられたものや、余ったものが我が家の食卓に並ぶことがある。
ある日、奥さんが仕事から帰ってきて、例のさつまいもを食べていると、ふくが寄ってきて、匂いを嗅ぎ始めた。ふくは、人が何かを食べているととりあえず寄ってきて匂いを嗅ぐ。そして、食べられそうだと判断(判断基準を知りたいのだが)すると手をかけて、「くれ」とせがんでくる。
さつまいももパンもヨーグルトもそうだった。反対に、リンゴやみかんは匂いを嗅いでみたが、ダメらしい。
ふくが1日に食べる量は、写真の量ほど。食物繊維が豊富なさつまいもなので、胃腸の負担になるほど多くあげることはしない。
うーん、ネコは肉食動物のはずなんだがなぁ。。。
2008年2月23日(土)
リチャード・ピトケアン著『ネコの食事ガイド』(中央アート出版社)を読んだ。
大雑把に内容を言うと、序章は、ピトケアン氏もかつては西洋医学に傾倒していた時代があり、やがてホリスティックなアプローチを求めていく姿が描かれている。ちょうど須崎氏の著書『ネコに手作りごはん』(ブロンズ新社)と類似した点でもある。(別にそれが悪いといっているわけではない)
その後、前半は現在流通しているペットフードを安直なインスタント食品やジャンクフードに見立て、それがいかに危険なものであるかを語り、中盤は手作りフードの材料について検討し、後半はひたすらレシピ集が並んでいる。
もちろん、大いに勉強になる点もあった。初めて、この類の本を読む人にとっては衝撃的であるかもしれない。
で、個人的な感想はというと、
「興味深い記述もあったが、疑問点も多くあった。」
日本では2000年の出版となっているが、米国での出版は1995年。少々内容的に古い。まあ、出版当時の状況下では、最新のものであったのだろうということを踏まえながら読むしかないだろう。
例えば、着色料の話が出てくるが、今時、気の利いたペットフードに着色料なんて使われていないと思うのだが。
ペットフードによく使われている添加物としても、プロピレングリコール、ソルビン酸カリウム、グリシリジン・アンモニエート、エトキシキン、ブチルヒドロキシトルエン、亜硝酸ナトリウムなどを挙げているが、少なくとも、近年になってからこれらが含まれているフードを見たことがない。
次に、気に入らない点としては、肝心なエビデンスの提示があるかと思いきや、大事な所で「一般には危険視されているが、筆者の経験ではそんなことはなかった」」とか「経験上そのようなことはないことが分かっている」
といった具合になんとなくぼやかされてしまうのである。
「わたしには経験があるんだから、それを信じてわたしの言う通りにしてみなさいよ。」
と言われても、説得力にかける。
具体的に言おう。
例えば、
「生の食品は生命エネルギーに溢れているので素晴らしい。調理済み食品だけでは、ペットの健康を最高の状態に保てないと私は確信しています。新鮮な生野菜や果物や乳製品を中心にした食事で、丈夫に育っている多くの人間や動物たちがその生き証人です。さらに過去20年にわたる私の臨床経験からも、このことが確信できます。」
→この点に関して、どういうわけか、そのエビデンスとして、新鮮なもやしや人参、パンなどを与えて育てられたラットの話を引き合いに出している。
→もう一点はネコ。
・完全に生の食品だけで構成される食事を食べさせたネコは健康で、獣医にみてもらう必要がまったくなかった。
・食品を調理すればするほど、それを食べるネコは健康ではなくなった。
・調子した食事を食べさせた実験用のネコに見られた健康上の問題は、口内炎や歯茎の疾患、甲状腺の障害、膀胱の炎症など、今日のネコ一般に見られるものときわめてよく似ていた。
・調理した食品を食べさせたネコは、3世代にわたって劣化し続け、とうとう繁殖できなくなった。
・ネコを生の食品で構成される食事に戻しても、調理した食事が肉体に及ぼす影響から完全に回復したのは4世代たってからだった。
そんな事実を知ったピトケアン夫妻は、野生の食事中のタウリンに匹敵する量のタウリンが含まれるレシピを考案したそうなのである。
しかしながら、後半に出てくるレシピ集のほとんどには、サプリメントとしてのタウリンを入れるように指示している。
「野生レベルのタウリンが含有されているなら、タウリンなんか添加しなくてもいいんじゃない!?」って感じ。
「ほとんどの獣医師は、サルモネラ菌や大腸菌などによる病気を懸念して生肉を食べさせることに反対しています。」
→これに対しては
「しかし、私は、このやり方を17年間推奨してきた経験から、これらの病気に感染するという問題がまったく起こっていないことを証言できます。」と答えている。
続けて、
「ネコは生来肉食獣で、生肉は彼らにとって自然な食品だからでしょう。自分のペットに生肉を食べさせることにこだわりがあるなら、もちろん自由に調理してもらっても構わない。ただ、その場合は生肉に含まれる栄養価が適用されないことを覚えておきましょう」と結ぶ。
生肉が肉食動物にとって自然な食品であるという見解には賛同する。しかし、スーパーで売っている精肉が、ネコにとって自然な食品であるとは限らないと思う。
人の手によって汚されていない大自然を駆け回っている健康なネズミを捕らえて、その場で超新鮮なうちに食する生肉(血や骨・内臓を含め)とスーパーの肉との違いは大きいだろう。スーパーでは、生食OKとして、生肉を販売することはほとんどない。少なくとも我が家の近所のダイエーと西友には置いていない。理由は、いうまでもなく食中毒が怖いからに他ならない。
その肉をネコに生で与えることに賛成でしょうか?
「ある研究は生卵の白身はビオチン欠乏症を引き起こすと結論を出しています。」
→これに対して
「しかし、この病気はラットに卵を相当過度に食べさせる実験で表面化したものなのです。私個人としては、生卵によってビオチン欠乏症にかかったネコを一度も見たことがありません。野生の食肉動物が食事の一環として生卵に依存していることを考えて欲しいと思います。(中略)サルモネラ菌中毒の脅威も、生卵についてよく言われることなので、気がかりかもしれません。しかし、私は長年獣医の仕事をしていますが、生卵を食べたことによってこの菌に侵されたネコは見たことはありません」としている。
野生のネコが生卵を食するときには、黄身も一緒に食するだろう。白身にはビオチンを分解する酵素が含まれていても、黄身にはそれに負けないくらいのビオチンが含まれている。
また、サルモネラの話は、ちょっとひどすぎる。私だって、これまで生きてきた人生の中で、サルモネラ菌に侵された友達も知人も見たことがない。大抵の人がそうではないだろうか?でも、だからと言って、大丈夫だと言うことにはならないのではないか?
次は先生お勧めの酵母の件。
「酵母はアレルギーを引き起こす可能性があるので、動物の食用に使ってはならないという人がいます。これについては、私は、私の経験では正反対だと言う事しかできません。酵母はそのような副作用を一切引き起こさない優れた食品であると経験から分かっています。酵母アレルギーの動物が時折いると仮定しても、それは非常にまれな現象でしょう。それどころか、私の経験では、ペットは牛肉や鶏肉やとうもろこしや大豆などの食品に対してアレルギーを発現することのほうが多いようです。」
経験という単語のオンパレード。ここまでくると「経験万歳」です。。。
まだ疑問は続く。
ペットフードの材料となる肉には、道路で轢かれて絶命した動物の死肉や、病気で死んだ動物の肉が使われている可能性があるとか。
(本当?とても信じられません。)
生肉をメインとした手作り食を推奨する割には、結局はビタミン剤やタウリンやカルシウム、骨粉などを随分と添加する。各栄養素の所要量に関してはAAFCOのものを参考にして、同程度かそれを上回るように設定してあるという。
しかし、肉骨粉の安全性が日本でも取沙汰されたのは、ついこの間のことではないか。あれこそ何が入っているか分かったものではない。
と、ここまでは批判めいた書評になってしまったが、様々な人の意見をなるべく多く知りたい自分にとっては、非常に有意義な読み物であったことは確かである。大変参考になったのも事実。
そして、ホリスティックケアというものに興味を引かれるきっかけになる本でもあった。このような本が少ない中で、本職の獣医師という立場で、まじめに書いて下さったことには敬意と感謝の意を素直に表したい。
ただし、全てを鵜呑みにするには、ちょっと引っかかる部分も多かったということだろう。
リチャード・ピトケアン著『ネコの食事ガイド』(中央アート出版社)を読んだ。
大雑把に内容を言うと、序章は、ピトケアン氏もかつては西洋医学に傾倒していた時代があり、やがてホリスティックなアプローチを求めていく姿が描かれている。ちょうど須崎氏の著書『ネコに手作りごはん』(ブロンズ新社)と類似した点でもある。(別にそれが悪いといっているわけではない)
その後、前半は現在流通しているペットフードを安直なインスタント食品やジャンクフードに見立て、それがいかに危険なものであるかを語り、中盤は手作りフードの材料について検討し、後半はひたすらレシピ集が並んでいる。
もちろん、大いに勉強になる点もあった。初めて、この類の本を読む人にとっては衝撃的であるかもしれない。
で、個人的な感想はというと、
「興味深い記述もあったが、疑問点も多くあった。」
日本では2000年の出版となっているが、米国での出版は1995年。少々内容的に古い。まあ、出版当時の状況下では、最新のものであったのだろうということを踏まえながら読むしかないだろう。
例えば、着色料の話が出てくるが、今時、気の利いたペットフードに着色料なんて使われていないと思うのだが。
ペットフードによく使われている添加物としても、プロピレングリコール、ソルビン酸カリウム、グリシリジン・アンモニエート、エトキシキン、ブチルヒドロキシトルエン、亜硝酸ナトリウムなどを挙げているが、少なくとも、近年になってからこれらが含まれているフードを見たことがない。
次に、気に入らない点としては、肝心なエビデンスの提示があるかと思いきや、大事な所で「一般には危険視されているが、筆者の経験ではそんなことはなかった」」とか「経験上そのようなことはないことが分かっている」
といった具合になんとなくぼやかされてしまうのである。
「わたしには経験があるんだから、それを信じてわたしの言う通りにしてみなさいよ。」
と言われても、説得力にかける。
具体的に言おう。
例えば、
「生の食品は生命エネルギーに溢れているので素晴らしい。調理済み食品だけでは、ペットの健康を最高の状態に保てないと私は確信しています。新鮮な生野菜や果物や乳製品を中心にした食事で、丈夫に育っている多くの人間や動物たちがその生き証人です。さらに過去20年にわたる私の臨床経験からも、このことが確信できます。」
→この点に関して、どういうわけか、そのエビデンスとして、新鮮なもやしや人参、パンなどを与えて育てられたラットの話を引き合いに出している。
→もう一点はネコ。
・完全に生の食品だけで構成される食事を食べさせたネコは健康で、獣医にみてもらう必要がまったくなかった。
・食品を調理すればするほど、それを食べるネコは健康ではなくなった。
・調子した食事を食べさせた実験用のネコに見られた健康上の問題は、口内炎や歯茎の疾患、甲状腺の障害、膀胱の炎症など、今日のネコ一般に見られるものときわめてよく似ていた。
・調理した食品を食べさせたネコは、3世代にわたって劣化し続け、とうとう繁殖できなくなった。
・ネコを生の食品で構成される食事に戻しても、調理した食事が肉体に及ぼす影響から完全に回復したのは4世代たってからだった。
そんな事実を知ったピトケアン夫妻は、野生の食事中のタウリンに匹敵する量のタウリンが含まれるレシピを考案したそうなのである。
しかしながら、後半に出てくるレシピ集のほとんどには、サプリメントとしてのタウリンを入れるように指示している。
「野生レベルのタウリンが含有されているなら、タウリンなんか添加しなくてもいいんじゃない!?」って感じ。
「ほとんどの獣医師は、サルモネラ菌や大腸菌などによる病気を懸念して生肉を食べさせることに反対しています。」
→これに対しては
「しかし、私は、このやり方を17年間推奨してきた経験から、これらの病気に感染するという問題がまったく起こっていないことを証言できます。」と答えている。
続けて、
「ネコは生来肉食獣で、生肉は彼らにとって自然な食品だからでしょう。自分のペットに生肉を食べさせることにこだわりがあるなら、もちろん自由に調理してもらっても構わない。ただ、その場合は生肉に含まれる栄養価が適用されないことを覚えておきましょう」と結ぶ。
生肉が肉食動物にとって自然な食品であるという見解には賛同する。しかし、スーパーで売っている精肉が、ネコにとって自然な食品であるとは限らないと思う。
人の手によって汚されていない大自然を駆け回っている健康なネズミを捕らえて、その場で超新鮮なうちに食する生肉(血や骨・内臓を含め)とスーパーの肉との違いは大きいだろう。スーパーでは、生食OKとして、生肉を販売することはほとんどない。少なくとも我が家の近所のダイエーと西友には置いていない。理由は、いうまでもなく食中毒が怖いからに他ならない。
その肉をネコに生で与えることに賛成でしょうか?
「ある研究は生卵の白身はビオチン欠乏症を引き起こすと結論を出しています。」
→これに対して
「しかし、この病気はラットに卵を相当過度に食べさせる実験で表面化したものなのです。私個人としては、生卵によってビオチン欠乏症にかかったネコを一度も見たことがありません。野生の食肉動物が食事の一環として生卵に依存していることを考えて欲しいと思います。(中略)サルモネラ菌中毒の脅威も、生卵についてよく言われることなので、気がかりかもしれません。しかし、私は長年獣医の仕事をしていますが、生卵を食べたことによってこの菌に侵されたネコは見たことはありません」としている。
野生のネコが生卵を食するときには、黄身も一緒に食するだろう。白身にはビオチンを分解する酵素が含まれていても、黄身にはそれに負けないくらいのビオチンが含まれている。
また、サルモネラの話は、ちょっとひどすぎる。私だって、これまで生きてきた人生の中で、サルモネラ菌に侵された友達も知人も見たことがない。大抵の人がそうではないだろうか?でも、だからと言って、大丈夫だと言うことにはならないのではないか?
次は先生お勧めの酵母の件。
「酵母はアレルギーを引き起こす可能性があるので、動物の食用に使ってはならないという人がいます。これについては、私は、私の経験では正反対だと言う事しかできません。酵母はそのような副作用を一切引き起こさない優れた食品であると経験から分かっています。酵母アレルギーの動物が時折いると仮定しても、それは非常にまれな現象でしょう。それどころか、私の経験では、ペットは牛肉や鶏肉やとうもろこしや大豆などの食品に対してアレルギーを発現することのほうが多いようです。」
経験という単語のオンパレード。ここまでくると「経験万歳」です。。。
まだ疑問は続く。
ペットフードの材料となる肉には、道路で轢かれて絶命した動物の死肉や、病気で死んだ動物の肉が使われている可能性があるとか。
(本当?とても信じられません。)
生肉をメインとした手作り食を推奨する割には、結局はビタミン剤やタウリンやカルシウム、骨粉などを随分と添加する。各栄養素の所要量に関してはAAFCOのものを参考にして、同程度かそれを上回るように設定してあるという。
しかし、肉骨粉の安全性が日本でも取沙汰されたのは、ついこの間のことではないか。あれこそ何が入っているか分かったものではない。
と、ここまでは批判めいた書評になってしまったが、様々な人の意見をなるべく多く知りたい自分にとっては、非常に有意義な読み物であったことは確かである。大変参考になったのも事実。
そして、ホリスティックケアというものに興味を引かれるきっかけになる本でもあった。このような本が少ない中で、本職の獣医師という立場で、まじめに書いて下さったことには敬意と感謝の意を素直に表したい。
ただし、全てを鵜呑みにするには、ちょっと引っかかる部分も多かったということだろう。