ふくと考えるネコと生活

ネコの生活・食事・健康・病気などについて。

イエネコは雑食の道を歩み始めたのか?

2008年02月16日 19時41分27秒 | 食事と栄養
2008年2月16日(土)
おもちゃのネズミに舌なめずりするふく子。

「結局、ネコは真性の肉食動物なのか?」と自問自答。

結果から言うと、昔はそうだったかもしれないが、現在の(少なくともイエネコ)においては必ずしもそうではないと思う。(もちろん、いつものように私の個人的な意見ですので、予めご了承のほどを。)

『食肉(肉食)動物とは、他の動物の肉を生で食する』動物のことであった。ネコがネズミやモグラを捕らえ、それを食してきた。バッタなどの昆虫なども食べたであろう。
 反対に、ネコが木に登って果物を採って食べたり、ウシのように牧草をモグモグと食んだりすることはなかった。

ネコが野菜畑に出現して、農作物を食い荒らすというニュースは聞いたことがない。いわゆる『ネコ草』(主にイネ科の植物)の類は例外的なもので、一説には毛玉を排出するために行うとか、ある種の不足するビタミンや食物繊維を補う目的があるとか言われている。少なくとも、これが主食であるということはできない。

「じゃあ、完全に肉食動物だということではないか!」
と突っ込まれそうだが、かつてはそうであっでも、現在の日本の一般家庭で暮らしているネコたちは、人間の近くに住み着くようになってから、雑食化してきていると思われる。イヌが人間と暮らし始めたのは、ネコよりも1万年以上も前のことであると推定されている。そのイヌが雑食化していったのも、人間との出会いがきっかけであった。

人間が採ってきたり、栽培したりして集めた食材を使った食事を与えられたのだろう。それまでは、火を使うことを知らない動物たちが『食べられない』と判断していたものが、食べられるようになった。人間以外の動物が、米や麦を育て、それらを収穫し、そのまま炊いたり、乾燥させて粉にして焼いたりすることはあり得ない。人間もイヌもネコも生麦や生米や芋等を積極的に食べようとはしない。

ところが、茹でたり、焼いたりすることで、栄養素として取り入れることが可能になった。つまり、水分を加えて調理することにより、でんぷんがα化(分子結合がゆるくなる)され、本来食肉動物が苦手とされる、炭水化物の消化・吸収が容易になったのである。エネルギー源となる、三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)のいずれをも利用することができるようになったことは、それまで肉中心のタンパク質依存であった動物たちにとっては画期的な出来事といえる。

自然界において、誰かが調理したものを食べさせてくれることはありえない。自然界の中で、α化されたでんぷんに出会う場面はひとつだけ。それは、草食動物の胃腸の中だけであろう。先の記事中でも触れたが、ネコがネズミを食べるときには、内臓・血液・骨なども肉と一緒に摂取する。

これは後で触れたいことなのだが、一般的に『ネコの手作り食』において、肉にはリンが多く含まれるため、そればかりを単独で与え続けることは危険であるとされている。
「では野生の中で生きる動物たちはなぜ大丈夫なのだ!?」という問い対しては、「野生下では、肉だけではなく、内臓・血液・骨なども含めて食べるから大丈夫なのである」と答えることが出来る。リンとカルシウムの関連性を理解すれば、リンだけが多くても、カルシウムだけが一方的に多くてもいけないことが分かる。相対的にバランスが取れていれば問題のないことも多い。

さて、人間との出会いによって、イヌは完全に雑食の道を進むことになったわけであるが、ネコとて遅ればせながらも、同じ道を歩み始めているのかもしれない。少なくとも、そうではないと言い切ることはできないだろう。陸イグアナと海イグアナの混合種であるハイブリッドイグアナの例を取り上げたが、動物は常に環境に合わせて、進化することも、退化することもできる。人間と一緒に、あるいは人間に近い所で暮らしているネコたちは、もはやいつまでも昔のネコではないはずである。

一般家庭では、米やトウモロコシが原材料に多く含まれたキャットフードが毎日与えられている。その他にも手作り食の中で、ジャガイモやキャベツ、サツマイモ、かぼちゃ、ブロッコリー、大根などなど多くの野菜を肉や野菜とともに与えられることも増えてきている。

そのようにして育てられてきたネコたちが何世代にも渡って、繁殖を繰り返してきている。キャットフードというものが初めて作られたのが、20世紀半ば(缶詰=1950年代/ドライ=1970年代)であるから、商業ブリーダーがキャットフードを与えて育てていると仮定した場合、現在存在しているネコたちは、少なく見積もっても30世代目くらいにはなるだろう。

それほどの長期にわたって、野菜類・魚介類など本来野生やそれに近いネコたちが、口にすることのない食物を摂取してきたネコたち。その中で、DNAに全く変化がなかったとするのは自然科学の摂理から考えてもちょっと考えにくい。
ネコは炭水化物を利用(消化・吸収)することが苦手とされてきたが、案外、順応する方向に向かっているのかもしれない。
(ちなみに、我が家の愛娘ふく子は、パンと焼き芋を好んで食べている)

しかし、この50年ちょっとという短い期間では、完全に雑食化することは出来ていないとも考える。従って、過度に炭水化物によるエネルギー産生を期待することは危険であると思う。

では、どの程度であれば、有効活用できる可能性があるのか、どの程度であれば負担をかけないのかなどの考察はまだまだこれからのことなのだろう。人間界においても、分子生物学やニュートリゲノミクスなどの分野は、他の古くからある学問と比べるとまだまだ研究が本格化してきたばかりである。

平成3年から厚生労働省によって制定されている、特定保健用食品(トクホ)というものがCMなどを介して、世間に認知されるようになったのも、『医食同源』という造語が定着してきたのもごく最近のことであると記憶している。

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通院

2008年02月16日 13時48分09秒 | 健康と病気
2008年2月16日(土)

土曜日は通院の日。土曜のM動物病院は非常に混み合っている。元々、それほど大きくない待合室にたくさんの人が来ている。夫婦で来たり、家族総出で来たりするので、なんだか必要以上に人が多い気がする。。。

 ふく子の耳ダニはまだいるらしい。主治医に在宅投薬も提案したのだが、「週に一度来てもらったほうがいいかなぁ」と言われてしまったので、まあご指示に従うことにする。
来週は、血液検査をお願いする予定。

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