呆老冷水録-Don’t be silly Grand'pa

80すぎたら横と後ろだけ見て過ごそうか!

川上貞奴邸の配電盤

2010年11月02日 | 遠近旅録-国内/近郊
わが国の女優の草分けとされている川上貞奴がある時期住んでいた館は名古屋白壁町の「文化のみち」の一角に残っているが、二葉町という所から移築されたため二葉館と呼ばれる観光名所になっています。

サダヤッコに対するワタシの断片的知識は
オッペケペ節の川上音二郎の妻で元有名美人芸者
音二郎一座の海外公演で女優として世界的に有名になる
福沢諭吉の娘婿で電力王と言われた実業家福沢桃介の愛人でもある

という程度で、率直なところハスッパで低俗なイメージが強かったのだが明治大正時代の芸者というのは政財界大物の社交の場には必須の存在だったそうだし、川上音二郎という人も単なるお笑い芸人ではなく自由民権運動家(政治家)兼演出家 兼実業家として貞奴とともに海外でも好評を博し一世を風靡したというから実際は二人とも相当な実力派タレントだったようです。
だから二葉館を見学したくらいでは福沢桃介-貞奴-川上音二郎の複雑?な関係も、それぞれの人物像も今ひとつ良く理解できず当時の人の考え方や風俗習慣も今の倫理感覚では理解困難な面がありますね~

ところでこの二葉館では一般家庭にはせいぜい照明用の電球が一個付いていれば上等だったと言われる当時、電化製品にふんだんに電力を使ったり、あちこちの窓に派手なステンドグラスを施して昼と見紛うばかりの絢爛な夜間照明効果を演出していたたそうで、単に大正時代の瀟洒な洋風住宅ではなく桃介の電力事業促進のためのモデルルームを兼ねた建物で、貞奴はそこのホステス役として活躍していたようです。
つまり各界の名士を招いて近代電化生活を体験させ、電気というものの利便性と電力事業の重要性をPRしたんですね~



その名残として廊下の片隅にその「舞台裏装置」である銅線むき出しのスゴイ配電盤があり、なんと貞奴本人が必要に応じてあの大きなスイッチの ON-OFF を担当していたのだとか・・・


芸者あがりとはいえ海外公演も経験し馬術もこなしたという貞奴だからそのくらいのことは難なく出来たんだろうが案外理系人間だったのかも・・・? 
(2010年11月記)




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