観光立国？

クロアチアのアドリア海沿岸で無数の小島を眺めていたら、なぜかフッと奥の細道で芭蕉の見た松島はもしやこんな風景ではなかったのか？と思ったから不思議ですね～。
勿論スケールも気候もワビサビの世界とは大違いではあるものの、白砂青松とか山紫水明とか自然の美しさを形容する日本語は、今やクロアチアのこの地方にこそ相応しい気がします。

点在する集落やその周辺何10kmにも続く海岸線を目を凝らしてみても、漁業、農業など生活のにおいは全く感じられず、雑物過密の社会に住む現代の日本人にはただただ「不思議」としか思えないが、クロアチアには江戸時代の芭蕉が見た松島や象潟と同じ自然のままの美しい風景がまだまだあちこちに沢山残っていて、とに角バスで何時間走っても海岸線はどこも高級別荘地帯と言った風情！
クロアチアの人々は一体どうやって生計を立ててるんですかね～？？
最近我国も観光立国を目指すなどと言い出しているが、日本の観光地の現状と国際レベルとの差はどうヒイキ目に見てもサッカーの実力差どころではありますまい。観光資源の価値を直感的に比較するとおそらく100：1以上　いや残念ながら次の理由で100：0つまり∞倍ですかな？（←サッカーは0：0だったが・・)
しかも価値を下げているのは専ら行きすぎた商業主義による人的な部分ですからね～
仮に日本三景の一つ（と昔は言われた）「松島」を国際レベルの観光地に復元するとしたらチョット考えただけでも既得権者の猛反対を押しつぶすほどの強大な権力と資金がないと結局は実行不可能と言う結論になるのは明らかです。
宮城県人に恨みはないが、率直に言って松島の売り物は「昔風景　今　カマボコ」！わざわざ外国人が陸から島影も見えない松島までカマボコ買いに行くカイな？？？

要するに長年に亘って破壊されつづけた自然は簡単には取り戻す事が出来ないという好例で、これは松島だけの問題ではないのです。　
それにしても　なんとかならんかネ～・・・
(2006年7月記)