名古屋の女性社労士・行政書士事務所ブログ

会社設立から雇用相談、助成金まで。オフィス石野が、日々のあれこれをアップします!

日本年金機構:アニュアルレポート

2011-10-31 09:20:25 | スタッフのつぶやき
スタッフAです。

少し肌寒い朝ですが、気持ちがいいですね!!
もう10月も終わりだというのに昼間は暑いので、
自称“プチ更年期”の私はまだ半袖をしまっていません


さて本日のタイトル、日本年金機構のHPに
「アニュアルレポート(年次報告)2010」が
掲載されているのを発見しました。

「アニュアルレポート」とは、
2010年度の日本年金機構の取組とその結果を報告したものです。
128ページにわたって、かなり充実した内容になっています。

中でも特集記事は読みごたえがありました。
「東日本大震災」「国民年金50年の歩み」
「ライフステージと年金」の3つの特集があったのですが、
「ライフステージと年金」では、
親子3人の人生の節目での年金との関係が
分かりやすく紹介してあります。
イラストも交えてあるので「あまり年金のことは分からない」
といった方にも興味を持って見ていただけるのではないでしょうか。

また、「トップインタビュー」として2人の大学生が
日本年金機構の理事長にインタビュー形式で対談していて、

「20歳になるとある日突然書類がいっぱい届くのですが、
全部読んで理解するのは結構大変ですね。
なんだか面倒くさいな、というのが率直な印象でした。」

と、年金について若者を代表した意見を理事長にぶつけていて
面白い内容でした。


日本年金機構は平成22年に公的年金制度および
公的年金事業に対する国民への信頼を回復することを
目的に設立されました。
このレポートには組織体制や役員紹介も載っていて
かなりオープンになっています。

以下、日本年金機構HPです。
http://www.nenkin.go.jp/disclosure/pdf/annual/2010nenkin_all.pdf

すべてを読むのは大変ですが、
概要版を見ただけでも「お客様満足」に向けての
意気込みが伝わります。

(概要版)
http://www.nenkin.go.jp/disclosure/pdf/annual/2010nenkinGaiyo.pdf


年金の支給開始年齢引き上げも先送りになるなど、
先の見えない試行錯誤が続いています。
テレビで年金に関するアンケートの結果を放送していましたが、
半数以上が「年金をあてにしていない」という結果でした。
では年金以外に何か策を考えているか、という質問には
「貯金」「企業年金」「投資」という回答の他に
「何もしていない」が3割ほどを占めていて、
「年金制度には不信感が募っているが、自分でも何もしようがない」
といった現状が浮かび上がっているようでした。

とはいっても年金制度が破たんしても困ります。
年金制度の問題点ばかりがクローズアップされていますが、
「アニュアルレポート」は分かりやすく書いてあるので、
見て頂くと少し考え方も変わるかも…。

年金制度改革、今後も迷走が続きそうですが、
自分たちに直結する問題ですし、
今後も動向が気になります…。


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働けば損になる? 配偶者加給年金の皮肉

2011-10-25 09:46:00 | 年金のおはなし
こんにちは。オフィス石野いしのです。
先々週から2週続けて休みなしでかなりグロッキー・・
今週末も仕事があるので、この月曜日から金曜日までは、なるだけ省エネモードで乗り切ろうと思ってます(笑)。

さて、先日、60歳で再雇用となる従業員(Aさん)の老齢厚生年金の
手続きをさせて頂きました。

この方のご主人(Bさん)は、すでに年金受給者であり、
奥さん(Aさん)に対する加給年金が支給されていました。

ちなみに【配偶者加給年金】とは、
一定の扶養親族に対して加算される年金で、
いわば年金版の扶養手当のようなものです。

この加給年金は、
厚生年金に原則として240月以上加入している方などに
権利が発生するのですが、今回年金請求をされるAさんにも
また厚生年金の期間が240月以上ありました。

じゃあ、加給年金は、ダブルで受給できるの?! うらやましー!

・・・と思った方は、残念!
実は、このような場合は、
どちらの加給年金にも支給停止がかけられてしまい、結果として
それぞれに加給のない普通の老齢厚生年金を受け取ることになるのです
(ただし、一方が在職停止で、実質的に1円も老齢厚生年金が支給されない場合を除く。)

もともとの法律の趣旨としては、
「加給年金はあくまで扶養手当のようなもの。
奥さんも働いて厚生年金に20年以上入ったんだから、
扶養手当なんてつける必要ないよ。」
ということなのでしょう。

でも・・・。
一般的には、女性の賃金は男性のわずか6割程度と言われています。
また年金額は、現役時代の平均給与がその額に影響するので、
女性の場合は、20年以上働き続けた年金額が、
扶養手当である加給年金の額に届かないことも珍しくありません

この方の場合も、そのケースに該当し、
Aさんが60歳になって、年金の受給権が発生することにより、
(Aさん・Bさん合算)の年金額<(Bさん単独)の年金額
という結果になってしまいました。

ところで、
そもそもこの逆転現象は、ご夫婦双方が240月以上あったから・・のこと。

言いかえれば、仮にAさんの厚生年金期間が239月までであれば、
Bさんは引き続き、Aさんが65歳になるまで加給年金を受けることができました。

年金額は、本来、加入期間に応じて増えるはずのものですが、
加給年金については、このように制度の矛盾が生じます。

この制度がつくられた昭和の時代には、まだ共働き世帯は少なく、
加給年金で恩恵を受ける世帯が多かったことは事実です。

でも、平成9年以降は共働き世帯が片働き世帯を上回っており、
平成22年は、共働き世帯が1,012万世帯、片働き世帯が797万世帯となっています。
http://www.gender.go.jp/whitepaper/h23/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-02-18.html
(平成23年版 男女共同参画白書より抜粋)

それなのに何故、長く働けば損になるような年金の仕組みが、
今でも是正されずに残っているんでしょうね

年金改革をするなら、保険料負担や支給年齢の変更などの議論ばかりでなく、
まずは働く者が報われる年金システムにして頂きたい!と思うばかりです。

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協会けんぽの保険料率がアップ!?

2011-10-21 13:22:05 | 保険料のおはなし
スタッフBです♪

9月中旬から10月にかけて祝日も多く、なんやかんやで
あっという間の10月下旬。。。

もうすぐ、11月。
年賀状の販売が始まっちゃいますね
年末が近づくと、気分的にせかされ気味になりそうです。


さて、10月初旬は、年金の支給年齢引き上げ検討についてのニュースが
話題になりましたが、協会けんぽの保険料率についてもこんなニュースがありました。

協会けんぽのホームページに掲載された「平成24年度の協会けんぽの収支見込について」によると、現在9.5%程度の健康保険料率(愛知県の場合、9.48%)が、来年度は10%を超える見込みになっている、というものです。
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/resources/content/83392/20111013-115243.pdf

国庫補助率の引き上げを要望としていたそうですが、平成24年度概算要求において、現行維持となったため、

① 高齢化に伴う高齢医療への拠出金増加
② 保険料収入のベースとなる賃金の下落傾向

などの理由から、
保険料率の引き上げとなる見込みとのこと。

ちなみに資料によると、平成20年以降、医療費は右肩上がりの増加傾向にあるのに
対して、賃金(標準報酬月額)は右肩下がりの下落傾向であることがよくわかります。
(賃金は、平成20年を1とすると、平成24年は0.95)

仮に、10.2%への引上げとなった場合の保険料負担は、

(被保険者1人当たり、労使折半前)
〔年額〕26,284 円(356,706 円→382,990 円)の負担増
〔月額〕2,190 円(29,726 円→ 31,916 円)の負担増
(注)標準報酬月額を280,000 円、賞与月額を年1.41 月とした場合の負担を算出

とされています。

年間になると結構な額になります
じわじわと負担増を実感させられるこの頃です。

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求職者支援制度

2011-10-11 14:13:53 | 雇用保険のおはなし
スタッフAです。

過ごしやすい季節になりましたね!!
カラっとして気持ちがいい時期が
昔より減った気がするのは私だけでしょうか…


さて、本日のタイトルにありますように、
H23年10月から「求職者支援制度」が始まりました。


「求職者支援制度」とは、

・雇用保険の適用がなかった方
・加入期間が足りず雇用保険の給付を受けられなかった方
・自営業を廃業した方
・新卒で就職できなかった若者・・・等

“雇用保険を受給できない求職者”の
就職支援を実施することにより、
安定した「就職」を実現するための制度です。

すでに平成21年度から緊急人材育成支援事業として、
同制度の原型となる職業訓練および訓練期間中の生活給付が
「基金事業」として先行実施されてきましたが、
同制度は臨時的な措置であり今年9月限りで終了するため、
10月に求職者支援法を施行し、セーフティネットを恒久化する
新制度としてスタートしました。

対象者は、テキスト代は自己負担ですが「受講料無料」で、
民間事業者の資格取得講座を受講するなどの職業訓練を
受けられます。
また、世帯収入や金融資産の水準など、
一定の条件を満たす場合に限り、
「月額10万円」の手当や訓練に必要な交通費が支給されます。

以下、詳細は厚生労働省HPを参照下さい。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/kyushokusha_shien/index.html


昨年閣議決定された「新成長戦略」でも、
この制度は「失業をリスクで終わらせることなく、
新たな職業能力や技術を身につけるチャンスにかえるもの」
と位置付けられていています。
また、職業訓練と給付を結び付けることにより
受身の生活保障ではなく、「就労を支えるセーフティネット」
となっているのが特徴です。


厚生労働省のリーフレットには、以下の文章があります。

「求職者支援制度は、職業訓練による能力形成を通じ、
真剣に就職を目指そうとする方のための制度です。」



求職者の「早期」の就職を優先するだけではなく、
長期的な視点をもって就職を支援することが望まれます。
また訓練と給付を受けた求職者が、訓練が終了してから
どのような雇用についたかなどその後を検証しながら、
この制度の意義、今後のセーフティネットの在り方を
考えていく必要があるのではないか、と思います。


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H23年 最低賃金が改定されました!

2011-10-06 17:56:03 | 労働法のおはなし
こんにちは。オフィス石野いしのです。
久しぶりにブログ登場ですが、
その間にすっかり夏から秋へ季節が変わりました。

ちょうど先々週は長野、先週は山梨へ行く機会がありましたが、
あちらはチラホラ紅葉も始まっていましたね。
本当に・・・秋です♪

ところで秋になると変わるもの。
そのうちの一つに「最低賃金」があります。

最低賃金自体は、各都道府県別に決められており、
今年も各地で順次、改定の時期を迎えています。

★全国各地の最低賃金はこちらから ⇒ 
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-02.htm

ちなみに
愛知県内の全労働者に適用される最低賃金は、「750円」
となりました。

しかし、私としては、
「ついに愛知県も750円に突入しちゃったんだなぁ~・・」と思わず感慨。

というのもお客様と残業対策などをする場合、
「残業手当をきちんと払うことを前提にして、給与設定して下さいね。」
「基本給や諸手当を下げてでも、時間単価を下げておくことも大事ですよ!」
などとアドバイスさせて頂くこともあります。

じゃあ、いったいどこまで下げておけばいいのか・・と
考える際の目安の一つとして、
「当然、最賃は割ってはいけない。」があり、
「最賃ギリギリだと、改定後にうっかり割れのリスクがある」ので、
だいたいの相場観として「750円以上なら、十分安全ライン♪」と
位置づけていたんですよね~。

でも、その750円が「最賃ギリギリ」になってしまいました。

私が事務所を開業した平成13年頃は、愛知の最低賃金はまだ681円。
(今、見ると恐ろしく低いですね・・・)

ちなみに愛知で700円を超えたのは
ようやく平成19年になってからのことです。

★ご興味のある方は、過去の愛知県最低賃金をどうぞ
http://aichi-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/jirei_toukei/chingin_kanairoudou/toukei/saitei_chingin/saitin04.html

しかし、「最低賃金1000円以上!(by民主党)」のスローガンのもと
最近はラジカルに最低賃金が上がる年もあり、
とうとう安全ラインは、ちっとも安全ではなくなりました・・・

ただ、事業主さんとお話する時には、
「最低賃金、上がるとツライわぁー!
ですが、働いて得る賃金の最低ラインが低いまま放置されているのも考えもの。

ここ数年、日常業務の中で
「傷病手当金」や「失業給付」や「休業の助成金」など
働かなくても得られる公的補助のお話をすることが
昔よりも増えています。

「働かなくても食えるニッポン」の現状には、
安心を感じるべきなのか、不安を感じるべきなのか??と
とまどうこともあります。

生活保護のことなども含め、これらの公的補助は
「しっかり働くニッポン」でないと賄えないものです。

困ったときは、緊急避難の公的補助をしっかり使い、
早期に「しっかり働く」状態に戻すことが何より大事だと思います。

そのためにも、やはり最低賃金の引き上げは、
ウエルカム!とすべきなのでしょうね・・・。(複雑ですが。)

注)
この記事での最低賃金額は、その地域で働く【全労働者に適用される最低賃金】です。
これとは別に【その地域の特定の産業で働く労働者に適用される産業別最低賃金】
というものもありますので、製造業や小売業はそちらもご確認下さい。
http://aichi-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/jirei_toukei/chingin_kanairoudou/toukei/saitei_chingin/saitin01.html

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