旅の途中・・・

食と音と人の旅

手口闇両替

2006年06月12日 18時32分58秒 | 
かれこれ15年くらい前のこと。インドのムンバイ(ボンベイ)でのことである。マリンドライヴ(ムンバイの沿岸線)でそいつが声をかけて来た。
またですか。こいつらちょっとヤバいけどやってみようか。てな訳で闇両替交渉開始。いくら?公定より少し高い100ドルだと400~500ルピーくらい高いかな?近くで仲間らしきタクシーの運ちゃんがこちらを伺っている。怪しい感じだ。だいたいこんな事やってる奴らにまともな奴なんているわけがない。が、しかしお金も多く欲しい。よって多少のリスクも仕方がないことなのだ。路上交渉。ある意味変なところへ連れて行かれるよりよっぽどましだ。ゴアのマプサ(地名)では信頼できる絨毯屋でやっていたので何も心配はいらなかった。気難しい顔をしたおやじはタンタンと仕事をやってくれた。T・CもOKだった。なんて平和なところだろう。今ここにいるこいつはちゃらちゃらして、なんかだめそうだ。
先にそっちのお金をかぞえらせろ、いやそっちが先だ。何度も押し問答をした。らちがあかないと向こうが先に動いた。ワシの鞄に無理矢理お金を入れて来た。ふざけんな数えてもいないのに・・・鞄の中で数えようと思ったら、早く金をよこせという。こいつはダメだと思い金を返そうとしたら、なんと・・大きな札の中に小さな札が混じっているではないか。唖然。なんて奴だ。騙されそうになったのである。突き返した。その時お金が宙に浮き、ばらまかれてしまったのである。ヤバイ!ん~逃げろ~、全力疾走。振り返らず逃げた。まるで映画のワンシーンだ。ワシは追われている。しかも悪党にだ。見ようによってはワシも悪党の分類なのかもしれないが。彼はお金を拾うのに必死だったと思う。足りなかったらきっと親分にどやされるのだろうから。まぬけな奴だ。そしてワシは二度とムンバイでは闇両替をすることはなかった。それ以前にそれ以来行ってない。その後ムンバイはどうなってんだろうとかインドにいきたいなあなんて思いを馳せるこの頃である。