北陸の飲食店コンサルタント office kobe

飲食店経営に強い中小企業診断士のブログ

原価率だけを動かそうとすると失敗します

2012年06月27日 | 飲食店経営のヒント

飲食店の支出項目の中では、食材やドリンクの仕入代金である売上原価が一般的には最も大きな割合を占めています。

この売上原価率について、業界平均や競合店より高いというだけで、無理やり引き下げようとすると失敗するケースが多いように感じます。

失敗しないためには、①売上原価、②人件費、③地代家賃の3つを一定の範囲内で動かす意識が必要だと思います。私はこの3つの合計金額を売上の65%以内に抑えることを目安にしています。

そして、大切なことは、この3つを65%以内で、一番お客さんが喜ぶ配分にすることです。

例えば、地代家賃が安いものの立地が良くない場合には、浮いた分を売上原価に投入したり、また、売上原価をアップさせてでもお手頃価格で販売したいなら、人件費を抑える工夫も必要です。

売上アップと同じくらいしっかりと考えるべきテーマだと思います。


スープで勝負するお店

2012年06月26日 | 飲食店経営のヒント

厳しい経営が続く飲食店が多い中で、女性が好むようなイタリアンのお店は比較的好調に感じます。

特に、ランチタイムは平日でも集客力のあるお店が多くあります。

ただ、気になるのはそれらのコースメニューがよく似ているところです。

もちろん内容はそれぞれであり、お店の魅力が表現されているからこそ、集客できていると思うのですが、前菜(サラダ、スープ含む)、パン、パスタ、デザート、ドリンクまでの流れはよく似ています。

この枠組みを変えずに、他店と差別化するには限界があるように思います。

個人的には、前菜を外して、その代わりにスープで勝負するようなお店があれば印象に残ると思っています。

スープと言っても、ファミレスのランチに付いてくるようなものは逆効果です。

前菜に代わるほどのインパクトある味、こだわりが必要なので、簡単な話ではありませんが、うまくできれば大きな効果が見込めると思います。

これに限らず、同じ枠組みで勝負するのではなく、枠組みを変えて勝負できれば勝ちやすくなるように思います。


メニューの見直しは3段階で考える

2012年06月25日 | 飲食店経営のヒント

飲食店の経営改善の仕上げがメニューの見直しだと、私は考えています。

仕上げとしたのは、コンセプトの見直し、経費削減、接客改善など、メニューの見直しとあわせてすべきことがたくさんあるからです。

メニューに問題がある場合は、①~③のどこかで流れが止まっています。

 ① おいしくない

 ② おいしそうに見えない

 ③ 注文してもらえない

まずは、どこに問題があるのかをはっきりさせてから、見直しを始めると効果的だと考えます。


焼肉チェーン店の変化と個人店のチャンス

2012年06月22日 | 飲食店経営のヒント

数年前から、焼肉店の看板や広告には「○○○=100円」「焼肉全品半額」「○○1皿プレゼント」などの表現をよく見かけるようになりました。

安く売ることが、当たり前のような流れができてしまったのだと思います。

先日、全国チェーンの焼肉店を久しぶりに利用してみて、以前に比べてかなり割高な印象を受けました。

チェーン系の焼肉店はおそらく、安売り競争を経験して、安売りしても儲かるようなメニューに徐々にシフトしていった結果、質、量ともにかなりレベルを落としているのでしょう。

理論上は儲かるように作ってあるのでしょうが、それ以上に集客力が落ちてしまうように思います。ただ、今はまだその知名度や広告宣伝により、個人店に比べると集客できているように思います。

焼肉や寿司というジャンルは、原価をかければ、ある程度まではそれに比例して質も良くなります。

ですから、個人店は原価をかけて、しっかりした商品を提供して勝負するべきだと思います。

チェーン店に限らず、個人店でも無理して安売り競争に対抗して、苦戦しているところもあります。

広告宣伝や無理な値引きをせずに、しっかり原価をかけて勝負すれば、チェーン店に勝てるようになるはずです。